表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王から学ぶ魔王の倒しかた  作者: 唯野bitter
第2章
214/459

第百七十八話 汚物は消毒だ

連続投稿最終日です。今回は短めです。

 頭巾とエプロンを身に着けた私は鏡で可笑しな所が無いか最終チェックする。



「問題ないな」



 右手に箒、左手にバケツを持ち私は高らかに言い放つ。



「これよりスターダスト家の大掃除を開始する!」

「あの、一つ聞きたいんですけど……」



 私の隣で同じく頭巾とエプロンを身に着けたラビが恐る恐る手を挙げる。



「なんで私まで掃除に駆り出されているんですか?」

「ホウリがおらず特訓が出来ないんだろ?だったら、特訓がてら掃除を手伝ってくれても良いじゃないか」

「でも、私が掃除すると色々と壊しますよ?」

「大丈夫だ。私も色々と壊している」

「それは大丈夫とは言わん」



 隣にいたフランがため息を吐く。フランも例に漏れず頭巾とエプロンに着替えている。



「まったく、直すのはわしなんじゃぞ?」

「別に良いじゃないか。前に家事の特訓に付き合ってくれるって言ったじゃないか」

「言ったが、もう少し壊す頻度を少なくしてくれんか?一日に10個も物を壊されてはかなわん」

「分かった。そういう訳だから、ラビもいくらでも物を壊すと良い」

「分かっとらんではないか」

「そう言う事ならやります」

「ラビも二つ返事で受けんで良い」



 よし、特訓仲間のラビもいるし、物を直してくれるフランもいる。これで特訓もはかどるだろう。

 本音を言えば料理の特訓がしたいが、ホウリに止められている以上そうもいかない。



「早速始めよう」

「大掃除って事は家を全部掃除するって事?」

「今日はリビングだけだ」

「それって普通の掃除では?」

「私達にとっては大掃除だろう?」

「それもそうですね」



 ラビがハタキを握ってやる気を伝えてくる。



「まずはハタキで埃を落とさないとですね」

「そうだな」

「待て」



 私がマスクを着けて窓をハタキで掃おうとすると、必死な表情のフランに止められる。



「どうした?何かマズかったか?」

「窓際を掃おうとするだけなのに、なぜそんなに振りかぶっておる?」

「この方が多くの埃を掃えるだろう?」

「どう考えても割れるじゃろうが!」

「そうなのか?」



 私が首を傾げるとフランが呆れた様に頭を抱える。



「こういうのは力任せにやれば良いという事ではない。丁寧に細かく動かすんじゃ」

「そうなのか」



 フランに言われた通り、振りかぶらずハタキを細かく動かす。

 パタパタという音と共に埃が舞う。そうか、これでいいのか。そう思った私はなるべく丁寧に埃を掃っていく。

 すると、横から刺すような視線を感じた。視線の先を見てみるとフランが私をジッと見つめていた。

 なんだか、見張られている気分だ。これではやり難いな。



「なあフラン。なぜ私を見てるんだ?」

「お主が物を壊さぬように見張っておる」

「私よりラビを見張った方が良いんじゃないか?あっちの方が物を壊しそうじゃないか?」

「どっちも見張っておる」



 そう言ってフランは後ろを指さす。フランが指さす方へ視線を向けると、もう一人のフランがラビを見張っていた。ラビは食器棚をハタキで掃ってる。

 スキルで分身しているのか。



「お主らは同様に信頼しておらん」

「そんなに信用無いのか?」

「勝負事の時のホウリくらい信用しておらん」

「失敬だな。私はそこまで──」(パリン)



 私が掃っている所から嫌な音が聞こえる。



「ミエル?」

「……私は何も知らない」

「現実を見よ」



 フランに言われ、気が進まないながらも音のした方へ視線を向ける。そこには私のハタキによって割れた窓ガラスがあった。

 フランが割れた窓ガラスを撫でると、私に向かって不自然な笑顔を作る。



「で、『私はそこまで』の続きを聞かせて貰おうか?」

「……すみませんでした」



 私は大人しく窓際を掃う作業に戻る。瞬間、ラビが掃除している方向から何かが折れるような乾いた音が聞こえた。

 思わず音がした方へ視線を向けると、ラビが持っていたハタキが壁に深々と突き刺さっていた。

 当のラビはというと、気まずそうにフランから目を反らせていた。そして反らせた視線の先で私と目が合う。



「ち、違うんです!最近は力の調整が上手くいってたんですけど、今日はたまたま……」

「大丈夫だ。上手くいかないもどかしさは私が良く知っている」

「え?」



 ラビの目が私が割った窓ガラスに視線が行く。



「そうか、ミエルさんも……」



 私とラビは見つめあうと自然に近付き、ガッチリと握手を交わす。わたしとラビは言葉を交わさない。しかし、お互いの気持ちはしっかりと伝わっている。

 私たちはお互いの気持ちを確かめた後、私達は再び自分の掃除に戻る。



「さあ、掃除を続けようか」

「よく分からんが、もう物は壊すでないぞ?」



 フランが窓ガラスを直し、再びハタキで埃を掃う。

 辛いのは私だけじゃない。そう思うだけで、力が湧いてくる。頑張ろう!



☆   ☆   ☆   ☆



「よし、大体片付いたな」

「私達、やりましたね」



 私はピカピカになったリビングを見て私達は満足する。しかし、対照的にフランはかなり疲れた様に呟いた。



「わしがおらんかったら大惨事じゃけどな。いつもよりも壊した数は多かったぞ?」

「頑張った結果だ。多少は多めに見て欲しい」

「そうですよ。頑張ったんですから少しはいいじゃないですか」

「2人含めて花瓶の破壊が16回、窓ガラスが9回、壁が3回、机が10回、床が6回、天井が2回。これが多少か?」

「…………」

「はぁ、何をどうしたら天井が抜けるんじゃ?」

「私にもわからん」

「私にもわかりません」

「お主らに分からんのなら誰が分かるんじゃい」



 フランが呆れた様に呟いた。確かに少しだけ多かったかもしれない。フランには悪い事をしたかもな。



「その、すまなかった」

「別に良い。お主らが頑張っておるのは事実じゃしな」



 フランはそう言ってくれるが、疲れた表情を見るに結構無理しているな。可能な限り物を破壊しないように頑張ろう。



「よし、次は洗濯だ」

「あれ?まだやるんですか?」

「これは家事の修行だからな。掃除だけでなく他の家事もやらないとな」

「わしも付き合うぞ」

「大丈夫ですか?疲れているように見えますけど?」

「疲れていてもミエル一人で家事をやらせる訳にはいかん。家を瓦礫の山にする訳にはいかんしのう。それに、今はラビもおるし休んでおる訳にはいかんじゃろ」

「あー、それもそうですね」



 酷い言われようだが、私たちが今日破壊した物を思い返せば何も言い返せない。



「じゃあ洗濯を始めよう。念のために洗濯物は私の物を使う」

「ロワのじゃなくて良いのか?」

「そそそそんなのあwせrdtfygふじこpl」

「冗談じゃよ。動揺しすぎじゃ」

「……そう言う事だから、庭に行くぞ」



 私は洗濯物を持って足早に庭に出る。……顔、赤くなってないか?

 桶に水をためて洗剤を溶かす。そこに洗濯物を入れる。



「ほれ、洗濯板じゃ」

「ありがとう」



 洗濯板を使って洗濯を始めようとする。そこで、私はある物を思い出した。



「そういえば、ミントからこんな発明品を預かっていたんだ」

「なんじゃい?」



 私は蛇口についているカランのような魔道具を取り出す。確か、このボタンを押して桶に入れればいいんだな。

 ミントから聞いていた操作を思い出しながら操作する。



「これで自動で綺麗になる筈だ」

「家事の特訓なんですよね?発明品使って良いんですか?」

「洗濯物はまだ残っているし試してみるだけだ」



 そう思いながら桶を見つめていると、中の水が渦を作り始めた。

 中の洗濯物がどんどんと綺麗になっていく。



「おお、これは凄いのう?」

「便利ですね。私の家にも欲しい……ってなんか可笑しくないですか?」



 ラビの言う通り、渦がどんどんと早くなっていき洗濯物を吹き飛ばさんとする程の威力になる。すると、渦は桶の中から飛び出した。



「……マズくないか?」

「念のため、構えておけ」



 嫌な予感を察知した私は盾と剣を構える。それを見たラビも拳を構える。

 渦は天にも昇る程に高くなり、家の建物や地面をえぐり取り始めた。



「このままだと家の外にも被害が出かねない。なんとかするぞ!」



 私は大剣を渦に向かって振り下ろす。しかし、大剣は水を通りすぎ、勢いを止めるに至らない。



「やあ!」



 ラビも渦に向かって殴りかかるが、少し形を変えるだけで止まる事は無い。



「……これどうします?」

「元はと言えばあの発明品が原因だ。あれを破壊すれば止まる筈だ」

「言っておくがわしは手を出さんぞ?お主がやったことはお主が方を付けよ」

「分かっている。いくぞラビ」

「はい!」



 渦をよく見てみると、中心にさっきの発明品が浮いているのが見える。あれを破壊すれば止まる筈だ。



「発明品は渦の中心だ!突っ込めラビ!」

「分かりました!」



 ラビが渦に突っ込む。すると、渦は意志を持ったようにラビに遅いかかる。



「させるか!」



 私はヘビーウェイトを発動しながら盾でラビを庇う。ラビは体重が軽い。ダメージは受けなくても吹き飛ばされ近づけない可能性がある。だが、これでラビは近づける筈だ!

 水が散り、渦の威力が弱まる。ラビはそこを逃さず、一気に発明品に向かって接近する。



「これで終わりだ!」



 ラビの拳が的確に発明品を捉える。発明品は粉々に砕かれ、渦は霧散した。

 桶の中を見てみると、さっき入れた洗濯物が残っている。洗濯物を広げてみると、入れた時よりもピカピカになっている。



「洗濯物を綺麗にするという意味では成功じゃな」

「本当にそう思うか?」

「わしなら破壊は簡単じゃ。割と本気じゃぞ?」



 そう言ってフランは発明品のかけらを手にする。すると、庭に散らばったかけらが独りでに集まり、元の発明品へと戻る。



「これはわしが貰っておこう」

「わかった」



 とりあえず、ミントは次にあった時に殴っておこう。

ミエルもちゃんと努力してます。

ちょっとした事情により、近い内に茶番を投稿するかもしれません。


次回は未定です。まったく何も決まってません。


最近遊戯王GX見てます。今は進級した所まで見ました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ