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魔王から学ぶ魔王の倒しかた  作者: 唯野bitter
第2章
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第百六十五話 誰もお前を愛さない

最近本編が短くなってますが、モチベーションが少し落ちただけです。あと少ししたら戻ると思います。

 ノエルとコアコの採寸が終わり、わしらは仕立て屋の外に出る。



「ロワ達はまだか」



 周りを見渡してみるがロワ達の姿はない。まだ採寸に時間がかかっているのじゃろう。

 ロワを待つ間にもノエルとコアコは楽しそうに話している。

 その様子を微笑ましそうに見ていたコアコの父親がわしへと視線を向ける。



「この後、食事でもどうですか?勿論、お時間があればで構いません」

「そろそろ昼飯時じゃし、別の良いぞ」

「ほんと!?やったー!」



 ノエルとコアコが笑顔でぴょんぴょんと跳ねまわる。数回しか会ってないというのに、随分仲良しじゃ。これもノエルの人徳といった所かのう。



「どこに行きたい?」

「えーっとね……」



 ノエルが答えようとしたと同時に、仕立て屋からロワとフレズが出て来た。



「お待たせしました」

「わしらも今終わった所じゃ。気にするでない」



 そこまで話して、わしは違和感を覚える。ロワはいつも通りニコニコして変わり無い。全身を満遍なく見てみるが、どこも変わった様子は無い。

 気のせいか?じゃが、こんなに大きい違和感を木のせいで片付けるには……



「どうしました?」



 考え込んでいるわしを心配したのか、ロワが首を傾げて聞いてくる。



「いや、なんでも……」



 なんでも無いと言おうとして、ロワの背後にいるフレズが目に入る。

 冷静を装ってはいるが、頬がほんのりと赤くなっておる。目線は無意識にロワへと向いており、その目線は熱を帯びている。

 そこまで把握したわしの頭に嫌な考えが浮かんでくる。

 顔が引きつらないように気を付けながら、わしは口を開く。



「フレズ、もしかして()()()()()()()()()()

「ひぇい!?み、見てないよ!?」



 わしはすかさず看破を使ってフレズの言葉も審議を確かめる。

 看破は相手が嘘を吐いているかが分かるスキルじゃ。相手が本当の事を言えば頭の上に○が、嘘を言えば×が出てくる。

 わしは祈るような気持ちでフレズの頭の上を注視する。

 しかし、わしの祈りも届かずフレズの頭の上には大きな×が浮かびあがってきた。



「……ロワ、ちょっとこっちにくるんじゃ」

「え?なんですか!?ちょっと!?」



 何が起こっているのか分かっていないロワの胸倉を掴んで、無理やり路地裏に連れ込む。

 インビジブルを使ってわしらの姿を目立たなくした後、ロワを壁に叩きつける。



「ぐはっ!?何するんですか!?」

「それはこっちのセリフじゃ。お主、自分が何をしたか分かっておるのか?」

「え?」



 心当たりが無いのか首を傾げるロワ。こやつめ……。

 呆れ半分、怒り半分でわしは採寸の時の事を聞く。



「フレズにお主の素顔を見られたみたいじゃ。心当たりはあるか?」

「えーっと、いつも通り気を付けていたはずですが……あ」



 腕を組んで考えていたロワだったが、何かを思い出したのか目を見開いて冷や汗をダラダラと流し始めた。



「何かあったんじゃな?」

「……上着を脱ぐときに邪魔だったので、少し布を外してしまいました」

「お主な……」

「……すみません」

「わしに謝ってもどうしようもないじゃろ」



 合格が決まったからと浮かれ過ぎたみたいじゃ。こやつは本当に油断しすぎじゃ。どうしてこんなに肝心な時にやらかすんじゃ……。

 ……今はそこは良い。問題はこれからどうするかじゃ。



「とにかく、このままでは不味くなるのは目に見えておる。どう行動していくかが肝心じゃ」

「早々に断った方が良いですか?」

「事はそう簡単ではない」



 最近、ロワのカッコよさが強くなってきておる。前までは知らぬが、今は断ったとしても簡単にあきらめてくれるとは思えぬ。最悪の場合、逆上して襲ってくるかもしれぬ。

 襲われるだけであればロワ自身やわしで撃退出来るが、一度撃退しても諦めてくれぬじゃろう。ロットの妹という事もあるし無暗に扱う事もできぬ。この状況は本当に厳しい。



「……どうしましょう?」

「わしが聞きたい。ノエルにも説明し協力を得つつ、ホウリが帰って来るまで事を荒立てぬように現状維持する」

「ホウリさんが帰ってくるまで、僕はどこか別の場所に泊まった方が良いでしょうか?」

「ならん。ロワを探しにいって行方が分からなくなってしまう。家の中にいて貰った方が対処もしやすい」

「いっその事、説明します?今の状態は普通じゃないって分かれば諦めてくれるのではないですか?」

「良いかもしれぬが、それで引いてくれるかのう?」



 他の者にロワを盗られると思って強行手段に出るかもしれぬ。その可能性がある以上は簡単に話す事は出来ぬ。やはり、ホウリを待った方が良いじゃろう。

 わしが考えをまとめておると、言いたい事があるのかロワがおずおずと手を挙げた。



「あの、前提条件の確認なんですけど、フレズさんって強行手段を使ってくる人なんですか?大人しそうな人ですし、このまま何事も無く最終日を迎えられるのでは?」

「策を練る時は最悪の事態が起こると思え。ホウリの言葉じゃ。準備してなにも無ければよいが、準備せずに何かあるのはマズいじゃろ?」

「確かにそうですね」

「ともかく、ホウリが戻ってくるまでは現状維持。余計な事をせず、事を荒立てずに過ごすぞ」

「分かりました」



 方針は決まった。後はロワがやらかさないか監視しつつ1週間を乗り切るだけじゃ。

 これ以上時間を置くと不自然に思われると思ったわしは、ロワを連れて足早に皆の元へ戻る。



「待たせたのう」

「おかえりなさーい。どこ行ってたの?」

「急ぎでロワに確認したい事があってのう」



 ノエルの質問に当たり障りのない返事を返すしながら、指で小さく丸を作って左右に振る。スターダストの皆で決めた念話の合図じゃ。



『ノエル、かなりマズい事になった』

『マズい事?』



 フレズにロワの顔が見られた事、ホウリが来るまで現状維持することを簡単に伝える。



『そう言う事じゃ』

『あちゃー、ロワお兄ちゃん、ホウリお兄ちゃんに怒られちゃうね』

『怒られるで済めばよいがのう』



 気を取り直して、わしはコアコの父親に向き直る。



「気を取り直して昼飯に行くぞ」

「わかりました。コアコ、どこに行きたい?」

「ノエルちゃんが行きたい所がいいな。ノエルちゃんはどこに行きたいの?」

「ハンバーグがある所!」



 ノエルは相変わらずハンバーグが好きじゃな。ここは皆で食事に行き、あわよくば遊びに行きたい。見知らぬ者と一緒にいればロワにも近付きにくくなるし、解散後は今日の事を話しまくってアプローチさせにくくする。完璧な作戦じゃ。



「では、ハンバーグがある店に行くか。ここからだとあの店が近くに「ロワさん、好きです」ってちょっと待たんかい!」



 予想外の言葉が聞こえたわしは思わず振り返る。すると、そこには顔をトマトのように赤くしたフレズと、あまりの出来事に目を丸くしていたロワの姿があった。

 こんな大通りで突然告白などするか!?しかも、初対面の人間が目の前にいるのだぞ!?正気かこいつ!?

 フレズは潤んだ目でロワを上目遣いで見ている。ロワはと言うと、助けを求めるように涙目でわしへ視線を送っていた。

 あーもう!こうなったら強行手段じゃ!



「スレプ!」



 わしはフレズに向かってスレプを掛ける。瞬間、フレズは意識を失って崩れ落ちた。スレプ、相手に眠りの異常状態を付与するスキルじゃ。



「大丈夫かフレズ!」



 わしは急いでフレズに駆け寄って抱き抱える。



「くっ!気分が悪いのあれば早くいってくれれば良かったものを……」

「思いっきりスキル使ってませんでしたか?」



 コアコの父親の言葉を無視して、わしはフレズを担ぐ。



「わしはフレズを家に連れていく。ロワ、お主も手伝うんじゃ」

「わかりました」

「ノエルはコアコ達とお出かけしてよいぞ。あまり遅くならぬようにな」

「はーい」

「ええ……」



 困惑しているコアコの父親を背に、わしとロワはそそくさと退散するのじゃった。

 

という事で、ピンチです。ホウリが帰って来るまでなんとか出来るか、そもそもホウリでも何とか出来るのか。こうご期待です。


次回は作戦会議です。


スパイファミリーのアニメを見たのですが、学校の面接の部分の内容が被り気味でした。まあ、完全に同じではないのでええか。

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