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魔王から学ぶ魔王の倒しかた  作者: 唯野bitter
第2章
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第百五十一話 学校に行こう

連続投稿4日目です。ネタが尽きてきました。

 翌日の朝、リビングで俺はとある書類を読んでいた。



「おはようじゃ」

「おう、おはよう」



 声でフランがリビングに入って来た事を知る。書類から目を離さずに挨拶して、そのまま書類を読み進める。



「何を読んでおるんじゃ?」

「手続きの為の書類を読んでいる。詳しくは全員揃ってから話そう」

「分かった。わしは朝食の用意をしておこう」



 俺が戻ってきてから、皆が食事の用意とかを積極的にやってくれるようになった。ロワ曰く、俺が帰って来る前に食料と金が尽きたらしく、俺に任せきりなのはいけないと思ったみたいだ。

 良い心がけだと思うし、ミエル以外なら食事を任せても良いだろう。



「おはよー」

「おはようございます」

「おはよう」

「おはようさん」



 全員入って来たみたいだな。俺は1枚だけ残して書類を仕舞う。



「全員来たな。ちょっと話がある」

「なんですか?」



 ロワが眠そうに目を擦りながら質問してくる。



「ノエルに関する事で話しておきたい事があってな」

「ノエル?」



 ノエルが不思議そうに首を傾げる。



「ノエルちゃんに何かあったんですか?」

「まさか、誰かに狙われておるのか?」



 フランが朝食を持ってきながら警戒心を高める。

 俺は配膳を手伝いながら説明を続けた。



「違う。まだ、ノエルの存在は広がっていない」

「そうか。安心したわい」



 フランは胸を撫でおろして皆にパンを配膳する。俺はスープとサラダを配膳するついでにフランのパンを取り上げた。

 睨みつけてくるフランの視線を無視して、テーブルの中央に1枚の紙を置く。



「これは……入学者募集?」

「ここから近い小学校の募集用紙みたいですね」

「ノエル周りの事も解決したし、そろそろ学校に通わせても良いと思ってな。ここなら家からも近いしピッタリだと思ったんだ」



 人国では最低でも8歳から3年は学校に通う事が義務付けられている。日本とは違って、子供も重要な働き手だから義務教育の期間は短いが、最低限の四則演算や読み書きくらいは出来るだろう。



「今から手続きをすれば来年度の入学には間に合う。だから、ノエルの気持ちを聞いておこうと思ってな」



 そこまで言って、俺はノエルの様子を見る。ここでの反応によって面倒になるかが変わるが……。

 祈るようにノエルを見ると、ノエルは俺の来t場に目をキラキラさせていた。



「ノエル、学校行きたい!」

「ノエルちゃん乗り気だねー」

「だって、学校って楽しい事いっぱいなんでしょ?友達もいっぱい欲しいし、お勉強もしたい!」



 鼻息を荒くしてノエルは力説する。ロワもミエルも人国で育ったから、学校に行く事に抵抗はない。問題は……



「わしは反対じゃ」



 このフラン(分からずや)だけだな。



「お前な、本人が良いって言ってるのに何言ってんだ」

「ノエルは神の使いじゃぞ?一人で学校に行くなど危険すぎるわい」

「今のノエルだったら多少の襲撃には対処できる。仮に敵わないとしても逃げる手段も教えてある」

「しかし、いじめられたらどうする?ノエルは特別じゃぞ?」



 確かに神の使いというスキルは強烈過ぎる個性だ。いじめに繋がる可能性もあるだろう。



「だが、そんなのは学校に行かなくても、社会に出るんだったら迫害の危険はある。子供の時に対人経験を積んでおくに越した事は無いだろ?」

「そう言えば、ノエルちゃんって同い年の子と話す機会ってないよね?」

「そう考えるといい機会だな」

「う、うむ……」



 4人が乗り気でフランが不満げに口を尖らせる。



「しかしのう……」

「お前が不安なのは分かる。だが、本人がやる気である以上、止めるなら相応の理由がいるからな?」

「むう……」



 俺の言葉にフランは口を閉じて黙りこくった。やっぱり面倒な事になったな。

 フランへの説得は追々やるとして、今は学校の説明の続きだ。



「学校にはいつ行けるの?」

「4月になったら入学できる。その前に簡単な試験があるけど、ノエルなら大丈夫だろう」

「試験?僕はやった記憶ないですよ?」

「私はあったぞ。学校によって違うんじゃないか?」

「ミエルの学校は結構な金持ち学校だから、変な奴が入らないようにって事じゃないか?」

「ノエルも学校同じなの?」

「ランクは落ちるが良い学校だ。イベントも多いし楽しめると思うぞ?」



 色々と条件は見たが、ノエルが楽しめるかを一番に考えている。今後の人生の糧になるだろう。



「試験ってどういう問題が出るんですか?」

「テストとは別に面接とかもある。試験の過去問はこんな感じだ」



 ロワに過去問集を渡す。ロワはパラパラとめくると目を見開いて驚いた。



「これって本当に小学校の試験なんですか!?僕でも分からない問題がありますよ!?」

「確かに私が小学生の時よりも難しくなっているな」

「最近は難化してきているからな」

「試験っていつなんですか?」

「1週間後だ」

「僕よりも状況悪くないですか!?」

「ノエルは今までも勉強しているから問題ない。どこぞの弓使いみたいに試験が迫って焦る事もない」

「ぐふっ!」



 俺の言葉が思ったよりもダメージになったのか、ロワが持っていたパンをテーブルに落とす。

 


「大丈夫かロワ!?」

「……ちょっと勉強してきます」



 ロワは朝食の残りを口に詰め込むと、そのまま自室に戻っていった。

 ミエルは心配そうにロワを見守っていたが、苦しそうな表情で何かを決意した表情になる。



「私はロワを応援する事にしたぞ」

「そうか、頑張れよ」



 ミエルの決意を無視して俺は問題集をノエルに渡す。



「試しに数問解いてみるか?」

「うん!」



 ノエルがペンを走らせてスラスラと問題を解く。



「よし解けた!」



 ものの数分で1ページ解いたノエルはしたり顔で問題集を渡してくる。

 俺の脇からミエルとフランが問題集を覗いてくる。



「どうなんじゃ?」

「全部当たっている」

「この短時間で解けるなんて凄いな」

「ふっふーん」



 褒められて嬉しそうにするノエル。花が咲いたように可愛らしい笑顔でよっぽど嬉しいのが分かる。



「こんな表情をされては不合格を願う事も出来ぬではないか」



 フランが不貞腐れた様にそっぽを向く。可愛い妹分が楽しそうにしているが、納得できないから複雑なんだろう。



「試験の日には保護者として2人行かないといけないが、その様子だとフランは行かないほうがいいか?」

「それはそれ、これはこれじゃ。わしが第一保護者じゃ」

「だったら、俺とフランが保護者としていくか」



 話はなんとか纏まったみたいだ。

 順当に行けば合格するとはいえ、何かの間違いで不合格になる可能性がある。試験が無くても入学できる学校も探しておかないとな。



「ごちそうさん」

「食器はわしとノエルで片付けるから、そのままで良いぞ」

「サンキュー」



 朝食兼会議を終えて、俺はロワの部屋に向かう。



「ロワー、調子はどうだー?」



 部屋に入るとロワが必死に机に向かっていた。そっと近づいて覗いてみると、ノートにびっしりと魔物の特徴が書いてあった。めずらしく勤勉だな。



「よう、調子はどうだ?」

「……どれだけやっても安心できません」

「だろうな」



 どうなるか分からないと、どれだけ準備しても安心はできないだろう。ロワはどの程度やれば良いかが分かると手を抜く癖があるから、丁度いいかもしれないな。

 とはいえ、試験は筆記だけじゃない。体を動かさずに試験まで机で勉強していては逆効果だ。



「ロワ、庭で今日の特訓をするぞ」

「……試験までは特訓は無しにしませんか?」



 虚ろな目でロワが話す。ダメだ、このままだと本当に試験に落ちかねない。



「確かに不安なのは分かるが特訓も重要だ。リフレッシュにもなるし、さっさと行くぞ」

「……分かりました」



 重い腰を上げてロワが部屋から出ていく。疲れさせたら勉強に支障が出るし、今日は軽く流すだけにするか。

 庭に出ると弓と矢筒を装備したロワが立っていた。俺も木刀を構えてロワと向き合う。



「いつも通り一撃勝負だ。このコインが下に落ちたらスタートだ」

「分かりました」



 俺はコインを天高く弾く。ロワは弓を引き絞って俺を狙う。

 俺達の間に金色に光るコインがゆっくりと落ちていく。コインが地面に落ち軽やかな音が響いた



「行きます!」

「来い!」



 瞬間、矢が放たれ俺とロワの勝負が始まったのだった。



☆   ☆   ☆   ☆



「セイヤァァァァァァ!」

「ぐあ!」



 俺の爆破キックを受けてロワが吹き飛ぶ。木に叩きつけられたロワは弓を杖代わりにしながら立ち上がる。



「参りました……」



 ロワがポーションを取り出して飲み下す。ボコボコにされながらも、ロワの表情は晴れやかになっている。



「大丈夫か?」

「大丈夫です、なんだかスッキリしました」

「それは良かった」



 ロワの目に光が戻っている。どうやら、リフレッシュは出来たみたいだな。



「やっぱり人間は運動しないとダメですね」

「腕も上がってるんじゃないか?カスリ傷は負っちまったしな」



 ダメージは負わなかったが、右腕にかすり傷を負ってしまった。完全に回避しきれなかったから、ロワの腕は確実に上がっている。



「今まで良く頑張ったな。戦闘の腕だけであれば騎士団に入れるだろうよ」

「ありがとうございます。なんだか自信が出てきました」



 自信満々の表情でロワが笑う。そんな中、ロワの後ろでラビが門を覗き込んでいるのが見えた。



「ラビも来たみたいだ」

「ラビさんが?」



 俺は門に近付いてラビに手を挙げる。

 ラビは俺の存在に気が付くと、ペコリと頭を下げる。



「こんにちはホウリさん」

「よう、ラビ。今日も休暇か?」

「疲れただろうって1週間休暇を貰いました」



 検察官になってまだ1年間なっていない奴に、2日間ぶっ続けで事件の対応をさせたんだ。長めの休暇も無理はないだろう。



「今日も特訓お願いします」

「特訓か……」



 昨日の段階でナイフを数本壊したりドアノブを凹ませていたり、力の制御できるのは程遠い。力の制御は粘り強く続けて行くしかない。



「そうだ、ロワと戦ってみるか?」

「ロワさんと?」

「ああ。ロワも俺達以外の奴と戦わせたかったし丁度いいだろ。手加減の特訓としてやってみないか?」

「私は構いませんけど、ロワさんは大丈夫なんですか?」

「多分、大丈夫なんじゃねえの?」

「結構適当なんですね!?」



 ラビには手加減のスキルがあるし、ロワが死ぬ事はないだろう。ラビの心配?ダメージ通せるならミエルにも勝てるんじゃないか?

 ラビを連れてロワの元へ向かうと、ロワはラビに頭を下げて挨拶した。



「こんにちはラビさん。今日も特訓ですか?」

「はい。手加減の特訓としてロワさんと戦ってみないかと言われたんです」

「え?本当ですか?」



 ロワ見てくるので、頷いて肯定する。



「僕、勉強があるのでこれで……」

「どうした?いつもなら『相手になりませんよ』って言って調子に乗る所だろ?」

「あの鬼神の如き戦いぶりを見たら、そんな事言えませんよ」



 襲撃の時にラビの戦いを見ていたのか。だったら、戦いに消極的なのも納得だ。



「だったら、逃げるラビを狙い撃つのはどうだ?これなら両者安全だぞ?」

「それだったら……」

「私は大丈夫ですよ」

「じゃ、3分計るからそれまで全力出してくれ。ロワは動いている相手の狙う特訓、ラビは速度の特訓という事で頑張ってくれ」

「「はーい」」



 その後、速度を制御できなかったラビがロワに突っ込み、ロワが白目を剥いて気絶した。

 ……こういう事もあるよね!

ラビもロワもこれから大変そうですね(他人事)


次回はロワの試験の話になります。どうなるかは決まってません。


せっかくのゴールデンウィークなので、美味しい物でも食べたいです。焼き鳥、ピザ、焼肉、考えるだけでもお腹が空いてきますね。

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