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魔王から学ぶ魔王の倒しかた  作者: 唯野bitter
第2章
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第百四十六話 なんか静かですね

後処理を書こうと思ったら、魔物はいないし街はフランが守っているから壊れてないし何も書く事ないなってなりました。なのでいつもより短いです。

 白ローブを取り押さえた私は憲兵所まで連行することにした。街の中には魔物の姿は全くなくなっていて、さっきまで襲撃があったとはとても思えない。この人が気絶したから魔物がなくなったのかな?

 米俵を担ぐ要領で手錠を掛けた白ローブを担ぎながら、静かになった街を歩く。ここいらの人が全員避難させたし、本当に静かだ。



「それにしても、こんなに静かな街は初めてだ。まるで、私以外に人がいないみたい」



 肩に担いでいる白ローブ?こいつは人としてカウントしたくないかな。

 静かな街を進み何事も無く憲兵所に到着する。すると、憲兵所の前でスイトさんが待っていた。



「スイトさん」

「おうラビュか。その様子を見るに勝ったみたいだな」

「はい。この人がすべての元凶です。あと、私はラビです」



 私は白ローブを地面に降ろす。白ローブはまだ白目を剥いて気絶している。



「良かった、心配していたんだぞ?」

「そうなんですか?自分で言うのもなんですけど、今の私は大抵の人には負けないですよ?」

「お前じゃねえ、犯人の心配だ」

「え?なんでですか?」



 峰打ちのスキルもあるし、犯人が死んじゃうことは無いと思うんだけどな?



「だってよ、お前起きてから凄い殺気だったからよ。死なない事を良い事に犯人をボコボコにしてないかと思ってな」

「そんな事は……」



 私はさっきの戦いを思い出してみる。えーっと、ゴブリン達を倒した後に白ローブを殴ったり蹴ったりして、トドメは撃ちあげてからのハイキック。20m位は吹っ飛んだっけ?



「……冷静になるとやり過ぎたかもしれません?」

「やっぱりな」

「ま、まあ生きてますし問題ないですよね?」

「その理論はどうなんだろうな?」

「そんな事よりも、まずはこの白ローブを牢屋に連れていきましょう」



 私は全力で話を逸らす。ちょっと強引かもしれないけどスイトさんはちょっと抜けている所があるし大丈夫でしょう。



「今は牢屋は空いてますか?」

「一つなら空いていたはずだ。さっさと運ぶぞ」

「待つんじゃ、その前にやる事がある」



 白ローブを連れて行こうと持ち上げた時に後ろから声がした。振り返ると、服がかなり汚れているフランさんが立っていた。



「フランさん?やる事ってなんですか?」

「そやつを牢屋に入れてもステータスの高さで脱獄するじゃろう。スキルで魔物を召喚するかもしれん」

「そういえばそうですね」



 戦ってみて分かったけど、白ローブはステータスもかなり高い。牢屋に入れても格子や壁を破壊されてしまう可能性がある。



「そんなのどうしようも無いんじゃないか?」

「わしに考えがある。じゃから、そやつを一度預けてくれぬか?」

「うーん……」



 いくらフランさんの頼みとは言え、凶悪犯を預けるのは迷ってしまう。けど、フランさんの力を借りないと今後が大変になる。



「どうしますスイトさん?」

「ビタルの判断を仰ぎたいな」

「じゃあ、急いで検察室に行かないとですね」

「その必要はないぞ」



 私たちが憲兵所に入ろうとするとビタルさんが出て来た。目の下には濃い隈があってかなり疲れているように見える。



「ビタルさん、お疲れ様です」

「お疲れさま。ラビュもよくやってくれたな」

「私はラビュですけどありがとうございます。それで、この白ローブの事ですけど……」

「話はフランから聞いている。ここはフランに任せよう」

「そう言う事じゃ。こやつは借りていくぞ」



 そう言うとフランさんは白ローブを担いで向こうへ走っていった。



「フランさん、白ローブをどうするつもりなんでしょうか?」

「脅して悪さしないようにするつもりじゃないか?」

「それはラビュで十分だろ。必要以上にボコボコにしたみたいだしな?」

「別にそんな事は無いですよ?ちょっと頭に血が上っていただけです」

「……少し犯人に同情をしてしまうな」



 隈の出来た目を伏せるビタルさん。なんだか不本意だけど、事実なので何も言い返せない。



「まあ、その可能性もあるが、もしかしたらスキルを消してステータスを弱体化させるとかするんじゃないか?」

「そんな非常識な事聞いた事も無いですけど、フランさんなら出来そうですね」



 どんな非常識な事でも『フランさんだし』で済んじゃうのは流石としか言いようがない。



「さ、襲撃が終わっても仕事は残っているぞ。被害状況の把握と負傷者の治療だ」

「やっぱり、被害は大きいですか?」

「皆が思ったよりも頑張ってくれたから死者は出ていない。フランがいたおかげで王都の半分は被害が無いし、上出来と言っていいだろう」

「それは良かったです。だったら、ビタルさんは休んでください。隈が凄いですよ?」

「そうさせて貰おう。ラビュも明日まで休め。連続して戦って疲れただろ?」

「ありがとうございます。ですが私はラビです」

「なら、俺も休むかな。結構疲れてんだよ」

「お前は抱えてる案件があるだろうが。早く働け」

「ちぇー、少しぐらい良いじゃないか」

「5日間徹夜して元気な奴にかける情けはない。分かったらさっさと行け」

「へーい」

「それじゃ、私は一度帰ります。お疲れ様でした」

「お疲れさん」

「お疲れ様。ゆっくり休めよ」



☆   ☆   ☆   ☆



「みっちゃん、おるか?」

『……よお、フランじゃねぇか。どうした?』

「ホウリか。そっちはどうじゃ?」

『クラスメイト達がどの世界に行ったかは確認できた。助言とかで助けていくさ。で、(ダボ)に用って事は緊急事態か。何があった?』

「お主の部屋のメモを見た。ベッドにある奴じゃ」

『なるほど、襲撃が起こってリーダーが神から力を受け取った可能性がある訳だな』

「察しが良すぎぬか?わしとしては話が早くて助かるが」

『奴らがやって来た事は大体把握してるからな。ちょっと待ってろ、あの(クズ)を連れてくる』

「頼んだぞ」

『………………やあ、まーちゃん。ホウリ君から変わったよ。何やら大変な事になっているみたいだね?』

「そうなんじゃ。この世界で大規模なテロが起こったんじゃが、常識を外れた方法だったんじゃよ」

『常識を外れた方法?』

「MP1で魔物を魔方陣無しで出したり、魔物が倒されたら召喚者が経験値を手に入れたりじゃ」

『私はそんなスキルを作った覚えはないよ?』

「つまり、そういうスキルを作った者がいる訳じゃ」

『……なるほど、だから私に連絡している訳だね。使用者はいるの?』

「一緒に魔方陣に入っておる」

『了解。ちょっと調べてみるね。(カタカタ)どうやら、まーちゃんの言う通りだね。私が作ってないスキルみたいだね』

「やっぱりか。消す事は出来ないでござるか?」

『出来る、というかやるよ。私が知らないスキルがあるのは見過ごせないからね』

「助かるわい」

『えーっと、ここをこうして、あれをああして……よし出来た。ついでに不正に得た経験値もリセットしておいたよ』

「ありがとうじゃ、みっちゃん」

『それにしても、スキルを作るのは人には不可能なんだよね』

「やはり、敵対している別の神の仕業か?」

『うーん、私側の神もいるし一概にそうとも言えな……うん?ホウリ君なに?え?他の神の人も知らないって言ってた?いつの間にそんな事を?え?まーちゃんと話した時に必要と思ったから聞いてきた?流石ホウリ君だね』

「という事は、敵対している神の仕業である事は確定か」

『前も言ったけど、神と関わろうと思わないでよ?まーちゃんでどうにもならないからね?』

「ホウリにも散々言われておるから分かっておる」

『ならいいけどさ。……え?なにホウリ君?まーちゃんと話したいから変わってほしい?まーちゃん、ちょっと待ってね…………よおフラン、今変わった』

「なんじゃ?」

『あと2日でそっちに戻る。倫太郎に別の世界に行く準備をしておけと伝えてくれ』

「伝える必要あるか?」

『直前に伝えたら碌な準備もせずに移動することになる。先に伝えて準備させておけ。ちなみに、倫太郎の様子はどうだ?』

「この世界を満喫しておる。この前はMPの使い方を指南したわい」

『助かる。ちょうどMPの指南もしようと思っていた所だ。変な物を切ったりしてないか?』

「ロワのカッコよさを切ろうとしておったわい。さすがに止めたがのう」

『あのバカ。帰ったら説教だな』

「説教だけで済むのか?」

『今は説教だけだな。帰ったら色々と覚悟してもらうけどな』

「初めてリンタロウを不憫に思ったわい」

『悪い事をしたらそれ相応のペナルティがある。お前らも肝に銘じておけよ?』

「分かっておる」

『俺からは以上だ。そっちからは何かあるか?」

「わしも無い。何かあれば連絡するわい」

『了解。じゃあな』

という訳で襲撃は終わりです。


次回はリンタロウとノエルが何してたかです。


最近、ここに書く事が浮かびません。書きたいと思う事はあるんですが、書く前に忘れちゃいます。

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