5話 ミリー・ゲルマニア
「あのー大丈夫ですか?」
「......へ?..あ、あー大丈夫だ。今のは君がやったのか?」
「はい、ほんの中級の風魔法ですよ」
「中級?さっきのがか、冗談だろ。少なくとも王級はあったぞ」
まぁ倍増してたしな。
「まぁいい、とにかく助けてくれたことは感謝するありがとう。私はグレイ、そしてこっちがアランだ」
「よろしくな」
名前 グレイ 43歳 人族 Lv.32
HP 1500/1500
MP 850/850
攻撃 2360
防御 2405
俊敏 2027
幸運 20
ユニークスキル
なし
スキル
火魔法 風魔法 剣術 槍術 身体強化
称号
騎士団長
名前 アラン 27歳 人族 Lv.26
HP 1200/1200
MP 600/600
攻撃 2100
防御 1890
俊敏 1980
幸運 10
ユニークスキル
なし
スキル
火魔法 土魔法 剣術 身体強化
称号
なし
「はい、俺はシンです」
グレイと名乗った男は銀髪をオールバックにした渋い男性で、アランという人は顔は美形で明るい感じの人だ。
「なぁなぁ、今のどうやったんだよシン」
アランが興奮しながら言ってきた。
「今のって?」
「さっきの魔法だよ俺あんなの見たことねーぞ」
「いや、あれは只のサイクロンですよ、少し威力が凄いだけの」
「少しどころじゃねーだろ!!あんなサイクロン見たことねーよ!!」
まぁそうだろうな。
「どうやったんだよなぁなぁ」
俺はアランに何て言おうか悩んでいると
「そこまでにしておきなさい」
後ろから声が聞こえた。振り向いてみるとそこには金色の瞳で金髪で少しウェーブがかかっていてピンク色のドレスを着た可愛らしい少女がいた。
「そこまでにしておきなさいアラン、シン様が困っていますよ」
「あ、はい姫様」
姫様と呼ばれた少女はそう言いながら俺の前にでてきた。
「初めましてヒュージ大陸の首都、【ゲルマニア王国】第一王女ミリー・ゲルマニアと申します」
「初めましてシンと申します」
「先程は助けていただきありがとうございました」
「いえ、当然のことをしたまでです」
「よろしかったら是非我が王国にきてお礼をさせてください」
おーまじか!!何だこのテンプレ展開。本当にこんな事あるんだな。姫様も可愛いしこりゃ幸先いいな
「分かりました、お受けさせていただきます」
「では一緒に馬車で参りましょう。リック、運転頼みますよ」
「畏まりました姫様」
リックといわれた男はお辞儀をして馬車へと向かった。
「ところでシン様」
「何でしょうかミリー姫様」
「ミリーで構いませんよ。後敬語もいりません」
「いえ、流石に敬語は....」
「駄目....ですか?」
ミリーが下から上目遣いで不安そうな顔をしながら聞いてきた。
くそ!何て破壊力だ‼これじゃ断れない。
「わかった、わかったよミリー」
そう言うとミリーは嬉しそうな顔をしながら
「はい‼では参りましょう!!」
ダークドラゴンの死体を回収した後、ミリーに手を引かれながら馬車へと向かった。
何て可愛い少女だろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
と思ったのも束の間現実はそんなに甘くなく、
馬車で王都に向かっている途中ミリーが
「ところでシン様」
「何?」
「シン様のご趣味は何ですか?」
「....はい?」
「後、好きな女の子のタイプや好きな食べ物、好きな女の人の仕草や口癖、子供は何人欲しいですか?それからそれからーーーーーーー」
ミリーが急に質問してきたと思ったらどんどん1人で語り始めた。
俺はどうしたらいいかわからず。グレイの方へ顔を向けると
「悪いな、姫様はたまにこうなる時がある」
申し訳なさそうにグレイが言った。
一方ミリーは
「ーーーーーーそこから私とシン様はただならぬ関係になって丘の上に小屋を一件建ててそこで私とシン様はーーーーーーー」
まだ1人で妄想を続けていた。
もう質問すっ飛ばして変な想像が膨らんでいた。
しかしあれだな、ミリーはただ可愛いだけでない、
度が過ぎた妄想少女だった。