46話 ツンデレキャラ
シルフが元に戻った後事はスムーズに進んだ。
先ずこの決闘に関しては俺の勝ちとなった。再戦することも出来たがシルフが了承しなかった。
自分を軽くあしらった挙げ句、神獣化しても勝てないなんて勝ち目がなさすぎるから再戦はいらないらしい。
神獣化に関してはもう今後使えるレベルになるまで使わないらしい。
あんな思いをしたんだ。当然といえば当然だろうか。
決闘の勝敗が市民に公表され、皆嘆いていたが直ぐに平和条約を結ぶといわれ、目が点になっていた。
すると徐々に喜ぶ人が増え、次第に歓声が沸き起こった。
そりゃあ支配されると思っていたんだからそうなるよな。
そして夜にはこの平和条約を祝う祭りが取り行われた。
俺達人族は目立つため祭りには出ず城のパーティーに出席した。
最初何処に城があるのかと思われたが闘技場から少し離れた所に城が建っていた事に気が付いた。
意外と気付かないものだな。
「今夜は無礼講だ。存分に楽しんでくれ」
国王様の合図と共にパーティーは始まった。俺は早速料理でも食べようかと思っていたら。
「あの、シン様ですか?わたくし、サーラル侯爵家の娘のミランダと申します。先程の決闘はかっこよかったです!」
一人の亜人の娘が声を掛けてきた。
「へ?あ、あー、ありがとう」
俺がそんな返事をだすと。
「シン様、わたくしはルーカス子爵家次女のエリーゼと申します」
「わたくしはアルファス男爵家長女シリアです」
「わたくしはーーーーー」
「わたくしはーーーーー」
一人の言葉を皮切りに周りにいた貴族の娘達が俺に群がり始めた。
「え、えーっと」
一辺にこられて受け答えに困っていると後ろから寒気を感じた。
そーっと後ろを向くと、リンやミリー、サラさん笑顔でこちらを向いていた。
「シン君....」
「シン様....」
「シンさん.....」
「ひぃ!!」
顔は笑っていたが目は笑っていなかった。何だろう少しミリーとサラさんがリンに似てきた気がする。
このままでは不味い。どうにか抜け出さなければ、後でリン達のOHANASHIを受けてしまうことになる。
どうにか抜けようにも周りに囲まれていて抜け出しようがない。
どうしようかと悩んでいたら。
「貴方達そこまでにしなさい。彼が困っているでしょ」
シルフが止めに入ってくれた。
周りにいた貴族の娘達はシルフの言葉に渋々従った。
「助かったー。ありがとうなシルフ」
「べ、別にあんたの為に助けたんじゃないからね!た、只そこに群がられると邪魔だと思っただけなんだから!か、勘違いしないでよ!」
俺がお礼を言うとシルフは顔を赤くしながらそっぽを向いた。
いや何このツンデレ。お前そういうキャラだっけ?
「それはそうと、あの時はありがとう。助けてくれて」
「気にするな。あの状況じゃ助けるのは当たり前だろ」
俺がそう言うと
「そ、そう。ならいいわ」
そう言うとシルフはまたそっぽを向いた。さっきからどうしたんだ。
何か落ち着かないというかそわそわしているというか。
「二人とも、楽しんでくれてるかの?」
すると人族の国王と亜人の国王の二人が近付いてきた。
「はい、お陰様で」
「そうか。お主には感謝しているからのう。お主がシルフを止めてくれたお陰で被害が最小限で済んだ。本当にありがとう」
そう言って亜人の国王は俺に頭を下げた。
「ちょ、ちょっと頭を上げてください!こんな公の場で国王様が頭を下げないで下さい」
それを見た俺は慌てて頭を上げるように言った。少し周りを見たら国王様が頭を下げているところを見て何人かの者が固まりながらこちらを見ていた。
そりゃあ平和条約を結んだとはいえ亜人の国王が人族に頭を下げたらびっくりするよな。
「時にシン殿。シルフから話は聞いてるかね?」
「話?」
何のことだ?
「何じゃまだ言っとらんのか」
「い、いやだって、その....」
シルフは何故か顔を赤くしながら俺から顔を背けた。
「まあお主のことじゃから言えないのは予想してたわい。まあいい、ではシン殿、お主に頼みがある」
「頼み?」
「あぁ、シン殿、お主シルフと結婚する気はないか?」
「.....はい?」
け、結婚?
「「「け、結婚!?」」」
結婚という言葉に近くにいたミリー達が反応した。
「ちょ、ちょっと待ってください!結婚ですか!」
「あー、やっぱりわたくしが予想してた通りに....」
「....シン君、どういうこと?」
上からサラさん、ミリー、リンという順番で言った。
てかリンの反応が怖い。目が据わっている。
「ちょっと待ってください。何故結婚なんて....」
「いやな、平和条約を結んだのはいいものの、人族と亜人族の仲を深めるのは寧ろここからが本番じゃ。そこでそれに先がけて、シルフと人族を結婚させて人族と亜人族の交友の架け橋になって貰いたいんじゃ............というのは建前で、ただ単にお主が気に入ったのと、お主ならシルフを任せてもいいと思ったからじゃ」
いやいやちょっと待て。
「それよりも先ずシルフの気持ちが大切だと思うんですけど」
「いや、私は、その、別に」
俺の問いにシルフは満更でもないような返事をした。
うわ、何これ、何か可愛い。
「シルフの方は満更ではないみたいじゃな」
「いや、でも俺はもう三人も婚約者がいますよ」
三人も嫁がいるのに結婚したいと思うか?
「それに関しては既に聞いている。我もシルフも既に了承済みじゃ」
「へ?そうなの?」
「えぇ、力ある者には婚約者が二、三人寄って来るものよ」
そういうものだろうか。
「ですが、俺だけでは決められません。家の婚約者達にも許可がないと」
そう言ってミリー達の方を向くと、
「わたくしは構いませんよ」
「こうなるのは何となく予想してましたし」
ミリーとサラさんはあっさり了承してくれた。
「私は......」
リンは迷っていた。やっぱり地球人にとっては抵抗があるものなんだろう。
するとミリーはリンに向かって言った。
「リンさん、確かにリンさんからしたら重婚は抵抗があるかもしれません。でもよく考えてください」
そして、少し間が空き、
「既に三人いる時点で今更ですよ」
「た、確かに」
納得するんだ。
「ですから、ここはシルフさんを快く迎えて皆で幸せに暮らしましょう」
「う、うん。そうだね」
なんかミリーに流されている気がするがリンも了承した。
「それではこれからシルフのこと頼むぞ、シン殿」
「よろしくね、シン」
こうしてまた新しくシルフを嫁に迎える事になった。
そういえば、俺の意思は?
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