45話 神獣化
「おい、何だあれ!」
「どうなってるの!?」
シルフが神獣化して観客達も動揺していた。
「グルルルガァァァ!」
すると神獣化したシルフは魔法で観客に雷を放った。
「きゃぁぁぁぁ!」
「うわぁ!来るな!」
観客達は悲鳴を挙げながら逃げ出していた。その姿のままでも魔法は使えるんだな。
このままじゃ不味いな。
俺はオーラルバリアで闘技場を囲んだ。これなら大丈夫だろう。
シルフは雷が防がれて何度もオーラルバリアを壊そうと雷を放ったが、無理だと判断したのか標的を俺に変えた。
「シン様!」
「シンさん大丈夫ですか!」
「シン君待ってて今加勢するから」
ミリー、サラさん、リンの順番で俺に向かって叫んできた。
「心配するな。お前達は国王の側にいてくれ」
そう言って俺はシルフの方を見た。
しかしどうするか。正直倒すのは簡単だ。スキルの通りならステータスが二倍になってはいるが問題はない。重要なのはどうやったら神獣化が解けるかだ。
こんなことだったら亜神に聞いとけばよかったな。
俺はどうしたものかと悩んでいたら
「ガァァァ!!」
痺れを切らしたのかシルフが襲い掛かってきた。
二倍になっているだけあってかなり速くなっているが、俺は避わし続けた。
どうするかなーと考えていたら
“どうやらお困りのようだね”
聞き覚えのある声が聞こえた。
“亜神か?”
“そうだよ。あれ程暴走させないようにって言ったのに。まあなってしまったものはしょうがない”
“何か策はあるのか?”
“あるよ。加護は消すことは出来ないけど、一時的に抑える事は出来る。その為にはある程度シルフちゃんを弱らせる必要がある”
“そうか。なら直ぐにやってくる”
そう言って俺がシルフを気絶させるために殴りかかろうとしたら
“ま、待ってくれ!傷付けるのはやめてくれ!!”
“はぁ!?”
“たとえ暴走していようと彼女が傷付くのは見たくない。だからここは彼女を傷付けずに気絶させてくれ”
いやどうやれと。てかさっき俺シルフの腹蹴ったけどあれはいいのか?
しかしどうするか、傷付けずにやるとすれば魔法で眠らせるか。
“因みに言っておくけど、説明には書いてないけど神獣化したら状態異常が効かないからね”
“え、そうなの!?それじゃあもう傷付けずに気絶させるとか無理じゃね?”
状態異常が効かないとかもうどうしようもないな。
“確かにそうだ。でもまだ手はある。シン君、神力を使うんだ。神力ならば状態異常を無視できる”
最初っから言ってくれそういうことは。
そうと分かれば話は早い今は混乱していて周りの目は余り俺に向いていない。今なら戻っても大丈夫だろう。
俺は人化を解き、黒髪が白髪に変わった。
「それじゃあとっとと終わらせるか。アースニードル」
土魔法 中級 アースニードル
地面から針のような形にして押し出す。
眠らせようにも余りにもすばしっこいのでアースニードルで地面から針をだしてシルフの動きを止めた。
そこから俺は跳躍してシルフの背中に手を当て
「スリープ」
闇魔法 初級 スリープ
相手に触れていれば相手を眠らせることが出来る。
シルフは動きがよろよろし始め、遂に動きが止まり眠り始めた。
これで良さそうだな。
“これで良いか?”
“上出来だよ。これなら抑える事が出来る”
するとシルフの体が眩い光に包まれ、体が変化していった。
すると光が収まりシルフは無事元の姿に戻っていた。
俺は彼女を抱えながら言った。
「おい.....大丈夫.....か」
確かに元に戻っていた。戻ってはいたが、彼女は服を着ていなかった。
よくよく考えてみれば彼女の服は最初の方で散らかっていたからこうなるのは当たり前か。
やばいな、どうする。もし彼女が起きたら。
「....うん、ここは?」
やばい、俺、死ぬかも。
「よ、よう」
「あんたが、助けてくれたの?」
「ま、まあ、そういうことだ」
「?さっきから何で顔を逸らしながら顔を赤くしているの?」
「い、いや、それは、その」
不思議に思ったシルフはふと視線を前にやった。
「なっ!!」
自分が裸であることに気付いたのかシルフの顔はどんどん赤くなっていった。
「い、いやぁぁぁぁぁぁ!!」
パァァン!!と爽快の音をたてながら俺は平手打ちをくらった。
そりゃあそうなるよな。
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