37話 帰還
ライヤが突然来てから数日が経った。
俺はライヤとの出来事であることを思い出していた。
「家族.....か」
「どうかしたの?シン君」
俺が呆けているとリンが話し掛けてきた。
「いやな、今頃父さんと母さんはどうしているのかと思ってな」
俺がそう言うとリンは少し暗い顔をした。
「おじさんとおばさん、シン君が死んでとても悲しんでたよ。シン君が死んでから一度だけ見たけどおばさん少し表情が沈んでた」
「.......そうか」
リンの話を聞いて俺はますます両親の事が気になった。
「....よし!!行くか!!」
俺は突然大声を上げて言った。
「え!?行くって何処に?」
「決まってるだろ....地球にだよ」
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.....どうしてこんなことになっちゃったんだろう。
私、大島由恵は度重なる不幸を呪っていた。
私の親友である凛ちゃんが行方不明になった。
彼女は好きだった高木君が死んで一時期精神が不安定になり学校を休んでいた。
その時は大変だった。何とか凛ちゃんをどうにかしようと必死に説得した。その甲斐あって凛ちゃんは何とか学校を通うのに成功した。
でも学校に通い始めて直ぐに凛ちゃんは失踪した。
私の唯一の親友だった凛ちゃんが.....。
更に不幸はそれだけではなかった。
お父さんが勤めていた会社が倒産し大量の借金ができた。
毎日借金取りが来てはお父さんが土下座しているところを私は何度も見た。
「何時になったら借金返すんじゃ!!我ぇぇ!!!」
「すみません!!すみません!!もう少し待って下さい!!!お願いします!!」
下の階でまたお父さんの声が聞こえる。
もう嫌、どうしてこうなったの。
「誰か.....助けてよ」
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「本当に地球に帰れるのシン君!!」
俺が地球に行くと言ってリンは驚きながら言った。
「多分出来る。俺の神力を使えばな。早速行ってみるか」
そう言って人化を解いた。
すると俺は黒髪から白髪に変わった。
「それがシン君の本当の姿なの?」
「そういえばまだ見せてなかったな」
「うん、凄くかっこいいよ」
「ありがとな、それじゃあ行くか」
そう言って俺は神力で転移魔法を使った。神力は人間では到底できない事を出来る用にする力だ。普通だったら出来ない異世界転移もこれなら可能だろう。
「異世界転移」
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.....着いたのかな?
目を開けるとそこは懐かしい住宅街が拡がっていた。
「本当に帰ってきたんだな」
しばらく感動に浸っていると。
「シン君!!ここって....」
「地球だな」
「帰ってこれたんだね!!」
「あー」
俺の言葉にリンは若干涙目になっていた。地球に帰れた事が本当に嬉しいんだろう。
「兎に角、先ずはシン君の家に行こう!」
「ちょっと待て、その格好じゃ目立つから姿を変えるぞ」
そう言って俺は変化魔法で俺とリンの姿を変えた。最初は地球にいた時の姿にしようと思ったが、それだともし知り合いに会ったら面倒な事になるので今の格好をベースに変えた。
俺はいつもの黒髪黒目でズボンにシャツを着た感じで、リンも黒髪黒目でズボンにシャツに上着を着た感じにした。ワンピースもいいかと思ったが動きやすさを考えたらズボンの方がいいと思いこんな風にした。
「それじゃあ行くか」
「うん!!」
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しばらく歩いて等々家の前まで来た。
あの時と何も変わってないな。まあ変わってたらビックリするけど。
「何か緊張してきたな」
「大丈夫?シン君」
緊張した俺をリンが心配そうに言った。
「というかよくよく考えたら今更会いに行っても母さん達俺がシンだって分からないな」
どうしようかと思ったその時、玄関から誰か出てきた。
俺とリンは咄嗟に隠れた。
玄関から出てきたのは俺の父さんと母さんだった。
二人を見て俺は言葉を失った。
二人共俺が最後見た時よりやつれていた。母さんに至っては体をふらふらとさせていて父さんに支えられながら歩いていた。
「父さん、母さん」
俺は段々胸が苦しくなった。
今まで親の事も考えず幸せに生きていた自分を責めたくなった。
「.....シン君」
リンが心配そうに俺を見詰めていた。
「....後を追おうか」
ここで考えても仕方ないので俺は二人の後を追った。
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