31話 リンとデート
ちょっとしたリン回
あの後国王に事情を話しリンと婚約する許可を貰った。リンが魔人族だということを話したら驚きはしたがお主なら大丈夫だろうと話しはすんなり終わった。
リンは今俺の家に一緒に住んでいる。ちょうどいいのでミリーとサラさんも一緒に住むことになり家が一気に賑やかになった。
「ねえシン君」
「なんだ?リン」
俺がリビングで暇をしているとリンが声を掛けてきた。ちなみに今ミリーとサラさんは仕事で出掛けている。
「今から一緒に街の方にお散歩しない?私まだこの街に馴れてないから色々見てみたいの」
「あー、いいぞ」
特に断る理由もないので、俺はリンと街の方へ歩いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺とリンは街に着いた。
街はいつも通り賑やかだった。
「すごい賑やかだね!!」
街の活気を見てリンは興奮していた。
「ねぇねぇあれ食べよ!」
リンは近くの屋台を指差した。
「おじさん、串二つ下さい」
「はいよ、二つで銅貨4枚な」
俺は銅貨4枚渡して焼き鳥のような物を貰い、一つをリンに渡した。
これはオークの肉らしく、味は鳥と大して変わらなかった。
「美味しいねシン君」
「確かに美味いなこのオークの肉」
俺とリンは食べながら歩いていると
「シン君」
リンは俺の名前を呼んで持っている串を俺の前に出した。
「はい、あーん」
リンがそう言ってきたので、俺は少し恥ずかしがりながらリンが出した串を食べた。
「えへへ、どう?」
「さっきより美味しく感じるよ」
そう言って俺はお返しに俺が持っていた串をリンの前に出した。
「はい、お返しに」
俺がそう言うとリンも少し恥ずかしがりながら串を食べた。
「確かにさっきより美味しく感じるね」
俺とリンはしばらく幸せな時間を楽しんだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夕方になり俺とリンは丘の上に来ていた。
「綺麗だね」
「そうだな」
丘の上から見える街の景色と夕日が重なり美しい景色が広がっていた。
「ねえシン君」
リンは夕日をみながら言った。
「私ここにこれてよかったと思ってる。シン君に会えて婚約まで出来て今こうしていられて本当に良かったと思ってるの」
「俺だってリンに会えて良かったと思ってる。今こうしていられて、俺は幸せだ」
俺がそう言うとリンは少し恥ずかしがりながら
「シン君」
リンは唇を俺の顔に近づけ、そのまま俺の頬にキスをした。
「これからもよろしくね」
俺は突然キスされて少し固まった。
「あー、これからもよろしくな」
それから俺とリンは静かな時を過ごした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夜俺は自分の部屋で寛いでいると。
「「シン(さん、様)!!」」
ミリーとサラさんが勢いよく部屋に入ってきた。
「聞きましたよ!リンさんとキスをしたって」
「私達にもしてください!」
どうやらリンから今日のデートの事を聞いたらしく、それがずるいと思ったのか自分にもして欲しいということか。
可愛いなー。
「いや、あれは成り行きでっていうか....」
「関係ありません!」
「キスをしたという事実が重要なんです!!」
二人は凄い勢いで俺に顔を寄せてきた。
やっぱりこう近づかれるとドキドキするな。
「わかった。わかったから落ち着いて」
俺がそう言うと二人は一旦落ち着いて俺から離れた。
「そ、それじゃあいくぞ」
俺は二人の頬にキスをした。
二人共顔を赤くしながらとても幸せそうにしていた。
やっぱり俺は幸せ者だな。
二人をみて俺は確かに思った。
ブグマ評価よろしくお願いいたします。




