28話 再会
あれから1週間経った。
俺はデーモ大陸に行くため海に来ていた。
何故海に来ているかというと、今俺が向いている先にデーモ大陸があるらしい。
ザックには船で向かって貰う予定だったらしいが、俺は船が無くても行けるので今回は危険の少ない方法で行く。
どうやって行くかというと、もちろん飛んでいく。
風魔法 上級 フライ
風を操り自身を浮かせる魔法。自身を浮かせ続けるので、魔力消費が激しい。
このフライの魔法を使う。魔力消費が激しいが俺の魔力量は桁外れなので正直何の問題もない。
俺はフライの魔法を使い自身を浮かせ、そのままデーモ大陸に向かった。
デーモ大陸、どんなところだろうか。
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異世界に来て1週間以上経っただろうか。
私は強くなるために日々魔物を倒してきた。
名前 リン 16歳 魔人族 Lv.68
HP 12900/12900
MP 15480/15480
攻撃 6800
防御 7800
俊敏 7560
幸運 150
ユニークスキル
狂人化 暗黒物質
スキル
身体強化 獲得経験値倍増(中) 成長速度倍増(中) 闇魔法
称号
異世界人 転移者 勇者 闇を極めし者
最初の頃より大分レベルが上がった。
最初は魔物を倒すのに抵抗はあったけど、今はそんなに抵抗感が無くなってきた。狂人化はまだ発動したことがない、使おうと思っても発動されないんだよね。何でだろう?
「リン様」
大臣が私に話しかけてきた。
「魔王様がお呼びです」
「わかりました」
そう言われたので私は魔王の所に行った。
正直魔王の事は今だ私の事を嫌らしい目で見てくるから好きじゃないんだよね。
「待っていたぞ、リン」
「何の御用ですか魔王様」
魔王の所に到着するなり私は早速用件を聞いた。
「まあそう焦るな。折角の美しい顔が台無しだぞ」
そういって魔王はまた私を嫌らしい目付きで見た。何か背筋がゾクッてした。
「突然だがお前には明日人族の大陸に行って貰う」
その言葉に私はピクッと反応した。
「ということは、始まるんですか」
「そうだ。明日我々魔人は人族に攻撃を仕掛ける。お前には期待している」
等々来ちゃったか。正直元人間の私が人間を殺すのは余りしたくないな。気が進まないな。
「そこでなんだが」
私がそんなことを考えていると、魔王が不意に言ってきた。
「この戦いに勝利した暁にはお前を俺の妻にしてやる。どうだ、嬉しいだろ?」
椅子から下り、私の前まで来て私の顎を上に持ち上げ目付きがいっそう嫌らしくなりながら魔王が言った。
....は?何言ってるの?
「何をいっているんですか?」
私は表情一つ変えずに言った。
「そのままの意味だ。リン、俺と結婚しろ」
何を言ってるのこいつ?
私はシン君一筋なの。
「この俺と結婚できるんだ。断る理由は無いだろう」
そう言って魔王は私の肩を組んできた。
何気安く触れてるの?
私に触れていいのはシン君だけなんだから。
貴方みたいな人に触れてほしくない。
その時、私の中から何かが込み上がってきた。
「.......いで」
「ん?何か言ったか?」
「私に触らないで!!」
その瞬間私の体から黒い煙の様なものがあふれでてきた。
「な、何だ!!」
魔王は私からでてきた黒い煙をみて咄嗟に離れた。
「私に気安く触らないで!!私に触れていいのはシン君だけ!!他の人には指一本も触れさせない!!」
私は突然狂ったように叫び、昔を思い出すように上を見上げた。
「ねー、どうして私の邪魔をするの?私はただシン君と一緒に暮らしたかっただけなのに。どうして私の邪魔をするの?ねぇ!!!ねぇ!!!ねぇ!!!」
私の様子を見て魔王は唖然としていた。
「そっか~、皆私に嫉妬してるんだ~。いっつもシン君を独り占めしてるから嫉妬しちゃったんだね」
そこから私は顔を魔王に向けた。
「私とシン君の邪魔をする奴は許さない。私とシン君の邪魔をする奴は...」
私は体を屈め体制を整えた。
「.....殺す」
私はそのまま魔王に向かって突進した。
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「ここがデーモ大陸か」
フライでしばらく飛んでいくと大陸らしき所が見えた。
そこからまたしばらく進んでいくと街が見えてきた。
流石にこのままじゃやばいから俺は変化魔法を使い姿を魔人に変えた。
見た目は紫色の髪に頭に2本の角が生えた感じだった。
街を空から見てみたが雰囲気は王都とあまり変わらなかった。皆見た目が違う以外はそんなに変わらないんだな。
後で街を見て回ろう。
またしばらく飛んでいくと城が見えてきた。
これが魔王城か。中はどうなっているんだろうか?
俺は隠密のスキルを使い、城の中に入った。
「中は思ったより綺麗だな」
中はこれもまた王都の城とそんなに変わらない感じだった。
でも少し変だな。
「誰もいない?」
城に入ってから俺はまだ人一人とあっていない。
どうなっているんだ?
そこからまたしばらく歩いていると、
「.....あ....ぐっ」
一人の兵士らしき男が倒れていた。
「おい、何があった」
俺はその男に駆け寄り聞いた。
「...勇者...様が..突然.....暴れ..だした」
勇者が突然暴れだした?
どういうことだ?
勇者が突然反乱でも起こしたのか?
ここで考えても仕方ない、俺は奥の方へと進んだ。
進んでいくと広い部屋に出た。ここは城でいうところの王座の間ってところか。
しかしなんだ、この光景は
今俺の目の前には倒れた沢山の兵士や執事らしき人達がこの部屋を埋め尽くしていた。
「何じゃこりゃ」
俺はこの光景に思わず声がでてしまった。
よくみると、中央に誰か立っている。
それはピンク色の髪に2本の角が生えた少女だった。
だけど何だろうか初めてあった気がしない。
「お前は、誰だ」
俺はその少女に声をかけると、少女もこちらに気づいたのかこたらを見たまま驚いた様な顔をしていた。
「.....シン君?」
少女の声を聞いた瞬間、俺は無意識に口が動いた。
「.....凛?」
この時、俺はもう会えないだろうと思っていた凛と再会した。
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