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転生先は神の子でした  作者: サザンテラス
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20話 何この茶番

後半はただの茶番です。


 俺は武闘大会の本選に出るため、闘技場に来ていた。


「さあ!!!いよいよ武闘大会も本選となります!!!いったい優勝は誰が手にするのでしょうか!!!!!」


 相変わらず無駄に声が大きい司会のハウスさんが本選の説明をし始めた。


「本選は一対一のトーナメント形式で行います!!ルールは予選と同様相手が気絶するか降参したら勝ちとなります!!ただし殺しは失格となりますのでご注意ください!!」


 ルールは予選と変わらないようだな。


「さーそれではこちらが本日のトーナメント表となります!!!」

 

 司会がそう言うと、ばかでかい紙に書かれたトーナメント表が出てきた。

 俺は最後の第三試合のようだ。しかも今回本選にでるのが6人だからおれの所は一回戦免除か、運がいいな。


「う、嘘だろ....第三試合かよ...」


 様子からして俺の対戦相手であろう男がまるでこの世の終わりみたいな顔をしたまま振るえていた。

 いや確かに予選はやり過ぎたけどそんな反応されると少し傷付くな。


「よっしゃー!!!第一試合だ!!あいつとじゃなくてよかったぜ!!」


「よかったー当たんなくて」


「でもこれに勝ててもいつかは当たるよな」


 俺に当たらなかったやつらは喜んだり、安堵したり、ネガティブになっているやつまでいた。いや恐れすぎじゃない?てか最後の奴諦め早すぎだろ。

 流石にこの光景に俺は苦笑しかでなかった。


「それでは!!!第一試合を行いますので出場選手以外は控え室のほうで待機して下さい!!!」


 司会の呼び掛けに従い俺は控え室の方にいった。

 試合は流石に予選を勝ち上がっただけあってかなりレベが高い。

 観客達の盛り上がりも最高潮に達していた。

 試合も着々と進みいよいよ俺の出番となった。


「さぁ!!!続いて第三試合!!!今大会予選を最速で終わらせた謎の男、シン選手対!!!華麗な剣技により他者を圧倒したソール選手の対決です!!!」


 司会の紹介で入ったら物凄い歓声で迎えられた。

 中々悪くないな。 

 対戦相手であるソールという男の方をみると


「くそ!!こうなったらとことんやってやる!!」


 吹っ切れたのか、覚悟を決めたようだ。

 俺も手から武器創造で剣を作りだし構えた。


「それでは!!!第三試合!!開始!!!」 


 司会の言葉と同時に俺は一瞬にしてソールとの間合いを詰めた。


「な!!」


 一瞬で間近にまで迫られてソールは驚きながらも剣を振ろうとしたがもう遅い。

 俺は死なない程度に剣の柄でソールの腹を殴った。


 バキィィィ!!


「ぐはぁぁ!!」


 何かが折れるような音を出しながらソールは悶絶しながら膝から崩れ落ちていき、ピクリとも動かなくなった。

 それをみた司会が急ぎながら


「ソ、ソール選手戦闘不能により勝者はシン選手です!!!」


 僅か5秒足らずで決着がついた。

 観客達もこの事に驚きを隠せず唖然としていた。


「きゃー!!凄いですシン様!!」


「シンさんすごーい!!」


 唯一ミリーとサラさんだけが俺を褒めてくれた。耐性ある人は違うな。

 俺はそう思いたがら控え室に向かった。


「そ、それでは次は準決勝を行います!!!」


 いち早く立ち直った司会は次に移ろうとしていた。プロだなあの人。

 司会の呼び掛けで次の試合が行われようとしていた。


「やべーよ、もし勝ったとしてもあんな奴と戦う何て自殺行為だ」


 しかし呼ばれた選手の一人がこれからの事を考えて既に顔色が悪かった。

 そして出てきた一人の選手が顔色を悪くしたまま。


「あいたたた、急に腹が」


 お腹を抱えながら痛そうにしていた。

 いや、嫌だからってプライドはないのかよ....。


「こ、これは棄権した方がいいな...」


「て、テメー汚ねーぞ!!」


 お腹を痛そうにしている選手をみてもう一人の選手が憤慨してきた。そりゃあ誰だって怒るわな。


「いや、痛いんだからしょうがなくて...」


「い、痛てて、何だか俺も急に腹の調子が...」


 男が言い訳をしようとした途端もう一人の男も急に腹を押さえ始めた。

 いやお前もかよ!!

 

「お、おい!!嘘を付くな嘘を!!」


 急に腹を押さえ始めたのをみて男はそう叫びだした。


「俺は本当に痛ーんだよ!!テメーの方は仮病だろうが!!」


「そんなわけないだろう!!お前こそ仮病だろう!!」  


「んなわけねーだろうが!!俺はここに来たときから調子が悪かったんだよ!!」


「私は昨日から調子が悪かったんだ!!」


「あんだとー!!俺なんかなーーー」


「私なんかなーーーー」

 

 ここからどうしようもない言い訳タイムが始まった。 

 正直どっちでもいいので早くしてもらいたいな。

 俺がそう思いっていたら


「だったら3人でやればいい」


 マイクから急に声が聞こえ、周りの人達はざわめきだした。

 声の主はゲルマニア王国国王エリック・ゲルマニアである。


「ソナタ達の言いたい事はよくわかった。そんなにあのシンと一対一で戦いたくないなら二人で戦えばいい」


 王様の一言に選手達は


「まあ、それならいいか」


「それなら何とかなるかもしれないな」


 急に態度を変えながら言った。やっぱり仮病だったのかよ。てかそれならいいのかよ。

 そして選手達は


「共に戦かおう」


「あー、やってやろうぜ!!」


 握手を交わした。男達の間に絆が生まれた瞬間だった。

 何この展開?

 こうして、一対二という構図が出来上がった。

 

「さぁ!!!思わぬ展開となりましたが!!いよいよ決勝戦となります!!!果たして優勝は誰になるでしょうか!!!」


 司会が何事も無かったかのような話しを進めていった。


「それでは!!!決勝戦!!開始!!」


「やってやろうぜ!相棒!!」


「あー、私達の真の力を思い知らせてやろう」


 さっきまで決勝の擦り付けあいをしていた奴等がまるで長いこと一緒にいた相棒のように。息をあわさながら向かってきた。

 

「「くらえぇぇ!!」」


 まるでこの一撃にかけるかのような感じをだしながら俺に向かってきた。

 俺はそこにカウンターをかけるように、二人を武器創造で作った棍棒で吹き飛ばした。


 ドゴォォォン!!

 

「グハァァ!!」


「グホォォォ!!」


 二人は吹き飛ばされ壁が粉々になるまで吹き飛んだ。

 

「やっぱり...駄目だったか」


「私も、まだまだ....だな」


「もっと強くなろうぜ....相棒」


「そう....だな」


 そう言って二人は力尽きた。


「勝者シン選手!!!最後まで検討した二人に大きな拍手をお願いします!!!」


 司会が勝利宣言をして、会場中が大きな拍手で包まれた。


「よくやったぞ二人共!!」


「次頑張んな!!」


 所々二人を称賛する言葉が聞こえてきた。

 何だろう、さっきから言おうと思ったんだけど


 何この茶番!!


 大きな歓声の中俺はただただそう思った。

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