16話 オーガの群れ
そこは暗く水が滴る音が部屋全体に響いていた。何処かの地下室のような場所で黒いローブを被った男達が列をなしていた。
「遂にこの時がきた」
黒いローブの男達のリーダーと思わしき男が静かに言った。
「諸君、長年の苦労に渡り遂に我々の計画は最終段階に入る事ができた」
「そう、全ては我々の崇拝するあのお方のために」
ローブの男は少し間をあけて
「時は来た!!今こそ我々の悲願を果たす時だ!!全てはあのお方の為に!!」
「「「「「全てはあのお方の為に!!」」」」」
「くっくっく、待っていろミリー・ゲルマニア!!」
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エルフの村での事も終わり、俺は一人部屋でくつろいでいた。
ふと、この前サラさんに言われたことを思い出した。
まさかサラさんがあんなことを言うとは思わなかった。そりゃあサラさんにあんなことを言われて素直に嬉しかったが、これからどう接したら良いのだろうか。
彼女は勇気を出して言ってきてくれたのだ。俺もその気持ちになるべく応えよう。
そう思いながら俺はギルドに向かった。
「こんにちはサラさん」
ギルドに着き、俺は一番にサラさんに声をかけた。
「こんにちはシンさん」
俺を見てサラさんは嬉しそうに言った。
「もう仕事に戻ってたんですね」
「はい、ギルドマスターにはまだ休んでもいいと言われましたが、早く仕事に戻りたかったんで」
仕事熱心だなーと俺は思った。
「それに...」
サラさんは少し恥ずかしがりながら
「それに早く仕事に戻ればまたすぐにシンさんに会えると思ったので」
その言葉を聞いて、俺も少し恥ずかしくなった。
なにこれ可愛い。
「おい、何だあいつ」
「俺達のサラさんに馴れ馴れしすぎだろ」
「まさかサラさんの彼氏か?」
「いやまさか、あんなのより俺の方がいいに決まっている」
気が付けば後ろのからひそひそ声で色々噂されていた。
ここでもサラさんは人気なんだな。
「それで、今日はどうされたんですか?」
気を取り直してサラさんが聞いてきた。
「今日はクエストを受けに来ました。何かオススメはありますか?」
「それでしたら、こんなのはどうですか?」
そう言ってサラさんからクエストの紙を受け取った。
内容は、オーガの群れの討伐
メルカの街までの警護
未開拓地の調査などがあった。
俺はその中でオーガの群れの討伐を選んだ。
「はい、オーガの群れの討伐ですね。オーガの群れはここから一日かけた距離で、東にある洞窟に住んでいます。討伐部位もちゃんと持ってきてくださいね」
「成る程わかりました。早速行ってきます」
「はい、気を付けて下さいね」
サラさんは笑顔で見送ってくれた。
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ギルドをでて街の外にでたあと。俺は走ってオーガのいる場所まで向かった。
正直常人が歩いて一日の距離なら、俺なら数分で着く。
数分後、俺はオーガの群れが住んでいる洞窟についた。
中に入ると肌が青く体が大きい大量のオーガがいた。
名前 オーガ Lv.25
HP 1200/1200
MP 510/510
攻撃 2000
防御 1800
俊敏 1400
幸運 15
ユニークスキル
なし
スキル
棒術
称号
なし
ステータスは結構低いな。これなら直ぐに終わるな。
オーガは俺を見た途端に襲ってきた。
「ゴォォォォ!!」
叫びながら俺に向かって棍棒を降り下ろした。
だが俺にはそんな動きが止まって見える。ステータスの差だろう。
俺はすかさず武器創造性で剣を作り、オーガの首を跳ねた。一瞬の出来事に他のオーガ達は唖然としていた。
「ゴ、ゴォォォォ!!」
唖然としていたオーガ達は一斉に我に帰り俺に襲ってきた。
「さぁ、とっとと終わらせるか」
俺はそんなことを言って、オーガ達に向かっていった。
オーガ達は次々と首を跳ねられ、俺はどんどん洞窟の奥へと進んでいった。
すると一番奥には肌が赤く普通のオーガより一回り大きいオーガがいた。
名前 オーガキング Lv.35
HP 2900/2900
MP 1700/1700
攻撃 3200
防御 1800
俊敏 1980
幸運 20
ユニークスキル
雄叫び 統率
スキル
剣術 棒術
称号
オーガの長
キングだけあって他の奴等よりステータスが高い。雄叫びというスキルは威圧とあまり変わらないスキルのようだ。統率はオーガ達を従えるためのスキルのようだ。
「お前がボスか、悪いがとっとと終わらせてもらう」
俺がそう言って構えたら、オーガキングが急に震えだした。
どうしたんだ?と思い俺はしばらくオーガキングを見ていると、奥から大量の金や装備品を持ったオーガ達がでてきた。
そしてオーガキングは地面に膝をつけ手を財宝に向けながら土下座しはじめた。
まるで、これあげるから許して下さいとでもいっているかのようだ。
どういうことだ?オーガキングは知性でもあるのか?
“オーガキングは他のオーガ達を従える為の統率力を発揮するために、知性が付き、自我が芽生えます”
と、ナビーは答えてくれた。
とするとなにか?このオーガキングは命乞いをしているのか?
「ゴォォゴォォ」
「「ゴォゴォ」」
オーガキングと手下のオーガ達が今にも泣きそうな声で訴えてきた。
えー、どうするか....。
俺は少し考えた結果
「じゃあここから出ていってくれるなら見逃してもいいけど」
俺がそう言うとオーガ達の顔がどんどん明るくなり、お互いに抱きあいながら泣いて喜んでいた。
いや、どんだけ俺恐れられてんだよ。
しばらくして、オーガ達は一斉に動き出し、洞窟から出ていった。
「「「ゴォゴォゴォゴォォォォォ」」」
去り際にオーガ達は俺に、まじすいませんでしたー!!とでもいっているかのようにお辞儀をして去っていった。
俺はなんとも言えない気持ちのまま、討伐部位を持ち帰り街に帰った。
帰り道、俺はステータスを確認した。
名前 シン ??歳 神族 Lv.152
HP 729000/729000
MP 1369000/1369000
攻撃 156800
防御 147880
俊敏 168000
幸運 250
ユニークスキル
人化 神力 スキル創造 魔法創造 オールマイティー ナビゲーター 武器創造 解呪魔法
スキル
火魔法(極) 水魔法(極) 土魔法(極) 風魔法(極) 闇魔法(極) 光魔法(極) 雷魔法(極) 氷魔法(極) 爆裂魔法(極) 回復魔法(極)................魔法威力倍増(極) 武の天才(豪) HP自動回復(特大) MP自動回復(特大) 獲得経験値倍増(特大) 完全鑑定 超隠蔽...............剣術(豪) 槍術(豪) 投術(豪) 刀術(豪) 短剣術(豪).................. 弓術(豪) 二刀流(豪)
称号
転生者 神の子 ホムンクルス 超ドラゴンキラー オーガが恐れし者
今回はオーガを少し討伐した程度だからあんまり上がらなかったな。
称号のオーガが恐れし者については今回の事が原因だな。
しかし俺も結構レベルが上がったな。
流石神の子だな。