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転生先は神の子でした  作者: サザンテラス
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15話 決闘後

 ストールが降参を認めた後も、しばらく何ともいえない空気になった。

 勝負に勝ったというのに歓声が一つもなく、サラさん達の方を見ると、え、勝ったの?というような顔付きをしていた。

 まるで勝った気がしない。


「おめでとう、貴様の勝ちだ。サラのことよろしく頼む」


 立ち直ったストールがまるで名勝負をしたかのような言葉を言って、強引に空気を変えようとした。


「さあ!!みんなもこいつの勝利に拍手を!!」


 ストールが観客の奴等に拍手を求めると


「ふ、ふざけんなー!!!」


「そいつまだ何もしてないだろうが!!」


「名勝負っぽくしようとしてんじゃねー!!!」


 一人の言葉を皮切りに一斉に文句を言い出した。まぁそうなるよな。


「うるさいぞお前達!!次期村の長となるこの私が決めたことだ!!異論は認めん!!」


 ストールが強い口調でいった。こいつ次期村長だったのか。俺は驚きながらもこれなら多少成りとも大人しくなるだろう。そう思っていたら


「うるせー雑魚が!!」


「ガキの癖に偉そうぶってんじゃねー!!!」


「一撃も入れなかった奴が調子乗ってんじゃねーぞ!!!」


 まったくそんなことなかった。しかもさっきより罵声の数が増している。

 人望もクソもないな。

 このままじゃ拉致があかないので


「うるさい」

 

 俺がそう言った瞬間、騒いでいた野次馬達が一斉に黙りこくった。

 何をしたかたとうと威圧というスキルを使った。


 威圧

相手を威圧することによって怯ませたり、動けなくすることができる。効果はレベル差によって変わる。 


「誰がなんと言おうと勝ったのは俺だ!!いいな!!!」


「「「「「は、はい、わかりました」」」」」


 全員声を揃えた言った。

 それを見たストールは納得いかない感じだったが


「まぁ何にせよ、貴様は私に勝利したのだ。サラのことは幸せにしてくれ」


 ストールは俺の肩を掴んでいった。

 ん?幸せ?何のことだ?

 そこで俺は重要な事を思い出した。

 これはサラさんの結婚をかけた決闘だった。

 ど、どうする。何て言えばいい。


「あ、あーそのことか。ま、任せろ」


 俺はつい口から出任せをいってしまった。 

 別にサラさんのことは嫌いじゃないんだけどな。ただ結婚はまだ早いだろ。サラさんの気持ちだってある。


「さぁ今すぐ式を挙げよう」


 ストールは俺の腕を引っ張りながら言う。


「ま、待て!!流石に式は早いだろう。大体俺は冒険者だ。結婚はまだ早い」


「いやそんなことはなかろう。早い内に結婚をしても問題はないだろう」


「いやだからーーーーーーーー」


 この後2時間に及ぶ説得でストールは渋々結婚を遅らせる事ができた。

 これからどうしよう....。


 そんなこんなでストールとの決闘は終わった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「シンさん、この度は本当にありがとうございました」 


 決闘が終わり、サラさんが改まって俺に言ってきた。


「気にしないで下さい。俺が勝手にやったことです」


「いえ、そういうわけにはいきません。シンさんは私の恩人ですから」


 そんな大袈裟なことではないと思うけどな。

 俺がそんなことを思っていると、サラさんが急にモジモジしながら


「あ、あの結婚の事なんですけど」


 サラさんは段々顔を赤くしながら言った。


「私、シンさんの事が好きです。だからシンさんに振り向いて貰うために、またギルドで受付をしながらシンさんに好きになって貰うために頑張ります!!」


 そう言ってサラさんは去ってしまった。

 へ?俺の事が好き?

 俺はその言葉に少し混乱した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あーどうしよう、言っちゃったーーーーー!!〃〃」


 私、サラはシンさんに自分の想いを言って一人で悶絶していた。


「でも言えただけ大したもんだと思うわよ」


 私の様子を見ながらクレアが嬉しそうに言った。 


「そ、そうかなー?」


「そうよ、あーいうタイプは自分からいかなきゃ駄目よ」


 クレアがそういうが本当によかったんだろうか。


 シンさんを初めてみたときはただ強くて凄い人だと思っていましたが、ダンジョンで言ってくれたあの言葉で私はシンさんの事を好きになってしまいました。

 ストールとの決闘の時もシンさんは私に文句ひとつも言わずに優しく接してくれました。そして私はシンさん振り向かせてみせると決心しました。

 待ってて下さいね!!シンさん!!

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