10話 ダンジョン攻略
塔の中は思った以上に広く石造りの建物だった。塔の階層は全部で100層あり、10層ごとにフロアボスがいるが、今回の目的は80階層にいるフロアボスを倒すととでてくる宝箱を手に入れることだ。
モンスターは階層ごとに強さが変化している。
「20階層までは私が案内します」
そう言ってサラさんは先頭を歩いて行った。
別にナビーに聞けばわかるんだが、ここはサラさんの行為に甘えよう。
俺はそう思いながらも後をついていった。
歩きだして少し経った、
目の前にゴブリンが現れた。
「目の前にゴブリン3体!!き『よっと』....ま...す」
それを確認したサラさんが俺に呼び掛けようとしたが、
ゴブリンが現れた直後、俺は速攻でゴブリンの元へと移動し、剣で斬り倒した。
何処から剣をだしたかというと、スキル創造を使って作ったスキルを使った。
武器創造
武器の形状や特徴、性能などイメージすれば武器をつくることができる。消えろと念じれば、その武器は消すことができる。
このスキルを使って、俺はとにかく切れ味がよく耐久性のある剣を作った。
「え、シンさん魔法だけでなく剣まで使えるんですか」
「使えますよ。さぁどんどん行きましょうか」
俺が意気揚々と言いながら歩いた。
「そ、そうですね」
サラさんは微妙な表情をしながら後に続いた。
どんどん歩いて行き10層へ続く扉の前まで着いた。
「この先にはフロアボスがいます。注意し....なくても大丈夫そうですね」
サラさんは少し呆れ顔で言った。
まぁ実際にこれまでのモンスターは全部瞬殺だったしな。ここまでで俺はまだ魔法を一切使っていない。何故使わないというと、最近魔法ばかりで剣術など武術系のを一切使っていなかったから使っていこうと思ったからだ。
「それじゃあ、いきますよ」
そう言ってサラさんは目の前の扉を開けた。
中はホール状で中央で佇んでいる一匹のモンスターがいた。
名前 ミノタウロス Lv.15
HP 1000/1000
MP 380/380
攻撃 1050
防御 560
俊敏 680
幸運 10
ユニークスキル
なし
スキル
斧術 身体強化
称号
なし
ステータスはそんなに高くないな。これなら直ぐに片付けられるな。
そう考えた俺は、
「グォォォォ『うるさい』ォォ!?」
瞬時にミノタウロスの目の前まで移動し剣で首を切り落とした。
それを見たサラさんは
「もう驚くのはやめにしましょう。疲れるだけです」
遠い目をしながらそう呟いた。
何かたくまくなったな、サラさん。
人は成長するもんだな。
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ダンジョンの攻略も進んでいき20層のフロアボスまで来た。
名前 ロックゴーレム Lv.26
HP 2180/2180
MP 1080/1080
攻撃 1100
防御 2900
俊敏 1300
幸運 15
ユニークスキル
石化
スキル
物理耐性(小)
称号
なし
物理耐性が高いな。だが俺にそんなものは関係ない。
心の中でそういいながら俺はそう言いながらロックゴーレムの目の前に移動し、拳でロックゴーレムの頭を砕いた。
「オォォォォォォ!!」
そう叫びながらロックゴーレムは崩れていった。
「やりましたねシンさん!!」
サラさんが明るい口調でいった。あれからもう俺が何をしても驚かなくなった。本当に成長したな。
「そうですね、それにしてもまだ先は長いですね」
俺達がダンジョンに入ってから既に体感で十数時間が経った。
「はい、まだ後60層あります」
しかし、このままじゃかなり時間が掛かるな、どうしようかと考えていたらあるアイディアが浮かんだ。
早速やろうと思い俺はサラさんをお姫様抱っこした。
「へ!?し、シンさん!!な、何を!!!」
サラさんが少し顔を赤くしながらいってきたが俺はそんなのお構い無しに、
「しっかり掴まってて下さいね」
そう言って全力でダッシュした。
俺が考えたアイディアは俺がサラさんを抱えて、ナビーの指示に従いながら上の階層へ走ることだ。全力で走るといっても俺の全力は音速を越えているんたけどな。
「ガァァァァ『どけ』ァァア!?」
「アァァァァ『邪魔』ァァン」
途中モンスターが立ちはかだって来たが、そんなのお構い無しに蹴りや体当たりで薙ぎ倒していった。フロアボスの所は扉を蹴飛ばしながら進んだ。全員ワンパンだった。そのせいで飛んでいった扉で殺られたボスもいた。流石に何か可哀想に思えた。
数時間程で80層のフロアボスの扉の前まで来た。
サラさんを立たせようとサラさんを見たら。
「............」
「おーい、サラさーん」
「....は!!こ、此処は何処ですか?」
「80階層のフロアボスの扉の前です」
「80階層!?も、もう着いたんですか!!ていうかシンさんやるなら初めに言ってください」
涙目になりながらサラさんがいってきた。
そんな顔も可愛いなと俺はつい思ってしまった。
「す、すいません。でも早かったでしょ?」
「......まぁいいです。それより早くいきましょう」
少し納得いかない顔をしながらも、サラさんと俺は扉の中に進んだ。