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地図を片手にあっちにうろうろ。こっちにうろうろして現在地から目的の教室に移動するる最短ルートを模索しつつ適性なしでもう受講できる教室にたどり着く。時間を確認すると授業開始10分前だったので、安心して空いている席に座り周りを見回す。私と同じように線の細い人もいれば、筋肉隆々の人もいる。筋肉の人は鍛冶の方の人なんだろうな。剣の柄とかに文様を刻む技術を会得するために来たのかな?などと人間観察を失礼のない程度にしながら時間をつぶしていると教員が入ってきた。ピンクの髪色。くるっくるの大きな目をしてふんわりした服を着ている。ざ、ファンシーと言った服装だが教員になるのだからある程度の技術があるのだろう。と見ていると
「こんにちは。今日この授業を行うはずだった教授が用事でボイコットしたので。私が代わりに派遣されました」頭を下げて言っている。ボイコットってなんなのさ。大丈夫この学校。と思いつつも代行の先生ならある程度の事を教えてくれるのかな?と思っているとそのセリフを聞いて席を立つ生徒さんがちらほら。
うん?だめなのか?どうなっているのだろう。
「えーっと「諸君。残念ながら君らに教える技術なんてないから。書物を見て自己流でもいいから出来るようになってください。と言うか。適性ないのに細工をしようなんて人を馬鹿にしているのかな?」だそうです」ポケットからメモ紙を出して内容を読み終わり帰っていく教諭のお使いさん。本当に大丈夫なのだろうか?そう思ってしまうような教諭しか用意していない学校だな。落胆しながら教室を出て図書館へ。
さまざまな書物がある図書館が学校に隣接してある。これは国立の物で、勉強したい人のために遅くまで開いている。学校にあるのは、当たり障りのない内容しか乗っていない書物しか扱ってない図書室がある。書物のラインナップはすでにチェック済み。学校の図書室は深夜でも侵入できるので少し遅く侵入して警備と内容を確認させてもらった。あの程度、自宅で勉強した方がはかどるだろうという感じの内容だった。
「さて。どんな書物があるのかな」ウキウキしながら図書館の地図を見て目的の書物を置いている場所に移動する。薄暗い日差しと空調管理がしっかりしてほこりなどが溜まっていない空間をゆっくり堪能しながら歩いていると目的の細工・鍛冶の項目が有った。あまり人気が無い場所なのだろう。
人が立ち入った形跡がない。手袋をして入門書を数点手にして読書スペースで目を通していく。
「これが、一番わかりやすくて内容が濃いな」本棚と読書スペースを数回往復して私でもわかるように噛み砕かれて書かれている書物を見つけるタイトルは「おバカでもわかる細工初歩」と書いてある。最初の基本をきちんとわかりやすく抑えているくせに最後の章になると中級の専門書を見ながらではないと理解できない事をさらっとわかるように書いてある。さらに知りたい人はと言う感じで乗っている参考書籍を読めばさらっと流されている内容がわかるといった感じで。ヒントは与えたから後は自助努力でしょ。と言った感じが素敵だなと思い借りることに。
先ずはこれを熟読してから試した方が良いか。汚したりしたら大変だからなーっと思い貸出スペースに行く。貸出手続きをしていると司書さんから
「この書物。借りられる方が少ないので、今度の販売会で売りに出そうと思っていたのですが・・」素敵なつぶやきが。
「どのくらいのお値段になりますかね」購入する気があることを示しながら聞いてみると。
「人気が無くて。それほど専門的な事が乗ってないので」と販売基準を載せている表を見ながら考えているみたいだ。あまり高いとお小遣いでは買えないが、5千円くらいなら出せる。勉強するための本を買ったと申告すると後から親から半額キャッシュバックしてくれるし。あまり使わないから貯金していたりするから学生からしたら小金持ちだったりする私。今日は、図書館に行くからと少しだけ下ろしていたからお財布君には万札様が一枚いらっしゃる。
「そうですね。4千円くらいですね。ご購入されますか?」との言葉にすぐさま頷き貸出カウンターになぜかあるレジで支払いして購入したと示す判を押してもらいいけ取る。レジで購入してもこの判を押してもらうのを忘れていると窃盗容疑で逮捕されてしまうことがあるから気を付けてくださいね。笑顔で注意してくれる。販売会の日時を聞いている私をいいお客様だと思ったのだろう。物凄く良い本の虫でもある私。時間をつぶす用の本から専門書まで雑食と言っていいほど本を読んでいる。それが生活に活用できるかは別として。
良いものが手に入った!!ウキウキしながら図書館にある読書スペースで読書を開始する。
やはりと言うか。細工でも魔力を使うようだ。と言うか、そっちの方が簡単に細工が出来るらしい。鉱物を加工するときも、石を丸くするにも。魔力なしでも出来るけどそっちの方が時間がかかるし無駄な作業?が有るので、魔力を使用した方が良いだろう。との記述がある。
「やっぱりなんにでも魔力を使うんだ。人によっては採取でも魔力を使うって言ってたしなー。魔力運用をある程度使えるようになってからの方が良いか。それまで、材料を集めていた方がいいよね。機を織るのも魔力を使いそうな感じのこと書いてるし」細工の分野としてアクセサリーや模様を刻むもの、それに布生成も入っていた。どれも魔力を込めないと効果が出ないと書いて有ったのでまずは、材料を集めをしながら魔力を上手に使えるようにならないと意味がないな。付加魔法も同じだろうし。そう今後の事を考えて寮にと言うかテントに戻る。
テント村に近づくつれに女子の量が増えていくのはなんでだ?問題が起こっているなら結界の詠唱をしているから私にも何となくわかるようになっているが、そんな感じ全然しなかったし。まあ、読書してたから無意識に処理していたのかもしれないけど、それならそれで少し気怠くなっているはずだが、そんなこともないし・・・・
いぶかしげに思いながらテント村に人ごみを避けつつ入っていくと
「お帰り。ご飯食べたかい?」キラキラしたオーラをまき散らしながら聞いてくる異母兄。彼を中心に女性が群がっている。今の今まで無反応だったのに私を見つけていい笑顔で聞いてくるのあたり嫌味な異母兄である。
「あー。ご飯はまだだけど。喜一兄が派遣されてきた人?お母さん(本妻をそう呼んでいる。実母は母さん)には、様子見に誰か派遣してってお願いしたけど」人ごみがひどすぎるんだけど。苦情を言いつつ喜一兄の近くに行くとそれを聞いた喜一兄の部下?の人たちが周りの人たちを解散させていく。
「俺じゃないよ。朝1の事案がそんなに早く決定するわけないじゃないか。お目付け役は、咲耶だって今決まったみたいだ」携帯を見ながらそう言っているのを見ると事案解決のメールでも来たのだろう。上の兄弟たちは、父の仕事を手伝っていることが多いので家族事案について決定した場合は速メールが来ることになっている
「咲耶か。面倒だな。性格的に合わないというかなんというか」私がげんなりしていると
「ブレーキ役には持ってこうだろ。それにしても数日でこのレベルってなんだ?お前はレアアイテムでも守っているのか?」呆れつつ聞かれれてしまった。
「だって。寝ているときや不在の時に自分の物を触られたくないじゃない。学校なのに私物化している教諭とかそれを野放しにしている経営陣とかさ」そう言う私を呆れつつ見ている兄。
「お前。自分がしたこと解ってんのか?銀行レベルの守りに聖地並みの浄化。それに本人の努力次第と言いながらもレベルがすぐに上がる様な加護のオンパレード。ここは教会か。王都の専門施設か。みたいな有様になってるんだぞここ」静かに怒気がこもっている。
「あれ?いつものようにしただけなんですが・・・」間違ったか?と考えていると
「いつものようにしたようだが。ここは、親父が作った家でも母さんが整えた環境でもないんだ。気を付けるように口酸っぱく言っただろう。緊急事態でもこれはやりすぎだ」緊急事態だということも考慮に入れてもやりすぎたようです。
「そうかな?結界と反撃のみ限定した自衛。それと毎朝に歌っている感謝だけだけど?」施している詠唱を指折り数えながら答えるている私
「主神に感謝の念と安全に過ごせますように。それに結界と自衛を詠唱したらこんな風になるのは当たり前だと思わないのか?そこまで、あまたが回らないあたりお前らしいけどな」ため息と共に異母兄が何やらやっている。
「少しレベルを下げてみた。明日、咲耶が来るまでここに居てやるからお前は何もするな」厳重注意を受けてしまった。
「でも。喜一兄の仕事は?ここに来たってことは仕事がらみでしょ?」怒られない?っと聞いてみると
「大丈夫だ。学校の護衛たちから人手が足りないと言われてな。どうなっているのか様子を見に来たらこんなことになっていてな。ここの守りは俺とこいつ等でどうにかなるし。ここに取られていた人数をほかに回せば問題解決だ」ニッコリ笑って答えてくれるから良いのだろう。