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採取の授業が終わったらみんなで昼食を取る。
「採取って意外と簡単?美弥がいたから簡単だったんだろうけど。後からもう1回採取してみないと解らないよね」そう言っている友達。そうだろう。採取に慣れている私と一緒にいたから簡単に取れたけど自力でとれるとは限らないので、自分達だけで採取してみると考えるのはいいことだが。
「採取って同じものは1日1回しか取れないから。明日にしたら?」忠告して置く。なぜかわからないが採取は同じものを認定してもらえるのは1日に1回のみとなっている。
「そうなんだ。じゃ。明日だね。今日はどうする?薬の授業はどうだっけ?」そう言いながら時間割表を見てみると午後2時に適性なしの人も受けれる授業がある。それを受けることにしたので空き時間が1時間あるので荷物を整理することにする。薬草は乾燥させていつでも使えるようにしておく。果物は今食べるものと保存食にするものを分けて乾燥させるものは食べやすい大きさにする。それを乾燥用の籠に入れて天日に干しておく。
薬の授業を受けに教室に行く。教室に行くと白髪頭の先生が居た。私たち以外には誰もいないようで、お茶を飲みながら過ごしている。
「おや。今日も誰も受講しないと思っていたが、お客さんが居るなら仕方がない」そう言いながら器具を用意している。
「そういえば、なんでこの講座を受けようと思ったんだい?」良い人っぽいおじいさんが聞いてきた。学校内で噂になっているのでわかりきっているのに聞いてくるのは、あれか?腹黒さんなのかなおじいさんは。
「いやー。寮に入ったら製薬の先生にケンカを売られて部屋に入れないようになりまして。今、寮の中庭に皆でテント村を作って生活しているんですよ。戦闘系は薬を使うし。薬は買い手は無くならないですからね。それに自分達を嫌っている人が作っている薬なんて怖くて使えないじゃないですか」そう答えると
「そりゃそうだ。何を入れられているかわかったもんじゃない」ケラケラ笑いながら同意してくれるおじいちゃん先生が用意したのは、すり鉢と鍋。
「使用する薬草は、王葉と針葉です。どれも森で取れますが、王葉は南の森で取れるので採取の授業はたくさん受講した方が得ですよ」忠告を受けたので明日も採取の授業を受けることが全員の中で決定した。
「さて、この薬草を潰します。綺麗につぶすと良質なポーションが作れるので頑張って」とゴリゴリとすりつぶしている先生。一緒になってみんなで30分くらいかけて2つの薬草をすりつぶす。ドロドロとした青汁のような液体が出来た
「次に王葉の方を先に入れて混ぜます。そして煮ながら魔力を込めるとあら不思議。ポーションになります」と実演販売みたいに言っているおじいちゃん先生。言われた通り王葉の方を先に入れてから針葉の方を入れてから煮る。葉が浮いている状態の薬草汁に魔力を込めるとあら不思議。葉っぱが無くなりドロドロがサラサラになって青汁のような感じになった人もいたが、私のは変化なし。魔力ってどうやって流すの?って感じなんですけど・・・
「これで初歩のポーションが完成しました。魔力をたくさん込めても込めなさ過ぎても失敗になりますから気を付けて」そう言って片づけ始める先生。それを聞いて次の授業は魔力運用の授業にすることにした。微調整もそうだけど、そもそも魔力を込めるところからわからないから。幸い授業は3時半までやっている。ただ、開催教室が・・・
「魔力運用はわしがやっている授業の1つ。一緒に受けることが出来るが受けてみるか?何簡単だ。魔力が体にめぐっているのは何となくわかるじゃろ?」と言われて体にめぐっている力?っと目を閉じて考えてみると何となくおへそあたりに力があるような無いような。
「わからない人間でもへそのあたりに何かあるような感じはわかるじゃろ。同じ様なものが体にめぐっているようなのを感じ取れるようになれば合格じゃ」そう言われて各個人。体の中にめぐるモノを認識するために集中している。深呼吸しながら体に流れるものに集中する呼吸と共にめぐる血と空気。そう思っていたら温かいモノも一緒にめぐっている感じである。これが魔力か?と首を傾げながら目を開けるとすでに感知出来ている友達たちと目があった。
「わかった?美弥以外はなんと無くわかっているみたいだよ。体の中に温かいものがめぐっているならそれが魔力だって。わかった?」聞かれたので頷く
「じゃ。合格だね。詠唱したりしているのに認識が遅かったね。やっぱり美弥だよね」フフフっと笑われてしまった。詠唱で魔力を使っていたっけ?歌った後に怠くなることがあるがそれは、詠唱が成功した証拠だと思っていたんだけど違うんだ。知らなかったわ
「全員が合格じゃな。優秀。優秀。これで魔法の適性が無くても魔力を使うことが出来るだろう。魔法の勉強も私が適性なしでも教えてやれることが出来る。明日も同じ時間に授業をするから興味があるやつは来てくれ。ポーションも作れるし魔法の勉強も出来る。お得だろ?」とニヤット笑っているおじいちゃん。それに頷くしかない私たち。
「安心して薬の勉強も魔法の勉強も出来るから良い教室見つけれたよね。採取の勉強も朝1番の授業を受ければ昼前に終ると思うし。最初は、美弥と一緒に受けて後は個人的に受ければ確実に採取できるだろうしね」と舞子
「そうそう。魔法の勉強して簡単な火種を付けれる。水を出すことが出来る。それだけで野営するときにとっても助かるし」と聡子。
「そうだよね。魔方陣を介して出現させるにもコストを考えるとそんなに出来るものではないし。詠唱中に攻撃されたら意味ないし。ある程度、コストを落として効力がある魔法をって考えるよね」と頷く。
「それこそ。美弥みたいに護身術だけでも習っておいた方が良いよね。何があるかわからないし。逃げれるだけの技術を持っていたら安全だと解るところまで逃げればいいし」
「サバイバルでも美弥に習っておけば何とかなるだろう」と言う声も聞こえてくる。教員に睨まれ。先輩たちにも一部睨まれた形になってしまっているテント村。教会に居る先輩たちは敵対してこないけど積極的には助けてくれないだろうというのがおじいちゃん先生と採取の先生の意見だった。擁護してくれる先生もあまりない中大変なことになっているということはわかっているが。ご飯とお風呂後に中庭で寝る前の体操と詠唱をしつつ皆で話していた。体操は戦闘系の友達に教わりつつ詠唱は、私と適性があった智代さんと一緒に空き時間で受けた詠唱の授業でもらった教本を見つつ歌っている。
「安眠・防犯の詠唱ってあるんだね」歌い終わった後に感心しているのかそういった声が聞こえてきた。
「要は、神様。ゆっくり休ませてください。安心に生活できますように。の思いが詠唱の基本だって先生が言ってたよ。と言うことは、薬の神様にうまくいきますようにって祈りながら詠唱したらポーションも失敗しないかも」と笑っているとそうかもね。明日、試してみようよっと声が上がり試しにしてみようとなった。それを聞いている護衛の人たちが引きつった顔をしているのがなぜかその時はわからなかった。




