第七話 〜ばらばらマシンアーミー!〜
やはり戦闘は難しいものです
それではどうぞ
「…っと!」
サブマシンガンで武装したサイボーグの手首を短剣で切り落としつつ、バズーカで殴りかかってきたサイボーグの攻撃を避ける
「いただきだー!」
冬夏がバズーカサイボーグを斜めに両断したのを横目で確認する
「ルー、上見ろ」
「!」
上を向くとガシャガシャと音を鳴らしながら2体の警備ロボがブレードを出しているのが見える
「突っ込んできますっ!」
「1匹は任せるぞ」
ジョーは左腕のブレードを出すと、獣人の僕でさえ捉えられない速度で警備ロボを斬った
僕ものんびり見ている暇は無い、眼前にブレードが突き出た銀色の球体が迫っている
「っりゃあ!」
短剣を逆手に持ち、警備ロボにまっすぐ突き刺すように振り抜くーーが、刺さらない
短剣は警備ロボの表面を滑る
「ぇ、あれぇ?」
完全な機械で、それも磨き上げられた球体である警備ロボに普通の短剣では通用しないようだ
「しまっ…!」
警備ロボのブレードが無防備な右手を切断しようと唸る
が、痛みより先に銃声が早かった
「…油断、ダメ」
「助かったぁ…」
目の前のブレードは根元から折れていた
激しい戦闘の中で正確にブレードの根元を撃ち抜いたのだ
「皆デタラメに近いよなぁ…」
ブレードが破損したのを認識できていないのか警備ロボが再度突進してくる
それを見、改めて短剣を握り直し
「よっと!」
今度はブレードを出すために露出した内部に突き刺す
今度は鉄を貫く感触があり、ぶすぶすと煙が吹き出す
「よし!無力化成功ーー」
バン、と音を立てて爆発した
「熱ぅあ!?」
「アホかお前」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「フレイムバレット♪」
魔力を籠めて呪文を呟くと、小さな魔法陣が幾多も現れ、そこから拳ほどの炎がサイボーグ達へ飛んでいく
「うん♪調子はいいわねぇ♪」
「うりぁぁぁ!つちにかえれー!」
冬夏がサイボーグ達の真ん中で叫んでいるわね
「おまえのちはなにいろだー!」
ほぼ敵のゼロ距離で巨大な斧を振り回しているみたい
一振りするごとにサイボーグが真っ二つになり、赤い液体が吹き出している
多分オイルでしょう、きっとそう
「あいたたたっ⁉︎なにをするー!」
サブマシンガンの掃射が当たっている様だが少し痛い程度なのね
鬼の頑丈さは是非研究してみたいわぁ
「負けてられないわねぇ♪」
炎弾をなんとか避けた一部のサイボーグが改めて銃口を向けてくる
「あら、ヒートシールド♪」
目の前に高温の盾が召喚され、銃弾を弾く
「残念でした♪レッドホットロングソード!」
腰の辺りに出現した魔法陣から真っ赤な剣を抜き、弾を打ち尽くし背を向けるサイボーグを斬りつける
「えぃ!一刀両断♪」
あぁ気持ちいい
たまには肉弾戦もいいものね♪
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「そっちは片付いたか?」
「だいたい終了よん♪」
デッキにはサイボーグやロボの残骸が転がっている
僕達以外に動くものは無い
「開始早々コレか」
「これで打ち止め…は無いですよね」
警報は既に止まっているが、デッキで倒したのは20人にも及ばない
これだけ大きな戦艦だ、これだけではないだろう
「しかし…荒事になるといつも…」
「一番活躍するのよねぇ冬夏ちゃん」
「む?あたりまえだー」
恐らく半分は冬夏が切り捨てたであろう
デッキが原型を保っているのが奇跡に近い
「さて、これからコイツを落としにかかるわけだが」
ジョーが船首は指差し、流れを説明する
「俺とミロリアは操舵室へ向かい、進路を調節する。お前らはエンジンルームを探して制圧しろ」
「…エンジンルームって、何処?」
「知らん」
「相変わらず一つ一つが荒いですね」
「五月蝿い。」
一蹴された
「合図をしたらエンジンをぶっ壊せ、被害のないとこに墜落させる」
「!…了解」
「りょうかいぃ!」
「ぶっ壊せって聞いて急にテンション上がるのやめてください二人とも」
シリカも結構物騒な事が好きなタイプである
…あっこの二人まとめるの大変だ
「よし、目標は三十分でこれを達成な」
「わぁ結構キツイ」
「五月蝿い」
また一蹴された
「じゃあ散開!」
「…使い方、あってる?」
ジョー、ミロリアと別れエンジンルーム(があるであろう方向)へ走り出す
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うん、やっぱり強いなぁ
…我慢できなくなってきちゃった
主様に怒られるかもしれないけど
ちょっとくらい、いいよね?
こんな簡単じゃあつまらないでしょ?
とーっても楽しくしてあげる…
次回はもっと早く更新できたらいいなぁ