第四話 〜くるくる➡︎ばらばら〜
インスピレーションが湧かないと全然書けないものですねぇ
遅れました、本編をどうぞー
「最近の若い衆はだらしなくて仕方ない」
「ふぅん?どんなふうに?」
「最近は岩も砕けん奴らも多くてのぅ」
「なるほどね」
二十畳ほどある部屋の真ん中に二つの人影
片方は真っ黒い着物を纏った少女
もう片方はキセルを咥えた強面の老人
両名は将棋盤を挟んで向かい合っていた
「儂の若い頃は屋敷の裏山を崩してこっぴどくどやされたもんじゃ」
「五重塔でダルマ落としは流行ってたじゃないか」
「おぉ、あれも中々難しくての」
二人の声以外に将棋の駒を動かす微かな音が響く
その度に老人がキセルを揺らす
「鬼一族の能力の低下ねぇ…」
「まだ金の国との抗争も収まっとらんのにのぅ…」
「冬夏ちゃん見てるとそうは思えないんだけどなぁ」
「おぉ、そういえば冬夏は元気かの?」
「うん、今朝もエントランスの床を足で砕いてたよ」
「うむ、それでこそ鬼じゃ!」
老人は上機嫌に笑いながら駒を進める
「…でもまぁ今の時代、脳筋が流行らないのも事実だよ?」
「何を言う。力がなくてはできるもんもできん」
「まぁそーかもしれないけど…王手」
「ぬぁ⁉ま、待った!」
「無しだよ」
老人は暫く唸っていたが、不意に懐から建設用のワイヤーを取り出し跳ぶ様に立ち上がる
ワイヤーには何故か既に輪っかが付いている
「勝てぬ以上…命を断つしかないのぅ…」
「貴方、ワイヤーで首吊った程度じゃ死ねないでしょう?」
「ぐ…」
「心配してもらいたいからってワイヤー持ち歩かないの」
老人はワイヤーを戻し、再び腰を降ろす
「いっつも詰めが甘いんだよ、九道はさ」
「今回の戦略は良いと思ったんだがのぅ」
「あはは、まぁそれは置いといてさ」
少女の眼が真剣なものに変わる
「将棋しにきたわけじゃないでしょ?」
「…ノア嬢や、ちょいと面倒な事になっとるぞ」
「へぇ、それは私のギルドに関係する事かな?」
「無論じゃ、でなければこんなところまで来ないわぃ」
ギルド【コスモス】中央司令塔
ギルドマスタールームにてとある事実が語られた
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「うまいー!」
「油断してたわぁ…寿司がこんなに高いなんて…」
ギルド食堂の中にあるジパング料理店の前でミロリアは立ち尽くしていた
「お疲れ様です、ミロリアさん」
「…ドンマイ」
「ミロリアは本当に寿司を知らなかったのか?」
「えぇ…まさかジパングの最高級の料理だなんて…」
僕らはバベルから帰ってきた後、真っ直ぐこのギルド食堂にやって来ていた
お昼ご飯には遅い時間だったため他のギルドメンバーはほとんど居ない
「名前だけ知ってたのよ…研究費用がパァだわ…」
「まぁまだ今回の報酬も貰ってないんだし」
「…ドンマイ」
「結局僕が奢った天ぷら蕎麦を食べながらじゃあ説得力がないですよ?」
「………」
あ、眼を逸らした
エビ天咥えながら
「ルー、食い終わったんなら報告行ってきたらどうだ?」
「…今回のチームリーダー、貴方」
「あ、そうですね。行ってきます」
僕は席を立ってギルドカウンターに向かうことにした
「おかわりー」
「まだ食べるのぉ⁉」
「…金は貸さんぞ」
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「依頼完遂、お疲れ様です」
「ありがとうございます」
「こちらが報酬の32万レイと私との婚姻届です」
「…32万レイ頂きますね」
ちなみにレイというのは世界共通で使用されている通貨だ
「それではまた」
いつも通り受付嬢をいなして寮へ向かう
そろそろ皆食べ終わって寮に戻ってる頃だろう
そうして受付ロビーを出ようとした矢先
『ーー本部からの呼び出しだっ!狼野郎ルー!』
「うおぅ⁉」
ギルド内放送で名指しされて足を止める
…僕、何か悪い事したっけ
『ーーエロ魔女ミロリア!怪力幼女冬夏!』
…仲間内皆呼び出されてるみたいだ
受付カウンターに引き返してレイをバンクに預けた後、本部がある中央司令塔へ向かう事にした
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中央司令塔、四階会議室
先程まで食事をしていた面子が集まっていた
「もぐもぐもぐもぐ」
…まだ食事をしている奴もいるが
「冬夏さん…流石に置いてきましょうよ…」
「うー?あげないぞー」
まだ寿司が残っている盆を守るように遠ざかける冬夏
別に取ろうとしてないが
「…話を始めてもいいかのぅ?」
「…お願いします」
目の前に居るのはこのギルドを統括をしているギルドマスターである
名前はノア
…それ以外の事は誰も知らない
「さて、それでは話を始めるぞ」
「まぁ対したことじゃないんじゃがなぁ、恐らく明後日くらいじゃろうなぁ」
「…何が?」
「ガリュオンとジパングが全面戦争するそうじゃから五人で戦争止めてきてほしいんじゃ」
「「「「「…は?」」」」」
レイは実在する通貨です
ニュアンスで決めました
次回は未定となります