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残念な部活?

いつもどうり授業が終わり、

誰もいなくなった放課後、俺たち3人はまた教室でいつものように話していた。


「早速だけど2人ともついてきてくれる?」


桐ヶ谷のその言葉に俺は首を傾けた。

俺は隼斗の方を見るが隼斗は何か知ってるらしくニタニタと笑っている。

訳もわからず先行する桐ヶ谷に続き俺達も廊下に出る。


(何処に行くんだ?)

桐ヶ谷は階段を下り、あまり人が行かない空き教室などがある方へと向かっていった。

(こんな所で何をするんだ?)

俺は疑問に思い桐ヶ谷に聞いてみることにした。


「おい、桐ヶ谷?何処に行くんだ?」


桐ヶ谷はこちらに顔だけを向けてると、一度不気味に笑ってからまた前を向いて歩きだしてしまう。

(なんかうざいんだが... )

ここはグッと堪えよう。

それからまた少し歩き桐ヶ谷は突然ある教室の前に止まって「ここよ!」と指す。

そこはオカルト研究部と書かれた部屋の前だった。

こんな所に何のようだ?


「ここって、オカルト研?オカルト研ってできてすぐに部員が足らなくて潰れたんじゃなかったか?こんな所に来てどうするんだよ?」


桐ヶ谷はまたしても何も答えずポケットから取り出した鍵を使って部屋を開け始めた。


「そんなもん、どっから持ってきたんだよ...」


「いいのよ、許可はとったんだから」


「許可って言ったって...どうやって... 」


桐ヶ谷は誰もいない薄暗い部屋の電気をつけ、こちらを向いて無駄に発育のいい胸を張り大声で言い放った。


「ここを私たちの拠点もとい部室にするわ!」


「はぁ?」


俺は思わず裏返った声を出してしまった。




「部活と言っても、まだ正式に認められた部活じゃないし名前もないわ」


「名前も決まってないってことは何をやる部活かも決まってねぇのかよ」


「内容は決まってるじゃない!友達を作る

ための部活よ!貴方の能力の使い道を探す理由だって、もともとは友達を作るためなんだから」


「それはそうだが......。 てか、どうやって許可をとったんだよ?」


俺は疑問を聞いてみると、桐ヶ谷は偉そうにそこにあった椅子に座って言い放った。


「内田先生に頼んだのよ!それは最初は駄目って言われたんだけど、頑張って目で訴えたら解ってくれたみたいで先生もOK出してくれたわ!」


先生.....桐ヶ谷に睨まれて怖かったんだろうな.....。

かわいそうに.....。


「まぁ、まず人数が足りないから正式には認めなれないけどそれは後でなんとかするわ!」


そう、この学校は部活を申請するときは最低でも6人以上しつようとする。愛好会でもあと1人はしつようだ。


「そんなんで大丈夫なのか?」


「大丈夫よきっと。そんなことより、まずはこの部活の名前を考えましょう!二人とも何か良い案はない?」


何を根拠にその自信は来ているんだ... 。

それに部活の名前などと、そんなことを息なり言われても何も思い付かない.....。

それにこれは学校に申請を出さなきゃいけないんだ。

デタラメとはいかない、先生たちが認められる部活でなくては意味がない。

俺が真剣に頭を抱えて考えていると急かすように桐ヶ谷は喋りだす。


「2人とも何もないの?もう、このさえベタだろうがパクリだろうが何でもいいから何かない?」


そう言うと隼斗は何か思い付いたように手を上げる。

それを桐ヶ谷は先生の真似するかのように「はい、小暮くん」と隼斗を指す。

小暮は座っていた椅子から立ち上がると一拍置いてから喋りだす。


「隣〇部なんてどうでしょう?」


諸、パクリだった...。


「なかなか良いわね!」


「『良いわね』じゃねぇよ!本当にパクリじゃねぇか!」


「別に良いじゃないバレなければ良いんだし、先生たちにはわからないわよ」


「そう言う問題じゃねぇだろ!」


「しょうがないわね...」


桐ヶ谷は顎に手をあて少し考えると、閃いたように言い出す。


「娯〇部ってどう!」


「それも駄目だ!」


「じゃあ......奉〇部とか! 」


「全部パクリじゃねぇかよ!てか、例え〇仕部になったとしても、それらしい活動なんて何1つしないだろうが!」


「青春よ砕け散れ!」


「だから止めろ!」


クソっ!またこいつらのペースに持ち込まれてる。

何か良い案はないか!何か!!

俺はパッと思い付いた名前を言ってみる。


「じ、G〇部ってどうだ...?」


『お前も(あんたも)パクリじゃねぇか(ない)!』


ですよねー

やはり駄目だった。

だが全くなにも思い付かない。

このままではきっと桐ヶ谷はまた五月蝿くなるだろう。

それだけは避けなくてはいけない

ここは何として良い案を思い浮かばなければ...

えーとえーと......


「そ、そうだ!友達と交友を深め友好な関係を築く部活、友好部ってどうだ!?」


俺の思い付きの発想に桐ヶ谷は少し考える。

やっぱり駄目だったか?


「安直だけど。悪くはないわね!それじゃ私たちの部活の名前は友好部で決定ね!小暮くんもそれでいい?」


「俺も異論はないよ」


えっ、本当にあんなんで良いのか?

まぁ、それで申請して駄目でも別に俺は構わないし良しとするか。

てか、こいつらも名前なんて何でも良かったのかもしれない。

そんな俺はやる気も無く1人考えていると、とある疑問点に気づいた。


「そう言えばこの部活の顧問はどうするんだ?」


「それなら大丈夫よ!顧問なら内田先生に頼んであるから!」


「お前また先生に無理矢理!」


「違うわよ。ちゃんとお願いしてOKを貰ったのよ」


「そ、そうか?なら良いんだが」


「えぇ、内田先生も何だかんだ言って最後は涙ながらOKしてくれたわ!」


「やっぱり無理矢理やらせたんじゃなぇか!」


「そんな些末なことどうでも良いじゃない。それより次は部員よ!」


「部員つったって、俺たちにそんな宛なんて..... 」


「その話しはまた今度で良いわ。今日はもう暗いし生徒は殆ど居ないだろうか、勧誘は意味ないだろうし、部員集めはまた明日にしましょう。じゃあ、また明日!」


「おい!ちょっと待て!マイペース過ぎるだろお前は!人の話を聞けよ!」


桐ヶ谷は自分の荷物を持ち嵐のように部屋から去っていった。

なんて自己中なんだ。

あいつは本気で部活を作っているのか?

まったく解らん。

俺も自分の荷物を持ち隼斗と一緒に部室を後にした。


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