第一話
俺はギルドの入り口の扉の前についた。
改めて見てみるととても大きい、流石に冒険者が集うところとなると他の所との規模が違う
俺はギルドの扉を開けた、中には掲示板のような物を見ていたり、テーブルで会議や食事をしている人たちなど様々である。
「冒険者登録は・・・カウンターかな」
誰に問いかけるでもなく呟いた。
カウンターには受付嬢がいる、おそらく登録手続きもしてくれるであろう。
「すまない、ここで冒険者登録はできるのか?」
「あ、登録ですね、ならここで可能です。」
やはりここで可能だったらしい、受付嬢が紙を出して持ってきてくれた
「ではここにお名前と年齢、手形をお願いします」
「手形は何をするんだ?」
「手形を押すことによってこちらであなたの力量を図らせていただきます、力量が高ければ最初からある程度上のジョブにつけるようになります、ジョブというのは明日説明させていただきます」
ジョブというのはおそらく職業のことだろうか、だとしたらこれは楽しみだ
さて、名前を書くわけだが、この世界で漢字は通じるのだろうか、心配なので名前をカタカナにして書いた、年齢は・・・偽る理由もないのでそのままにした
「シュウ様、21歳、手形も・・・了解しました正式なる登録は明日になるので今日の所はこの町で過ごしておいてください、お休みになるときは今日限りこのギルドの就寝部屋をご利用になることができます」
「そうかありがとう」
俺は受付嬢に礼を告げギルドを後にした。
「さて、どうするかな・・・」
よくよく考えてみれば久々の外出でこんな大事になってしまうとは思ってもいなかった。
いきなり死んで、異世界に転生して・・・ここはマンガかゲームか小説の中かっつうの・・・
「心の中で愚痴ってもしょうがないか・・・」
しかし今は何時くらいなのだろうか、そもそも時計があるのだろうか、時計のない生活はまっぴらごめんだ
「時間が分かればいいんだが・・・日の高さで大体何時か覚えないとな」
なんだかんだいって覚えることが多くなりそうだ
しかし本当に何もすることがない、ないったらない、これじゃ家にいるときと同じだ
でもやることがないんじゃ仕方ないよねうんうん仕方ない仕方ない・・・
・・・いや仕方なくないな、何か考えなければ・・・
と、ここで俺は一つの心配事が生まれてきた
「・・・俺仲間作れるかな・・・」
たしかあの女性は魔物がいる世界とか言っていた気がするさすがにそれらを一人で倒すのは心元ない気がする、しかし俺は現実でもヒトシくらいしか友達がいなかったのだ
「仲間できますように仲間できますように仲間できますように・・・」
と神に祈るように呟いた
「しゃーない今日は町でいろんな店を回って一日を過ごすか!」
と地図を片手に俺は高らかに叫んだ
地図を頼りに俺はまず武具店に足を運んだ、冒険者になったら何度も使うことになりそうなので最初に見ることにした
二本の剣が交差された模様が描いてある扉があり、中もそれなりに広そうだ
俺は扉を開けた、開けた瞬間客が来たことを知らせるベルが鳴った
周りを見てみると結構多くの人がここの店を利用しているらしい
すると奥から大柄な人物が現れた
「いらっしゃ・・・あら見ない顔だねお客さんこの店のご利用は初めてかい?」
「あ、ああ今日初めてきたからね」
「ようこそ!私達はあなたの来店を心から感謝するよ!」
すると、奥から同じような人が数人でてきた
「いや~本当にありがとうねボウヤこんな店だけど使ってくれるなんて」
「ところでボウヤ名前は?」
いろんな人から、現実で言うオカマバーだろうか、だが不思議と悪い気持ちはしない
「え、あ、シ、シュウです・・・」
思わず敬語になってしまった
「シュウちゃんね!わかった覚えとくわね、うちの店は客の名前と顔は絶対覚えるというモットーがあるからね、しっかりと記憶しとくよ、これから・・・せーの」
「「「「ご贔屓にー!」」」」
皆が声をそろえて一緒に言った、すると何人か客から拍手が起きた
「今回は決まったなー!」
「いよっママさん!」
等といろんな称賛の声があがっている、どうやらママさんと呼ばれているらしい
するととある客が
「ママさん?この武器の強化お願いできるかい?」
「あいよ、うちらに任せておきなさい!」
「あ、そうだシュウちゃんここ夜になったら一部を酒場として利用できるから色々打ち明けたいときは遠慮しないでいつでもきなよ!」
「ありがとうママさん!」
といいさっきの客から受け取った装備を持って奥に行った
ここで俺は近くにいた客に一つ質問をした。
「なぁ、ママさん達の腕は確かなのか?」
すると聞かれた方は驚いたような顔をしていた。
「なんだ、お前知らないのか?ここのママさんたちはこの世界でもトップクラスの腕を持っているんだぜ、とりあえずここに任せておけば安心だって言われているくらいだぜ」
そこまで腕の利く職人だとは思わなかった、しかもあそこまで親切にしてくれる、利用しないのがもったいないと思えるくらいだ。
しかし疲れた、妙に疲れた、今日はもうギルドに帰って寝よう・・・そういえばあの女性が言っていた補償とは一体何なのだろう・・・
ギルドに到着し、とある一室のベッドに体を投げた
「明日からがんばらないとな・・・仲間づくりを・・・」
自分でもそこからか、と突っ込みたくなったが本当のことだからしょうがない
「でも疲れた・・・もう寝よう・・・」
目を閉じた瞬間すぐに意識が薄れた、俺はどんだけ疲れてたんだろう、というかなんでこんなに疲れてるんだろう、やはり興奮しているんだろうか、そう思った瞬間意識が飛んだ。
後日、目が覚めた瞬間、すぐ俺は異変に気が付いた、赤い髪の女性がベッドに入っていたのである。
昨日の記憶をひたすらに探るがこんな女性と一緒に過ごした記憶はない、むしろ誰とも過ごしていない気がする。
「え・・・あっと・・・」
するとその女性が目が覚めたらしく体を起こした、その女性はあの時の女性と同じだった、女性は笑みを浮かべながら
「あ、おはようございます!」
「え・・・あ、お、おはよう・・・いやいやいやなんでここにいるんだよ!なんで人のベッドに入ってるんだよ!何普通に挨拶してるんだよ!」
「あ、すいません!これにはある深いわけが・・・えっと・・・」
まぁ深い理由があるのだろうが俺も一応男である、夜一緒のベッドでこんなにきれいな女性と過ごしたとなるとある意味恐ろしいことである。
「前補償するって言ってましたよね?その補償が私です!」
「・・・え?」
「私が冒険のパートナーになるんです、ご不満ですか?ご不満なら改めて補償を考えてきます!」
「パートナー・・・?」
頭の中が混乱してきた
「えっと・・・つまりあんたは俺の仲間になるってことか?」
「はい!そうです、これは私なりに一生懸命に考えたり、先輩の助言も受けたりした結果です!」
先輩・・・?あの時は気にならなかったがこの女性は何者なのだろう、しかし人間ではないのは確実だと思う
「いやその前にお前のことを教えてくれ、あんたについて俺はなんも知らないんだ」
「あれ、言ってませんでしたか、申し訳ございません!私はフレイという者です!一応私は女神なのですが・・・」
「はぁ・・・女神・・・女神?・・・女神ィ!?」
流石に神とは思えなかった、しかし神ではなかったら死後の世界では出会えていないだろう
「はい女神です!まぁ女神と言ってもまだまだ下っ端みたいな感じですけどね」
女神に下っ端とかあるもんなのか・・・
「所で・・・私がパートナーはやっぱりご不満でしょうか?やっぱり他の補償の方がいいですよね?」
いやいやいやそんな分けない、この美貌を持ってて女神ですよ?そいつをパートナーにしないやつがどこにいるんですか?それはもうお釣りで大豪邸が買えるってもんですよ
「いや、女神様、あなたがパートナーでいいです。」
「え、本当に私でいいんですか?私以上にいい保障なんてたくさんありますよ?あ、あとそんなに他人行儀じゃなくていいですよ、普通に名前で友達と話す感じでいいですよ」
「・・・いや、フレイ、あんたをパートナーにする、それを補償にする、決定だ、これからよろしく!」
「・・・はい!よろしくお願いします!あ、ちなみに冒険者登録はしておきました!」
「そうか、今日からがんばろうな」
「了解です!」
フレイは笑顔になり元気に答えた
とにかく最初のパートナーを冒険を始める前に仲間を作ることができて良かったと思う、俺たちは正式登録を確認するためにカウンターに行った。
一話二話ともに説明みたいな感じになってしもうた・・・コメディーじゃない・・・全くコメディーじゃない・・・