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EPISODE19/芽生えた想い

 今回はちょっとガス抜き的な感じでコメディタッチになります。

 あ、前回、これを紹介するのを忘れてました。

 イメージCV

 サーシャ・ライリー:斉藤千和

 前回のブリーフィングから1日した夕方。αシャドーの面々が来るまで―明日ごろには到着すると言っていた―作戦行動も起こせないので、皆それぞれ過ごしていた。装備のメンテナンスを行う者もいれば、しっかり休む者もいた。そんななか、作戦終了までチャリオットで保護されることが決まったサーシャは、特にする事も無いので格納庫にぶらぶら入ってきた。ちょうど仕事がひと段落したチャックが機体を見ることを許してくれた。

「ほへー、これがTBですか…」

「危ないから武器には触るなよ。」

「分かってます。それにしてもアレですねー…」

「ん?」

 サーシャの意味ありげな言葉に、チャックが首をかしげる。

「TBって全然兵器っぽくないですよね。特に色とか。」

「あー、確かにそうだな。特に…」

 二人の視線が、並んで立っているギルガメシュとメアリーに同時に注がれる。かたや小面積の黒+金ピカ、かたやゴスロリ風―ちなみに頭部のアンテナはツインテール風―である。革命の象徴という意味合いのギルガメシュはともかくとして、メアリーは完全に咲魔の趣味だ。

 この二機だけでなく、他の機体も白だの青だのとあまり隠密性が高くなさそうな色ではある。

「何でこんな目立つ色なんですか?」

「なんでも、エリミネーターに視覚的なステルスはほとんど意味がないからだとさ。迷彩をしたところで熱センサーとかレーダーとかその他諸々で発見されるから、それならいっそ納税者受けを狙おうぜみたいな感じだろ。」

「ははあ…」

 人類軍って変なところでいい加減なんだなーとか一瞬思ってしまう。

「あ、そう言えば。」

「今度は何だよ?」

「あの、私を助けてくれたあの…えっと…ほら、常時不機嫌そうな顔の…」

「ジストの事か?その辺の川で夕飯でも釣って来いってカレンに言われてたぜ。しかしなんであいつに?」

 それを聞かれて、サーシャはわずかに口ごもった。

「それは…私、まだ助けてもらったお礼言ってないので…それと…」


「ハッハーン、お前、さてはあのネクラ野郎に惚れたな?」

 図星だったらしい。サーシャの顔が一気に真っ赤に染まる。

「ハイィ!!??何で分かったんですか!?」

「んな反応見せられたら誰でも分かるっつの。そう言えばジストの野郎も…いや、いっか。ハッハッハッハッハ…」

 暫く朗らかに笑っていたチャックだったがしかし。

「もげろこの腐れリア充野郎が!」

「いえ、まだ付き合ってませんけど。あと私野郎じゃありません。」

 ものすごい剣幕で恨めしさMAXの叫びをあげたチャックに、サーシャが冷や汗をかきながら訂正を入れる。







 同じころ、近くの川で。

「よっ、釣れるか?」

 釣り糸を川の中に垂らすジストに、夜哉が声をかけた。

「…何の用だ?」

「いや、『もうすぐ晩ご飯だからあの釣り下手を呼び戻しなさい!』って咲魔に言われてさ。で、釣れるか?」

「…いや全く。嫌がらせの様に何もかからん。」

「だろーな。ったくお前のせいで今日の飯もレーションだっつーの…」

 横にスタンバイしてあるバケツには小エビ一匹入っていない。

「あー此処が日本だったらサワガニ山ほど捕まえてマヨと塩コショウで豪快に炒めて食えんのになー。どっかの誰かさんが釣り下手なばっかりになー…」

「サワガニはこのアメリカにはいない。」

 夜哉が持って回った嫌みを言う。

「…夜哉、少し聞いてくれるか?」

「ん?どうしたよ?」

 こう言う時にジストから話しかけるとは珍しい。表情もやけに真剣なので、夜哉も真面目に聞くことにした。

「…あのサーシャという子なんだが、少し気になる。」

「気になるって…怪しい所でも見たか?情報流してる、とでも?」

 夜哉の言葉に、ジストがかぶりを振った。

「…いや、軍事的な問題ではない。」

「?」

「…何というか…個人的にだな…駄目だ、俺の語学力ではうまく説明できん…」

 心なしか、ジストの頬が少し赤い様な気がする。それに、あの寡黙なジストが此処までどもっている。流石の夜哉でも、それには気付いた。

「…あの、まさかとは思うが…お前、あの子に気がある…とか?」

「…何?…確かに…言われてみれば…そうかもしれん…」

「え!?マジ?当たった?ぶっちゃけテキトーに言っただけだったんだけど。そうかあのムッツリネクラの童貞野郎が恋か。そういや226の女子がなんかサーシャについても行ってたような…いや、いっか。そーかハハハハハ……」

 からからと笑う夜哉だったが。

「このリア充野郎が!肥溜でおぼれてくたばれ!」

「いや、まだ交際していない。というよりお前にだけは言われたくない。」

 鬼のような表情で中指を突き立てた夜哉に、ジストが冷静な突っ込みを入れた。

 夜哉のサワガニ料理ですが、実際に1年半ほど前のボーイスカウトのキャンプで腹が減ったメンバーたち(僕含む)が川で勝手に取ったサワガニを使って勝手に作ったものです。普段の食事は大人のリーダーから食材の配給があります。

 結構おいしかったです。ポイントはカニが見えなくなるくらいマヨをぶっかける事です。食べてる時になんか遊○とかリ○チーの悲鳴が聞こえた気がしました。

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