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EPISODE9/歯車は回り始める

 2台のチャリオットは現在、森林の中を並走している。

 アンナから連絡を受けた501の面々はチャリオットのドライバーシートに集まっていた。ハンドルを握っているのはロベルトだ。

 何なのか気になったかレンが問いかけた。

「どうしたんだ。」

「見えました!」

 ロベルトの顔は晴れやかだ。並走する226のチャリオットをちらりと見てみると、向こうもドライバーシートに集合している。

「アレがフォートレス・ヴァルハラです!」

 前方を皆が見る。そこにあったのは、人類軍前線紹介基地の一つ、フォートレス・ヴァルハラの威容だった。




 フォートレス・ヴァルハラは、タワー状の中央棟の他、整備棟や居住区画などいくつかの建物が敷地内に集まって立っている作りとなっている。チャリオットが向かったのは中央棟だ。2両の車両を格納し、本人確認や身体検査などの手続きを済ませる。

 作戦直前のブリーフィングはおよそ一カ月後。それまでは待機という事だ。という訳で、とりあえず皆居住区画の食堂に向かっていた。


「あぁぁぁ…やっとまともなご飯が食べられる…」

「お前はずっとあの食生活でも構わないだろうアホ咲魔が。」

「んに゛ゃぁぁ!!??言ったわねバカレン!」

「なんだと、るのか?」

「こっちのセリフよ!後でシミュレータールームに来なさい!」

「何なら今からタイマン勝負でも構わんぞ!」

 またしても険悪コンビが喧嘩を始める。

「あぁもう、喧嘩しないでよ!」

 カイルが二人をたしなめようとする。

 ちなみにカレンが「あの食生活」と言っていたが、ヴァルハラに向かっている途中は、食費節約のために味テラ・ナッシングな栄養バーか、食感テラ・ナッシングなゼリーくらいしか食べていないのだ。たまにその辺の川で食べられる魚を釣ったりもしたが、やっぱりまともな-あくまで味とかその辺の話だが-食生活が懐かしい。



 んで食堂。久しぶりに普通の食事をとれた皆がえげつないほど恐悦している。そんななか、ジストだけが窓際に1人で陣取って黙々と食事をとっている。

 すると。


「なあ、相席いいか?」

 男の声が聞こえたので顔を上げる。目の前には、食事のトレーを持った青年が立っていた。背はジストよりも少しだけ高い。歳は、20前後と言ったところだろう。炎のような鮮やかな赤毛を腰のあたりまで伸ばし、グレーのバンダナを巻いている。

 食堂にいる兵士たちからどよめきの声。理由は簡単。目の前にいる青年こそが、『ファースト・スリー』と呼ばれる第一世代TBの一つ『ギルガメシュ』の2代目パイロットにして全パイロットの頂点に立つ3人の一人、ルーク・アブルホールだからだ。つまり、ジストはかの偉大なファースト・スリーの一人と合い席で飯を食うという栄誉にあずかるチャンスを得た訳なのだが。


「…構わない。」

 やっぱりこうだった。相も変わらずそっけない態度でルークに言うと、自分はトレーのニンジンをフォークで刺して口に放り込んだ。

「ハハハ、こういう奴久しぶりだなオイ。」

 ルークは苦笑しながらパンを掴み上げてかじる。

 そしてそれを見ていた面々は、呆れるやら羨ましいやらでそっちをしばらく複雑な表情で見ていた。




「…ごちそうさま。」

「咲魔、俺とレイナは先に戻ってるわ。」

 ハルヤとレイナがトレーを返却して席を立つ。

「え?あぁ、うん。道覚えてるよね!」

「バカにすんなよ!」

 苦笑しながらハルヤが食堂を出、レイナが後に続く。

「…やっぱあの二人って出来てんのか?」

 夜哉がテーブルに肘をついてぼそっと呟くと。

「私達もあの二人を見習うんだyホゴォッ!」

 穹が夜哉に飛びつこうとしてチャックのラリアットを喰らう。

「メシの邪魔すんな。」

 地べたでピヨっている穹には当然通じていない。メカニックのくせにとんだ男なチャックだった。


 しかし、こうして笑っている間にも、皆は来る作戦の緊張を常に絶やしてはいなかった。

 グッダグダな終わりですねハイ。

 グリパヘニル攻略作戦が始まったら思いっきりヘビーになる予定なので此処はちょっと明るめにしようかと。

 そしてルーク初登場です。最強の3人の1角ですが、その立ち位置がどうなるのかも楽しみにして下さい。

 あと2回もアッシュ語使ってすいませんでした。

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