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異界の魔獣使い16

16


バルゼク武器屋で武器を手に入れてから、ホクホクとセルファは採集に向かうため一番近い東門を使う。


行きかう馬車と、冒険者の集団をみながらセルファの中の人スズが、不思議そうにしている感じがした。

なんでも、馬車とか言った乗り物は、観光地にあるくらいで車と言うものが主流であり、

他にも色んな乗り物のイメージを伝えてくるのだが、不可思議な形すぎてセルファにはわからない。

鋼鉄製の蛇やら、変な形の鳥もどき。それらに人が乗り移動するらしい。

こっちで言う魔道船のようなものとのことだ。


スズが居た世界では、それらを使って当たり前に人が生活していたらしい。


驚くことに、種族は人族のみ魔獣はおらず、野生動物や家畜などこっちの世界と比べるとかなり平和な世界だと思った。

それでもスズが言うには、他の国と戦争をしていた時もあり、こっちと比べればとんでもない規模の兵器を使用していたとのことだ。

ただしスズにはその知識はないので、兵器の作り方などは分からないらしい。


さて採集の薬草は、町からそう離れていない森にも自生しているものだからか、1時間もかからずに依頼数分の採集はおえたのだが、中々帰れないでいたセルファだった。


森に入った途端スズが、あれを採集しろ、これもだとセルファからすれば雑草を集めろと言われまくった。

なんでも、山菜で下処理すればチキンと食べれるものとのことで、スズの世界とこっちでは、植生は似たようなものらしく、見た目が同じだけの違うものではないかと、伝えてみたのだが草のにおいも同じとのことだ。

こっちからすれば半信半疑だが、スズが言うには絶対に山菜とのことで何種類か採集をした。


「奥に来すぎたか…」


町の方向はわかっているので、迷うようなことはないが索敵を使い危険がないか確認をする。

自分がいる周辺は、問題はないが索敵になにかが引っかかる。


「数は5、追われているのは2…」


旅の者か、冒険者か分からないが何かに追われているふうである。


面倒に巻き込まれるのは御免なのだが、スズが助けろと騒いでいる。

人として、困っている人を助けるのが当たり前とのことだ。

スズは、なんとも平和すぎる世界からきたものだと思う。




◆◆◆◆



「…クッ……大丈夫かリファ!」


「ごめん…これ以上は無理…」


森の中を走るのは、男女二人の冒険者だった。

男が、女を抱えるように走っている。


逃げているのは、咬みつき蜂からであった。


「足手まといだから、置いて逃げて…リック」


リファと呼ばれた少女は、既に2回咬みつかれているのか、麻痺状態が酷い。


「ご主人様は、俺だ!自分の女捨てていく馬鹿じゃねぇぞ!」


簡単な薬草採集のはずだったのだ。咬みつき蜂ごときで、連れを置いてく気などこれっぽっちもない。


「よく言った少年」


ポカンとしている二人にセルファは、麻痺薬と回復薬のの小瓶を投げ渡す。


おかしな仮面を付けた男が、助けに入ってくれたらしい?


呆然としつつもリファに薬を飲ませる。


「ここで待ってろよな。援護してくる」


咬みつき蜂に向かっていった仮面の男?を追う。

応戦しているのが、索敵で分かったが、咬みつき蜂と思われる数が3に減っている。


「早い…」


咬みつき蜂は、大きさこそ30センチほどなのだが、動きが早く倒すとなると追い込むかしないと難しい。

低レベルの冒険者では、1匹だけならまだしも数匹となると、なかなか倒すのが難しいため見かけたら即逃げろが鉄則であった。

追いついたリックと呼ばれた少年は、腹に投擲用短剣を受け地面に落ちて這っている咬みつき蜂に気づく。


飛ぼうにもその背中の羽は切り落とされており、飛べないようだ。

シャーと、威嚇してくる咬みつき蜂の頭部に剣を刺し、致命傷を与えた。

見れば同じような状態の咬みつき蜂が2匹這いずっており、剣で次々と刺していく。


「おい!どこにいる」


援護と言うよりも、後始末させられているような感じである。


「こっちだ少年。悪いが投擲用短剣の回収を頼む」


言われたように短剣の回収後、声がした方に向かう。


「あんた…何してんだよ…」


「見ての通り。羽の回収だ」


「はぁ…」


咬みつき蜂の羽なんて、採集の材料にもならないゴミである。

そんなものどうするんだと思うリックだ。


「短剣返すぞ。俺はリックってんだ。採集していたら、これに襲われたリファと逃げていたとこだ」


「私は、スーズだ。少女の所に戻ってやったらどうだ?こっちは大丈夫だしな」


「とりあえず。礼は言っとく」


「ああ。運が良かったなリック。次からは、近場でも薬を用意しておくことだ」


言われて、やや赤くなる。

近場だから大丈夫だと過信したのが、リファがああなった原因であった。






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