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閑話1

いつも読んでくれる方、感想くださる方、ありがとうございます。

どうも話がなかなか進まないので閑話入れてみました。

閑話1



エブラード王国が所持している精霊憑きの武器は、刀剣類が8種、槍が3種、弓2種である。


これらは特異能力を持つ、聖王が創りし武器で、魔族との戦乱の時に創り出され、現在は

聖王と親交の深い貴族に下賜されている。


聖王が持ちし天叢雲剣あめのむらくものつるぎ)


妖刀正宗、雷切、村正、村雨、静御前、萌葱、藤紫


聖王が言うには、覚えやすいか言いやすいで決めたとのことらしいが、異世界風の名の由来は分からない。


単に名づけが面倒で、適当につけりゃいいでつけた名前なのだが、それは余り知られていなかったりする。


さて


傭兵王と呼ばれる五大公爵の一人、ルクサス公爵家に下賜された刀は静御前である。

名前の通り刀の精霊静御前は、女性型の精霊であった。


「聖王殿!……一大事でございます……宝具殿に静御前が戻ってきております!」

宝具殿を管理する文官の一人が、あたふたと駆け寄る。


「……ルクサスの所だったな。次代に受け継がれたはずだが…」

さてどうしたものかと、思案する。


「聖王殿…至急、救援をお願いします…大河ムーリルヴァに魔道船が墜落しました」


慌しいことに、次から次へと問題が発生する。


「静御前は後回しだ。先に魔道船の救助に向かう。手の空いてる連中は全員救助にあたり、他ギルドへも救助活動の応援を出せ」


聖王の一言により、魔道船の救助を誰もが優先したのだがそれでも犠牲者の数は多く、助かった者も少ないと言う結果にしかならなかった。




それが半日前の出来事である。


「ルクサス、静御前が黙して語らぬ」


魔道船救助活動を終え、城へと戻ってきたが皆憔悴が隠せない。

余りにも悲惨な現場であった。

水棲の妖獣、魔獣の尋常ではない数とただ無残に喰われていく者たち。

周囲に散らばる物言わぬ犠牲者。

聖王と呼ばれた自分の力でも、大河の水を堰き止めることは出来ない。

わずかに助かった者の救助支援しか出来なかったのが歯がゆいばかりであった。


「…聖王よ。孫が死んだと言うことでしょう。静が黙して語らぬ理由は、孫も魔道船に乗っていたからです」


「そうか…」


聖王が創った武器は、持ち主が死んだと認識すると宝具殿へ戻るよう生体認識の魔方陣がかけられていた。


「我が家に伝わる銀朱(ぎんしゃ紫紺しこん蘇芳(すおう)代赭(たいしゃ)までも、沈黙したままです。気が早い親戚連中が、是非に継がせて欲しいと名を挙げてますがね…」


「お前も大変だな。家を継ぐ道具としてあるわけではないのだが、そのことに気づかない。精霊の気が済むままにさせておけ。選ぶのは私たちではなく、精霊なのだからな」


「わかりました。大きくなりすぎた家欲しさの連中には、それが見えていないようですし」


『……我は…我が主を…守れ…かった…』


囁く声は、聖王が持つ静御前からだ。


「静、気にするなとは言えん。だが、この先次代へと受け継がれるごとに同じ様なことが起こるかもしれん。人と精霊では生きる時間が違う。人は先に逝くことを覚えておけ」


「聖王よ。次の次代が決まるまで、静を所持願えますかな」


次代が決まらない今の状態で、静御前を所持するものが次代だと思われて、盗難にあう可能性もある。


「無論そのつもりだ。文句がある者がおれば、私の名をだせ」


「では、しばしの間よろしくお願いします。次代が決まりましたらまたその時に…」


そして(あるじ)を亡くした刀は、しばしの間聖王の下にて留まるのである。













てな話が王都の方であったわけです。

おいおいサイドストーリー的に閑話にて考えている話を載せていく予定です。

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