表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/43

29 居場所

 まもなく両隣のふたりも目覚めた。

 ふふふ、なんかかわいいふたり。


 こころちゃんとメルちゃん……、もうメルティトだね、ふたりから地球の日本での詳しいことを聞いた。


 ふたりとも私と同じ都市に住んでいて、小学1年生だったそう。

 吉田芽瑠ちゃん、渡辺こころちゃん。


 こころちゃんはご両親が離婚し、どうやらお父さんに引き取られたよう。

 ようっていうのは、お父さんの両親、つまり祖父母と住んでいたと言うので……。


 でも、お父さんが再婚し、そっちの家庭に赤ちゃんが生まれたのをきっかけに、こころちゃんは邪険にされるようになったようだ。

 きちんと世話をしてもらえなくなると、服とか持ち物とかね……。

 それを学校でからかわれたりするようになり、意地悪というか、いじめになりかけてたらしい。


 そんなこころちゃんに寄り添っていたのがメルちゃんだったそう。


「なんだか、こころちゃんが自分の小さな時みたいに見えて……。

 私も居場所がなかったから」


 メルティトは魔族の中でも魔王を多く出している有名な一族の生まれなのだそう。

 強くなることは約束されていたが、それはうまく生き残ればということ。

 生まれつきの強さのため魔力過多の症状があり、魔力の暴発や心身の危機など辛い幼少期だったそう。

 そのため、両親や兄弟から遠ざけられる結果になり……。


 サラザール王国に近い方がこの国では辺境になるのよね。

 この辺境の祖父母に預けられたのだそう。


 祖父は強く、魔王に次ぐ地位にまで上り詰めたことのある人で、厳しい方だったそうだが、御自分も幼少期に魔力過多に悩まされていたので、幼いメルティトに配慮やできる処置を受けられるようにしてくれたのだそう。


 幼少期をなんとか乗り切り、成長するに従い、膨大な魔力を使いこなせるようになり大魔法使いと言われる存在に。

 家族から認められ、魔族の中でも認められ、魔王国の王に選ばれた。


 幼少期の思い出に、サラザール王国へ祖父と一緒に旅をしたことがあるそう。

 ウルティカの街までだったそうだけど。


 その時、まだ幼い王女だったカージュに出会って……。

 まだ聖女と呼ばれる前のカージュだったけれど、聖魔法が使えたので、メルティトに治療魔法をかけてくれたのだそう。

 その時に、カージュに一目惚れ。


 魔王国の王となり、国を統べることになった時、隣国のカージュ王女に結婚を申し込んだが……。


 断られ、あきらめきれず、脅すような態度を取ってしまった。


 魔王国の民衆もサラザール王国との関係で、下に見られているのではという不満が出ていた所で、メルティト王の強硬路線が指示され、お互いに国として引くに引けない状況となってしまったのだそう。

読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ