19 荷物番
祝 20000字!!
「君はどの仕事にするの?」
そのうちのひとり、金髪のお兄さんの方に声をかけられた。
先輩冒険者にこんな風に声をかけられるのは前にもあった。
からかってくる人もいれば、アドバイスをくれる人もいるし、ギルド内なのでそれ以上のことはしてこない感じだったので、いつも返事をちゃんとしていた。
「この花の採集にしようと思います」
「それなら、森の辺りだな。同じ場所にこれも見つけられるよ」
キノコの採集を指差さされた。
「ありがとうございます。では、このふたつにしてみます」
「なら、そこの森だよな……。
俺達は同じ場所で狩りをするんだ。
よかったら焚火と荷物の番をしてくれないか?
昼食をご馳走するし、その近くで採集すればいい」
私は思わずさっき忠告してくれたおじさんを見た。
おじさんは笑って「このふたりなら大丈夫だよ。それにお嬢さんのことも守ってくれるだろう」と言った。
私はその提案を受けることにした。
「私はセナ。どうぞよろしく」
「俺はジャックだ。こっちはノア」
金髪の方が言って黒髪を見る。
宿もひとつしかないから同じ所で、2人は常連らしくいつものふたり部屋、私は小さな個室をお願いした。
値段、ふたり部屋と個室、一緒だよ。
いいな、ふたりなら半額ってことじゃん。
それから、門へ移動しながら食材を買う。
森へ行き「ここにしよう」とジャックが言って、焚火の用意、荷物を置くシートなどふたりがさっさと仕度する。
私も薪を拾うくらいはしたよ。
ノアが言った。
「昼近くになったら、焚火に火を点けて……。スープぐらいなら作れるか?」
「作れます。この根菜を切って入れればいい?」
「ああ、ナイフや鍋はここ。ここにある食材適当に使っていいから」
「わかりました!」
「じゃあ、昼に!」
ふたりが狩りに出るのを見送った。
周辺で花を探し始める。
すぐ見つかり50本集まった。
一度に20本ぐらい群生しているところを見つけたのだ。運がいい。
キノコはもう少し森に入らないといけなさそうなので、今はやめてスープを作ることにした。
薪に魔法で着火してみた。
うまくいった。
火魔法と風魔法はけっこうできるようになったんだよね。
水魔法は手を洗ったりするくらいは出せるけど、それ以上はだめだった。
和也は火も風も水も土も……、できてたな。
ふと思い出してしまって、頭を振った。
にんじんとじゃがいも……、ベーコンみたいな塊もあった。
野菜は水魔法で水を出して洗って、ナイフで一口大に切った。
ベーコンも三分の一ほど刻んで鍋に入れ、バターでベーコンと野菜を炒めてから、瓶の水を入れて煮込んだ。
味を見た。ベーコンのおかげでいい味になってる。
読んで頂き、どうもありがとうございます。
これで20000字投稿できたので、ここからは毎日1~2話投稿でゆっくり進む予定です。
1000字だと書くの楽ですね!
ストックがたくさんできるから、すごく余裕がある~!
これからもお付き合いいただけたらうれしいです。




