18 忠告
そんな感じでギルドのある街で1泊して仕事して、すぐ次の街に移動していると、全然お金が貯まらない……。
どんどん国の中心、つまり王城のある街から離れていくにしたがって、街の数が少なくなるし、街と街の間隔がどんどん広くなり、途中に村があって、数日かかるとか、馬車が出てないとか……。
でも、仕事ができるギルドがあるのは街なので……。
なんとか辺境の街ウルティカに到着した。
ここから魔王国までは歩いて3日ぐらいらしい。
途中に村がひとつあるそう。
この街で少しお金を稼いで、歩いていくための食料とか装備とかをもう少し買わないと進めない。
ウルティカのギルドは思ってたより小さくて、なんと宿泊設備がなかった!
街の宿を紹介される。いつものギルドの施設よりちょっと高い……。
まず仕事を見つけてから宿へ行こう。
掲示板を見ていたら女の人に声をかけられた。
「仕事を探しているの?」
話をするとこの街のお店の店長をしているそう。
住み込みで働く女性を探しているという。
住み込みかぁ。宿代は浮くけれど……。
仕事について聞いてみるが「店員の仕事」「客の相手」としか言われない。
で、どんなお店なのかと聞くと「誰でもできる簡単な仕事」と言葉を濁された。
これは……あやしい。
断って話をやめて、掲示板の方を向いた。
女の人は不機嫌な感じを隠さず、しばらく私を睨みつけていたようだけど、無視していたらギルドから出て行った。
すると近くにいたおじさんが「断って正解だよ」と私に言ってきた。
さっきの女の人はこの街唯一の酒場の女主人なんだそう。
酒の相手をする女の子が少ないので、この街に女性が来たと話を聞くと片っ端から声かけに来るのだそう。
辺境の街まで来る人は訳ありでお金に困っている人も多く、けっこう人がついて行ってしまうのだそう。
「酒場なら、お酒を給仕するくらい?」
首を振られる。
「やめといたほうがいい」
「忠告ありがとうございます。気をつけます」
お礼を言って、また掲示板を見た。
うーん、いつものこの収集かな。
慣れてきて、見つけるの上手くなってきてるんだよね。
なので歩いて移動している時、見つけると採集するようにしている。
乾燥しててもOKなんだって。
でも、この花の収集、いつも必ずあるな。何の薬になるんだろう?
その時、ギルドに冒険者風の男性2人組が入ってきた。
私の後ろで掲示板を見だした。
読んで頂き、どうもありがとうございます。
1話を1000字前後にしたのである程度まとめて投稿しないとわかりにくいかなとこの週末は連続投稿してます。
月曜日からは毎日1~2話投稿でゆっくり進む予定です。
これからもお付き合いいただけたらうれしいです。
どうぞよろしくお願いします。




