16 登録
夜、隣街に着いた。
御者のおじさんが心配してくれて、ギルドの前まで付き添ってくれた。
叔母さんとそこで待ち合わせしたと言ったからね。
ごめん、おじさん。でも、ありがとう。とても助かった。
私はおじさんにお礼を言って別れると、ギルドに入った。
まだ受付している時間で駆け込みセーフ!
受付のお姉さんは嫌な顔せずに登録のことを教えてくれた。
登録料が少し高かったけれど、年間費込みなのだそう。
装備をいくつかあきらめれば払える金額だったので続行。
名前は通称でいいとのこと。
ちょっと考えて、セナとした。
ナナでもいいかと思ったけど、ナナセで調べられたらヒットしそうだし。
血で登録するそう。
こうすると年齢と持っている魔力の診断も同時にできるとか。
一瞬、うっ? と思ったけど使うわけじゃないから、大丈夫か?
すんなり登録できた。
カードを貰うと16歳で魔法、聖魔法、魔族魔法と3つの魔法が使える可能性があると表示されていた。
受付のお姉さんに聞くと複数の魔法を持っていることは珍しいことじゃないそう。
これは潜在的な能力なので、ここに表示されても使えるとは限らないそう。
「聖魔法が使えるの?」
逆に質問されて「魔法なら少し使えるんだけど、他のは使ったことないから」と答えた。
「今夜はギルドに泊めてもらえますか?」
「ええ、部屋が空いてるから大丈夫よ」
「じゃあ、一番安い部屋でいいのでお願いします。
それと食事ってどうすれば?」
一番安い部屋は相部屋になるのでお勧めしないと言われ、小さな個室にしてもらった。
食事はついていない。隣の食堂が夜遅くまでやってるそう。
「私もこれから夕食なの、いっしょにどう?」
お姉さんが言ってくれ、私はありがたく御一緒することにした。
部屋を確認してから、ギルドの入り口でお姉さんと待ち合わせした。
お姉さんの名前はマリア。
歳は20歳だそう。
ギルドの寮に住み込みで住んでいるそうで、明日の朝のご飯のことも聞くとここで朝から食べられるという。
うーん、それくらいならお金は大丈夫かな?
装備とかは買えないかもだけど、明日になれば仕事もできるだろうし。
マリアさんにいろいろギルドのこと、街のことを教えてもらった。
ここは王城から外れている街なので落ち着いているそう。
外れているというのは、主要な街道沿いではないということ。
つまり、魔王国の方に近いんだよね。
だから、ここからどんどん魔王国の方へ行けばどんどん辺境扱いになっていくということだ。
読んで頂き、どうもありがとうございます。
1話を1000字前後にしたのである程度まとめて投稿しないとわかりにくいかなとこの週末は連続投稿してます。
月曜日からは毎日1~2話投稿でゆっくり進む予定です。
これからもお付き合いいただけたらうれしいです。




