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15 決行

 私は少しずつ、この国の城の中以外のことを知ろうと調べ始めた。

 和也は魔法騎士団や教会などから仕事を頼まれることが増え、少しずつ私と一緒に行動することが少なくはなってきたが、夜はだいたい一緒で……。


 イルバニアと呼んでいたけれど、それはこの世界のいわゆる世界の名前で、この国はその中のひとつであることがわかった。

 地球=イルバニアで、日本=サラザール王国みたいな感じだ。

 けっこう大きな国で、ちょうど魔族領と接している。

 ナーセルの記憶よりも大きな国になっている。

 色々なことを見たり聞いたりすると、どんどんいろんなことを思い出す。


 魔族はイルバニア人とは違う常識があり、魔族の中でも力の強い者が王となるという感じだった。

 メルティトが魔王となった時に、隣国のサラザール王国のカージュ姫を嫁に望んだ。


 まあ、ちゃんと申し込んだのに断られ、それで魔王が怒ったわけで……。

 いやいやそんなんで怒って隣国に宣戦布告とかありえないし。


 イルバニア全体にギルドという国を越えた連携団体施設がある。

 そこに冒険者として属して旅して暮らしている者も多いとか。

 でも魔王国にはギルドもない。


 ナーセルも最初はギルド冒険者からスタートし、ドラゴン退治などで名を上げて、勇者と呼ばれて王国に召し抱えられたわけだしな。


 なーるほど。


 私はマイネに街を見てみたいと言ってギルドに連れていってもらった。

 昔より、女性の冒険者もいるし、簡単な仕事の依頼も多いし、何とかなりそう。

 物価や貨幣の価値も確認した。地図も手に入れ、ここから魔王国への行き方もだいたいわかった。


 マイネと街を見物に行くと持たせてもらったお金はけっこうな額で、これだけあれば、服や装備も平均的なものが揃えられることもわかった。


 うむ、いつ決行するかだな。

 

 その日の夕方、和也がモーティマ王やマーティス達とこれからのことを話し合うために夕食は一緒に食べられないと謝られた。


 最初は手紙でも残そうかと思ったんだけど、あまりヒントを与えるとすぐ見つかりそうだし……。

 聖魔法は使わないように気をつけなくちゃな。


 今日は疲れたので部屋で夕食を早めに食べたいとお願いして、届けてもらった。

 持ち歩けそうなパンや果物はハンカチでくるんでカバンに入れ、他のものはありがたく頂いて、部屋の外に食器を出した。


 騎士服を脱いで、普段着に着替えた。

 それから、剣帯だけ騎士服から外して剣とともに身に付け、カバンに身の回りで使うものだけ詰める。

 主に着替えと洗面具と、手に入れた地図とノートと携帯できるペンを入れた。

 貰ってたお金もそのまま持ってる。


 私は城の使用人が使う階段と通路を使って、庭まで誰にも見られず出るのに成功した。


 そのまま、庭の茂みの裏を走り、夕食前の準備で忙しそうな厨房裏の食料などの搬入門に行くと、隙を見て荷馬車に乗り込み、そのまま街に到着前に飛び降りた。


 あら、思ったより簡単に成功しちゃった。


 そのまま、ギルドにと思ったが、すぐ登録しない方がいいかもと思い直し、そのまま、次の街へ行くという馬車に飛び乗った。


「女の子がひとりでどうした?」

 馬車の御者さんには心配されたけど「父のおつかいで隣街の叔母さんのところに!」と言うと「大変だね」と言われただけで変に思われなかったよう。


 王城のある大きな街の隣町だから、3時間ほどで着くという。

 確かギルドには泊まれる施設があったはず。

読んで頂き、どうもありがとうございます。

1話を1000字前後にしたのである程度まとめて投稿しないとわかりにくいかなとこの週末は連続投稿してます。

月曜日からは毎日1~2話投稿でゆっくり進む予定です。

これからもお付き合いいただけたらうれしいです。

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