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12 図書室

七瀬はまじめに勉強しますよ。

どうぞよろしくお願いします。

 そーなんだよな。

 前世の記憶が少しでもあるおかげで、イルバニアに転移してきてもそれほどまごつかずに生活することができている。


 勇者ナーセルは魔力が全くなかったからか、魔法に関しては本当に見るだけって感じで。

 黄色が魔族の魔力。

 青白いのが聖魔法の魔力。

 それ以外の色が普通の魔力。

 それぐらいしかわかんない。

 見ていたのがカージュやマーティスなので、どれぐらいが普通で、どれぐらいがすごいのかもよくわからん。


 シンシアに『もっと基礎的なことを学んで下さい! 聖魔法について無知すぎです!』と注意された。


 それはごもっとも。

 剣術と魔法と……。

 少し実技的な練習ばかりだったかもしれない。


 私はモルフォに頼んで、教会の図書室に連れて行ってもらい、聖魔法の参考書というかそういうものを選んでもらった。和也も一緒に来た。


「ナーセルが聖魔法を勉強する日が来るなんてね」

 モルフォが面白そうに言う。


「見ての通り、私はナーセルではないです」

 私は苦笑いした。


「シンシアが、悪いね。

 彼女は聖魔法に誇りを持っていて……」

「いえいえ、私が無知すぎたんです。

 まず使えるようにならないと! と実技ばかり気にして、確かに知識が……。

 時間がある時にそれを指摘してもらえて良かったです」


「君は本当にナーセルか?

 カージュも……、カズヤと言ったっけ……。

 確かに、別人だと考えた方が良さそうだな。

 ……読んでみてわからないことはカズヤやシンシアに聞いて見てごらん。

 シンシアは、少し厳しいところがあるかもしれないが、意地悪な子ではない。

 わかってやってくれ」

「はい、困らせちゃうくらい質問しちゃうかもです」

 私は笑った。


 モルフォは私の笑顔を見て言った。

「笑い方は……、ナーセルを思い出させるな……。

 そうやって、最後も笑って、カージュと一緒に魔王に突っ込んでいったっけ……。

 本当なら、聖魔法の力が強い私の方が……」


「いや、俺が行きたかったんだ。

 カージュと。

 カージュは私の我儘と言ったけど、あれは……俺の我儘でもあった。

 みんなには後始末をさせることになり、申し訳ないと……、まあそこまでは考えていなかったが」


 思わず出た私の言葉にモルフォが目を丸くして、笑った。

「そうか、そこまでは考えてなかったか! ナーセルらしいよ……」

 少し涙ぐんだようにも見えた。



 私は和也と一緒の部屋に戻り、聖魔法の本を読んで、わからないことは和也に質問した。

 なんとなくわかってきた。


 聖魔法は治癒、結界、防御が普通の使い方。

 上級者になると、攻撃や付与、そして魔法陣と組み合わせることによって転移ができるようになる。


 カージュはすごい聖女だったから、攻撃も付与も普通にできていた。

 転移はさすがにマーティスが作った魔法陣を使うということをしていたようだが。


 私の聖魔法の魔力量はまあ平均的なレベルにまではなっているそう。

 つまり、ある程度の治癒、結界、防御なら、もうできるかもしれない。


「なら、私も治療ができるということか。

 そういえば、和也は剣をやらないの?」

読んで頂き、どうもありがとうございます。

1話を1000字にしたのである程度まとめて投稿しないとわかりにくいかなとこの週末は連続投稿してます。

月曜日からは毎日1~2話投稿でゆっくり進む予定です。

これからもお付き合いいただけたらうれしいです。

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