始祖
皆さんは周りと違って悩んだことなどはありませんか?特に中学時代、周りと違って話が合わなかったりして「こいつら幼稚だな」と思ったりして「こんなこと考えてる自分って捻くれてるのかな」「おかしいのかな」と自己嫌悪したり。
そして、ズバリこの本はそんな人間関係の悩みをお持ちの皆さんの常識を覆すような内容となっております。
さらにこの話には裏ストーリーが存在します。この話の登場人物は、何かしら人間関係や、家族関係の悩みがあります。そしてまだまだ、未熟で、メンタル雑魚雑魚の中学生が絶望の状況に置かれ、未熟なりに絶望に希望で立ち向かう、そんな熱く、美しく、儚いストーリーがこの話の裏ストーリー、本質なんです。
後々、各々の好きなものに対する思い、持論、哲学のような話が出てきます。その彼らの思想にも注目です。
私も過去に人間関係や、辛い出来事に涙し、死のうなんて思ってたこともありました。今だって悩みは絶えません。でもそんな私だからこそ、この話を書く意味があるんと思うんです。私なんて常日頃からわけわかんないこと、最低なこと考えています。でもそんな私にしかかけないと思うんです。こんな私だからこそこのストーリーは味が出ると思うんです。
それでは、物語をお楽しみください!
俺の......はぁ......曲が......がはっ! パソコンにある......! 君にしかできない......君だけしか......!
私の............小説が.........!パソコンにあるの............!!だから.........!!まひろちゃんに......ゴホッ!! ごほっ!!! 受け継いで欲しい............!!!
◆ ◇ ◇
── ──クリスマス。12月25日。家族で楽しくクリスマスパーティーをやってる中、一人で頭の中で訳のわからない独り言を喋っている少し変わった四十代前後のおじさん。
「俺は岡崎聡太ただのアラフォーだ。ただの...というと、少し語弊があるが...。まぁでも『俺は他のやつとは違うからー』みたいな自意識過剰な下等生物どもと同じに思われても面倒だ。なのでここはただのアラフォーと言っておこう」
その人は肩ぐらいまでの長いかみにブルーライトカット40%入りで、不透明度が低いターコイズブルーの丸メガネをかけていた。そして、その深く研ぎ澄まされた檳榔子黒の眼を寒さで曇った窓に見やり、特別美しくない曇り空を眺める。
「あなたー」
「ああ」
パーティーの最中にも関わらずこの夫妻はいつも決まった時間にパーティーを抜け出す。この行動にいつも一人っ子の娘は問いかけていた。が、必ず返ってくる答えは
「 みんなの秘密だから 」
◇ ◆ ◇
── ──時は2024年。クリスマスイブの日。岡崎が中学二年生である。
いつものように四人で彼ら彼女らは岡崎の家に集まり、岡崎の部屋に集まって話し合っていた。そして
「yoyo! 我愛しの子猫ちゃんたち! すげえこと思いついちゃったんだけどさあ! クリスマスday......に
みんなで夜の学校に行かね?」
元気な少年が口を開き、そう提案した。そして彼の名は岡部奏太。岡崎とほぼ一緒なのだ。
無論、その提案は他の三人、岡崎聡太、春山茉優、金森紅仁香には届かず却下された。その内の二人、岡崎と金森は「はいはい、またいつものくだらない妄想ね」と言わんばかりにその提案に対して批評をしていく。一方、茉優は心優しい謙虚な少女なので相手がなるべく傷つかないよう、オブラートに優しく梱包された言葉を投げる。それでも岡部は諦めず悲願した。だが、またしてもその提案は却下。そこで岡部はこの提案を是認したら全員奢ってやると言った。少し他三人の顔色が変わった。が、それでも無理だと言う。ならばこれならどうだと言わんばかりに、今度はみんなの好きなものをなんでも一つやる、と言い放った。そしてさらに三人の顔色は変化し、渋い顔へと変貌を遂げた。が、内二人(省略)はすぐさまそれは嘘だと訝しむ。そしてその直後
「ルック!! アッ!! ディィィィィィィィィスゥーーー......どうだ!! 貴様らの欲しているものなどI am ミッ...…! にはバレッ⤴︎バレッ⤴︎フウううう!!! なのさああああ!!! はあっ!!」
「何を言っ......はっ!!」
岡部はしっかり三人分彼女彼らが欲しているものを手にしていた。
中二にして人の心を鷲掴みにするような天才的な美的センスで芸術、イラストを描く岡崎。彼が今一番欲しているもの......それはちょうど壊れてしまったアップルペンシルだ。岡部は岡崎の欲しているものを見事ああててしまうのだ。
さすがの岡崎でも欲にはやはり勝てず、少しは是認しようか迷った。そして他二人の欲していた物も見事当ててしまったのだ。
「な、何!? あ、アイ、マスク......だと......!しかも使い回し可能な......!」
「ふぇえええ!! うそ!! 少し前超かわいと思ったけどお小遣いなくて買えなかったピアノのハンカチ!!」
小説家にとって執筆するという作業は意外にも目が疲労する。そこで欲しくなってくるのがアイマスクだ。そして岡部サンタはまた見事当ててしまったのだ。
春山は中二にしてその見事なピアノ演奏技術にプラスし、どこまで行っても美しく、儚く、深淵の如く闇に包まれた音色に、でもどこか優しく包まれた温かい音色に聞いている人は考えるのをやめていたという。だがそんな彼女にも可愛い一面がある。それは大の可愛い物愛好家ということだ。そこでちょうど買えなくて落ち込んでた、彼女曰く超可愛いピアノのハンカチを彼に当てられてしまったのだ。
ただ、岡部は一つ条件を提示した。それは、夜の学校に行かないと今手にしているものは渡さない、という条件だった。内二人は渋々是認し、いくことを決意。春山はすでにウキウキで明日が来るのを待っている様子だった。
「才能スクワッド」と学校中から呼ばれるこの天才たちはとてもチョロい。また、どこか抜けている。
── ──そう、天才はどこか抜けているとはまさにこのことだ。
◇ ◇ ◆
翌日
2024年 12月25日 21:13:16
── ──本来なら九時集合のはずだ。にも関わらず一人だけ来ていない人物がいる。それは......岡部だ。彼が全ての予定を詰めたはずなのだが、張本人が来ていないのである。この事態に岡崎は特別怒るわけでもないが、捻くれた独り言を繰り広げていた。
「なぜ時間内に来れない。至極簡単なことだろう。そんなこともできないとは......。はぁ、なぜこうもこの世の中にはこんなアホしかいないのだろうか。この世はどうかしてる。全員顔がジャガイモに見える。はっ。考えれば簡単なのになぜできない? アラームとか活用すればいいだろう。全く、そのダチョウ以下の脳みそでも考えられるわ。小学校......いや幼稚園から履修してこいよ」
一方、金森の脳みそは空っぽで、ただただあくびをしてくるのを待っていた。春山は夜の学校に怯えつつ、昨日の岡部サンタのプレゼントをとても楽しみに待ち侘びている、複雑な心境にいた。
そうこうしている間に、入場門のあたりに人影が確認された。岡部はおーい! と元気な声を発しながらこちらに走ってくる。そしてついに到着した。
一番最初に13分16秒遅刻だ、と指摘した。それに対し10分くらいいいじゃん、と許しを媚びた。またまたそれに対し十分ではなく13分16秒だ、と反論した。この光景を見た金森はまたやってるよ、と白い目で彼らを見つめ、春山はまるで親が子を遠くから見守るような温かい眼差しを彼らに向けていた。
── ──そしていよいよ突入する、ブラックサンタの骸部屋こと学校へ。
◇ ◆ ◇
突入してすぐに
── ──ガチャン。
全ての窓や、学校からの出口が閉ざされるような音がした。
無論、昇降口の玄関も閉ざされていた。壁のようなものが彼らの逃げ道を塞ぎ、恐怖と不安の感情を煽る。
すぐさま彼らは今起こってる事態に気づき、会話を交わす。
「......? 何事だ。何......? 昇降口が......」
「うええええ!! なんすかあ!? 早速イベント発生すかぁ!?」
「へえ......ノンフィクションの小説を書くのは初めだ。これから何が始まるんだろう」
「え? え? 何これどういうこと......? ......あ、そうだ......。私、私悪い子だから......悪い子だから......! ブラックサンタきちゃったんだ! 夜遅くまで起きてるから!!」
三人はそのあまりのピュアさに唖然としていた。そんなのいるわけないじゃんと三人はいうが、彼女には届かなかった。
── ──そう、春山はいわゆる......天然、というやつなのだ。
予想外の出来事に胸を弾ませる岡部、ブツブツと現状について分析または脱出方法など対処法を考える岡崎、同じくブツブツこれからの展開を予想し期待、想像をふらませ、どうこの現状を小説にするかを考える金森、ただただ恐怖している頭の中お花畑とピアノしかない春山。
そんな個性の豊かさが爆発してる四人は、岡崎の提案でとりあえず学校内に脱出できるところがないかを模索することになった。
◆ ◇ ◇
3階
薄気味悪い午後9時の学校内に二人の足音が静寂そのものと言っていいこの夜に犯された学校に響く。
春山は怯えながら、やっぱり帰ろうよ、と苦言を呈した。金森は冷静に、見たところ脱出経路は全て塞がれてるみたいだし無理だよ、と正論をかました。
── ──その時、東方向から足音と人影が視認された。
二人は一階下にいる岡崎かと予想した。だが岡崎はそんなことはしないし、何かあったときは2階の学習室に集合だと本人がそう言っていた。なのでおかしいなと思いつつ岡崎に遠くから金森が呼びかけた。
「おーい、なんでここにいるんだー。2階に......しゅう......ごう......」
「誰....だ......」
── ──彼らは手分けして学校中を模索することになっていた。金森と春山は二人で行動することになっており(察してください)、3階と4階を調査、2階には岡崎、一階には岡部という配置になっている。
また、二十分おきに2階の一番西の学習室わかばに集まり、異常事態や何か進展などがあったかを報告することになっている。
さらに、異常事態がすぐに対処または逃走という処置を取らなければいけない事態になった場合は非常ベルを鳴らし、みんなで学習室わかばに集合をする。そのような時は集まっていた方が生存率は上がる............そして死ぬ時はみんな一緒だ、という岡崎の提案だ。
そんなこと起こるわけないじゃん、みんなから嘲笑われていたが彼は本気で言っていた。これは後に明かされる過去に関係する話だ。
──────────
そして............
── ──ヤツに会うのは早かった。
「hello:D ブrrrrrrrrrrrラックサンタあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ちゅわあああんん!!!! だよお!!!
はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははああああああああ!!!」
第一話、ご覧いただきありがとうございました!
どうでしたでしょうか。まだこの時点だと、あまり各々の考えのようなものはないですが、次の話から一気に物語が展開していって、そういう場面も増えていくようにしていきます。
実を言うと、この話は夜寝ようと思っていた時にパッ!と急に思いついて書くぞおおお!!ってなって夜遅くまで描いてた話なんですよ(笑)なのでこの後の展開とかはまだ決めてなくてどうするか悩んでいるんですよね(笑)
まぁとにかく、この後の展開もお楽しみに!