r: 世界で
いつからか、勉強が嫌だった。
別に成績は悪く無かった。寧ろ定期試験の結果では、大して勉強もしてないのに160人中10位以内など、自分でも訳が分からない数字を出していた。
でも、数字で人を見られるのが嫌だった。
中身を評価して欲しかったのかもしれない。
或いは、中身を知りたかっただけかもしれない。
ただ、時間を消費するだけの生活が嫌だった。
そんな時に知ったのが、インターネットだった。
自分の数字を知らない人に囲まれて生きる。
自分自身を出して生きる。
探していた居場所が見つかったような気分だった。
自分でモノを作ってみたくなった。
見よう見まねで試してみた。
まだ若すぎる自分には、挫折の道でしかなかった。
かけるのは迷惑ばかり、どうしても上手く出来なかった。
最早全部どうでも良くなっていた。
現実でも、楽園でも、自分がいても何にもならないと信じてやまなかった。
自分の存在を知りたくなかった。
そんな時に現れたのが、音楽と、文章だった。
いつからかも分からない。
経緯なんて憶えている訳がない。
気づいたら、そこにあった。
必死で書いた。
破き捨てた。
必死で書いた。
破き捨てた。
必死で、必死で、必死で、必死で、
萎えて、萎えて、萎えて、萎えて
ようやく出来たのがこれだった。
これなら、誰にも迷惑かけないかも知れない。
これなら、自分自身を見つけられるかも知れない。
これなら、自分自身を認めてもらえるかも知れない。
現実と違うのは分かってる。
これで正しいのかもわからない。
それでこの先生きていけるかなんて、知ったこっちゃない。
今が楽しければいいんだ。
考えることはその時になったら考えればいい。
自分をゆっくり好きになることが最優先だよ。