26.寝顔天使、起きたらリアルに悪魔
――どうにか部屋から出たい。
あれこれ考えなければならないことがある。
自分自身のこと。シトリーのこと。それから、自分とシトリーのこと。
それらを考えるためにも、まずこの部屋を出るべきだ。
「カイム、トイレに行きたい」
「そこの扉だ」
カイムの親指の先に本棚がある。その陰に扉があって、扉の先がトイレだと言う。
「カイム、お風呂に入りたい」
「3点ユニットバスになっている。トイレ、洗面台、浴槽、すべてそこの扉の奥だ」
カイムは再び同じ場所を親指で指し示した。
この部屋は出入り口の扉から見て正面は、おそらく南面だと思われるのに窓はなく、ただ石壁がある。
部屋の左奥にベッド。左側の壁に沿うように衣装ダンスがあり、化粧台がある。
ベッドの向かい――右側の壁の前にソファが置かれ、その横に本棚があって、ユニットバスに入る扉がある。
部屋の中央には丸テーブルがあり、食べ終えて空になった食器をカイムがトレイに片付けていた。
(むむむ……)
生活のほとんどがこの部屋で完結できてしまう。足りないものと言えば、キッチンくらいなものだ。
(部屋をどうしても出ないとならなくなるような理由が思いつかない。あとはもう、出たいから出してとお願いするしか方法がないような……)
お風呂に入りたいと言った手前、本当にお風呂に入ろうと、ユニットバスに向かう。
入ってすぐに左手に洗面台があり、奥にトイレがある。右手にはガラスの壁で仕切られた浴室があって、そちらに移動する前にじゃらじゃらした装飾品を外して洗面台に置いた。
(ああ、あと洗濯機がない。この部屋に足りないものを見付けたけど、『洗濯したいから部屋を出して』なんて、シトリーの台詞じゃないな)
はたして魔界に洗濯機があるのか否かは別として、洗濯機を回すシトリーが想像できない。
浴槽に湯を溜めている間に服を脱いでしまおうと、ベルトを外す。
チュニックを脱ごうとしたところで、自分の足元が視界に入って、はたと手を止めた。
「カイム!」
ユニットバスの扉を開いてカイムの姿を捜す。食器を片付け終えた彼はソファで寛いでいた。
(うわっ。ソファはマズイ! ベッドの正面じゃん!)
ベッドの下にはシャックスが隠れている。シーツで隠されているとは言え、シーツを捲って覗き込まれたら見付かってしまう!
カイムが読んでいた本から視線を上げて、こちらに振り向いた。
「どうした?」
「サンダルがめんどくさい」
「ああ」
短く答えてソファから腰を上げると、カイムがこちらに歩いて来た。目の前で膝を折ると、サンダルの革紐をひとつひとつ解いてくれる。
カイムの手で足を持ち上げられて、片方ずつサンダルを脱がされると、彼が立ち上がったタイミングで口を開いた。
「最近ずっとラウムが髪を洗ってくれるんだけど――。代わりに、カイムが洗ってくれる?」
「俺が?」
翡翠色の瞳が見開かれる。不意を突かれたという表情だ。
浴室がさほど広くないので、正直ひとりで入りたいが、ソファに座られると、シャックスが見付かりそうで落ち着かない。
シャックスのためにもカイムの目を自分に引き付けておいた方が良いだろう。
「だめ? 洗ってくれないの?」
「洗ってやる」
チュニックも下履きも、ぽいぽい脱いで放ると、ガラス戸を開けて浴室に入る。
先程お湯を出すついでに流し込んだ入浴剤が浴槽の中でもこもこと泡を立てて、泡風呂になっていた。
お湯はまだへその下の高さまでしか溜まっていなかったけれど、もう服を脱いでしまったのだから待っていられない。浴槽の縁を跨いで中に入った。
ガラス戸に背を向けて浴槽の床に胡坐をかくと、追って入ってきたカイムが背後に立つ気配を感じた。
カイムはゆっくりと膝を折ってしゃがんだ。シャワーの湯が出てくる音が聞こえ、そっとお湯を頭にかけられる。
カイムが洗いやすいように浴槽の壁に背をつけ、軽く首を逸らして頭だけを浴槽の外に出した。
「ねえ。カイムは私が女だと知って驚かなかった? それとも、事前に知っていたの? いろいろと調べていたんでしょ?」
戦場から連れ去り、鎧も衣服も脱がせて、胸を締め付けていたサラシを外したのは、カイムだ。全部見たと彼は言っていた。
カイムはシャンプーを手の中で泡立ててから、その両手でブロンドの髪に触れてきた。指の腹で頭皮をマッサージするように両手を動かす。
「俺はあなたがどちらでも構わないと思っていた。だから、まったく驚かなかったわけではないが、……ああ、そうなのか、と思っただけだ」
「男でも女でもどちらでも構わない?」
――まるでべリスみたいなことを言う。
「男でも女でも、あなたが美しいことに変わりはない」
「じゃあ、私が偽者だったとしたら?」
恋い焦がれる美しさがニセモノならば、彼はその偽者をどうするだろうか。手放す? それとも、まったく同じに美しければ、ラウムのように偽者でも構わないと言うのだろうか。
こちらとしては、すんなりと手放して欲しいものだが、おそらくそうはいくまい。
カイムの表情を窺おうと、顎を上げて彼の顔を仰ぎ見ると、翡翠色の瞳と目が合う。カイムは手の動きを止めて、すぐに目を逸らした。
「あなたが偽者? あり得ない。俺があなたを見誤るはずがない」
――シャックスとまったく同じことを言う。
なぜそんなにも悪魔たちが自分の目に自信があるのか、謎にさえ思う。なので、もう少し食い下がってみた。
「だけど、ものすごーいそっくりさんかもしれない」
「髪の色が違っていても、瞳の色が違っていても、俺はあの戦場からあなたを見付けることができた」
「あー」
ものすごい説得力のある言葉が返ってきて、小さく唸ってから口を閉ざす。返す言葉が見付からない。
「流す。目を閉じろ」
言われるままに瞼を下ろすと、シャワーでお湯をかけられる。丁寧に泡を流されて、シャワーの音が止まったのを感じてから瞼を開いた。
「ホントよくあの戦場で見つけたよね。近くに軍旗はなかったし、めちゃくちゃ入り乱れてたし、あと、かなり天使軍の奥の方まで攻め込んでた気がする」
「そうだな。総大将がなぜこんな奥まで攻め込んでいるんだと呆れた」
「あははは」
軽く水気を払った髪にトリートメントを塗り込められる。
時間を置くと言って、カイムが後頭部を軽く押した。頭の位置を戻すと、カイムが頭の後ろから話しかけてきた。
「輝いて見えるんだ、あなただけが。どんなに遠くにいても、輝きがそこにあることが分かる。感じるんだ」
「何それ?」
「さあ」
自分でも分からないと言って、カイムは苦笑を漏らす。
そして、すぅっと瞳を細めて、笑みを消した。
「あんたのせいで堕天したからかな」
「え?」
ぼそりと言われた言葉を聞き誤ったように感じて、カイムを振り返る。
「今のどういう意味?」
「……」
カイムは無言でシャワーを持ち直した。シャワーの音が浴室に響いたので、慌てて前を向く。
シャワーのお湯で髪をすすがれて、おそらくこれ以上は何を聞いても彼は口を開かないだろうと察した。
その後、カイムはご丁寧にコンディショナーも塗り込んでくれて、それをさっと流すと、立ち上がった。
シャワーをシャワーフックに戻し、浴室を出て行こうとしたので、慌ててその背に向かって声を掛けた。
「バスタオル取って。んで、そこで広げて待っててくれる?」
「あ?」
怪訝そうな短い返事だ。さすがに断られるかと思ったが、カイムは洗面台の上の棚からバスタオルを出すと、ガラス戸の前で広げて立っていてくれた。
浴槽から出て、手早くシャワーを浴びて体の泡を流すと、そのバスタオルの中に包まれる。
「拭かせるつもりか?」
「まさか。自分でやるよ。着替えは?」
「待ってろ」
カイムがユニットバスから出て行ったので、自分もバスタオルを体に巻いて後を追うと、彼は真っ直ぐに衣装ダンスに向かった。
そこから寝衣を取り出す。それは、白い薄手の生地のロングワンピースに見えた。
胸元よりも下が裾に向かって広がっており、着てみると体に沿ってテントラインが綺麗に出る。――たぶん、女性用だ。
「もう休め」
「うん」
おやすみと言うと、ああ、と応えてカイムは部屋を出て行った。
その姿が少しだけ気落ちして見えたのは、気のせいだろうか。
きっと彼は、けして言うつもりなどなかった言葉を口にしてしまったのだ。
(あれは、いったい、どういう意味だったんだろう?)
カイムが堕天した元天使だったという話はラウムから聞いている。
天使たちが魔界に攻めて来た時に天使軍の兵士のひとりとしてカイムも魔界に降り立ったのだ。
だが、不運にも捕虜となり、白い翼を失ったのだとか。
天使の時の階級は一番下位だったようで、そこから魔界で総裁の地位にまで上り詰めるのは並大抵のことではないという。それ相当の苦労と実力と運が必要だと聞いた。
(シトリーのせいで堕天した? 5秒以上見つめ合っちゃったのかなぁ)
もし本当にシトリーのせいで彼が堕天したのだとしたら――、そして、もしカイムが天界を恋しがっているとしたら、彼はシトリーを恨んでいるのではないだろうか。
(あんな世話を焼きまくって、シトリーそっくりな私で着せ替え人形を楽しんでいるのに、腹の底では恨んでいるとかいうんだったら、どうしよう! めちゃくちゃ怖すぎるんだけどっ)
ますます、早く逃げなきゃという気持ちに駆られる。
怖い、怖い、と体を震わせながらベッドに歩き寄った。
「シャックス」
ベッドに向かって呼び掛けてみるが、返事がない。
床に膝を着いてシーツを捲り、ベッドの下を覗き込んだ。
「シャックス?」
床からベッドまでの高さが、自分が想像していたよりも低く、確かにこれなら子供の姿の方が隠れやすいのも分かる。
ベッドの下に横たわる子供の姿を見付けたが、やはり返事がなく、ぴくりとも動かなかった。
(えっ、シャックスどうしたの?)
両腕を伸ばして小さな体をむんずと掴むと、ベッドの下から引きずり出した。
シャックスは瞼をぴったりと閉じて、すうすうと規則的な呼吸を繰り返し、胸元を上下させていた。
(寝てるー!)
ガックリと脱力する。
――なんて自由な! なんて図太い神経!
こちらはシャックスがカイムに見付からないかと不安で不安で、身を削る思いで浴室にカイムを入れたのに!
どうせ一度全部見られているんだから、二度見られようと同じさ、と思い切って裸を晒した自分の献身とはいったいなんだったのか。
(私は露出狂じゃないから、ちゃんと羞恥心があるんだぞ! 分かってるのか、シャックス!)
お前のために体を張ったのにと恨めしく思う。
だけど、きっと目覚めたら彼は言うだろう。そんなこと頼んでない、と。
(ちくしょう!)
せめてもの仕返しと、ぷにぷに頬っぺたを人差し指で押す。
ぷにぷに。
(ちくしょう! 可愛いな! もうっ!!)
5歳児の体を両腕で抱き上げると、よいしょと力を出してベッドの上に乗せる。小さな子供の体とは言え、腰にくる重さだ。
這うように自分もベッドの上に乗ると、力尽きたようにシャックスの隣に寝転んだ。
(あー、疲れた)
5歳児を抱き上げたからではなく、これは精神的な疲労だ。いろんなことが起こりすぎた。
そして、ここはちっとも安らげない快適な檻だ。美味しいご飯を与えられ、身体を綺麗にして貰える。
その代わり、本当の自由はなく、まるで動物園の檻のように思えた。
くるっと首を回して隣で眠るシャックスの顔を見やった。まったく目覚める気配がなく、こんこんと眠っている。
(寝顔、めっちゃ天使!)
悪魔だけどね! と自分ですぐにツッコミを入れる。
シャックスの左手をそっと右手で握って、自分も瞼を閉ざした。
たぶん、ずっと幼い頃、こうして二人で手を繋いで同じベッドで眠ったような気がした。
▼△
シトリーと呼び声が何度も何度も聞こえて、ゆっくりと覚醒する。
右手が空を掴んだ。怪訝に思って隣をみると、シャックスがいない。
(どこ!?)
返事はすぐにあった。心の声だ。
〈下だ。カイムがいる〉
「えっ」
がばりと顔を上げると、カイムがソファに腰掛け、本を読んでいた。
(早い。もう来てるなんて!)
視線に気付いてカイムが本から顔を上げる。
「起きたか。朝食を持ってきた。顔を洗ってこい」
「――っていうか、なんでそんなに偉そうなんだ!」
「俺はあなたの臣下ではないからだ」
「そうだとしてもだよ」
オセなら臣下でなくとも、もっと丁寧な口調で話しかけてくれる。顔を洗ってこい、だなんて言われたことはない!
ぷんぷんしながらベッドを降りて顔を洗いに行く。
カイムがソファから立ち上がる気配を感じて急いで戻ってくると、彼はテーブルに朝食を並べていた。
粉砂糖がまぶされたクロワッサン。その中にはマーマレードたっぷり入っている。
ラムレーズンたっぷりマフィン。クリームと苺が乗っている。
(わぉ、3時のおやつ!)
他にも、ジャムたっぷりのビスケットやスライスして焼いたリンゴを乗せて蜂蜜をかけたパンが並ぶ。どれも甘そうだ。
珈琲の香りがして、カイムに差し出されたコーヒーカップを受け取ると、ふわふわに泡立ったミルクがカップから溢れそうになった。慌ててひとくちすする。
(カプチーノっぽい)
甘いパンと交互にすすると、口の中のバランスがちょうど良くなる。これなら甘いばかりの朝食も食べられそうだ。
クロワッサンにかぶりついていると、カイムが向かい合うように椅子に座った。
「昨日から気になっていたんだが、ちっとも魔力が回復してないな」
「元から魔力なんてないからね」
「なんて?」
「だから――」
ごくんと喉を鳴らして口の中のものを飲み込むと、同じ言葉を繰り返した。
カイムはそれを冗談だと受け取った様子で、テーブルに肘を乗せて頬杖をつく。
「魔力がない悪魔なんていないぞ」
「そうだろうね。でも、私、悪魔じゃないから」
――これは賭けである。
カイムは自身の目の前にいるのは、シトリーだと信じて疑っていない。
たとえ、目の前のシトリーが、自分はシトリーではないのだと言い張っても、カイムは己自身の感覚を信じる可能性が高い。
なぜなら、彼曰く、彼の目にはシトリーは輝いて見えるらしいからだ。
だから、ここで自分が自分を人間だと言い出しても、カイムは信じない可能性が高い。
カイムが信じなければ、いきなりカイムが襲い掛かって来て殺されるなんて事態にはならないだろう。
そして、万が一、カイムに殺されそうになったとしても、ベッドの下にはシャックスがいる。
(二度寝してたらアウトだけど)
シャックスがちゃんと起きていることを祈りながら、ここはひとつ、カイムに揺さぶりをかけてみたい。
クロワッサンの最後のひとくちを口の中に押し込むと、指についた砂糖をぺろりと舐めてからカイムに視線を向けた。
「カイムは私が偽者だなんてあり得ないって言うけど、私としては、自分は人間のつもりなんだ」
「ほう?」
「ちょっと聞いてくれる? 私、日本っていう国で暮らしてたんだ。なのに、いきなりラウムに召喚されて魔界に来ちゃったんだよ」
カイムは、なるほど、と軽い口調で相づちを打って、空になった皿をトレイに片付け始めた。
「珈琲のお代わりは?」
「いらない。それでね、シトリーの振りをすることになったんだけど……」
「突然、魔界に連れてこられたわりに元気だな」
長々と話を続けようとしたのを察してカイムが口を挟む。
「どういう意味?」
「順応性がありすぎるだろう。いいか? 普通の人間は突然魔界に連れてこられたら、気が狂うものだぞ」
「え、そうなの?」
「最初の1日は帰りたいと言って泣き続け、翌日には叫び出す。それから、帰れないと理解すると絶望して表情を失う。しだいに鬱状態となり、とても正気だとは思えない言動を始め、自ら死んで終わりだ。つまり、普通の人間は魔界の料理をぱくぱく食べない。そんな余裕などないさ」
「私、めちゃくちゃ食べる。だって、美味しいし」
何が駄目なのか、さっぱり分からないと、両手を広げた。美味しそうな料理が目の前に出されたら食べるのが正解だろう。
「あと、そうだな。魔界に連れてこられた人間は『ママ! ママ!』と泣き叫ぶのが定番だ。――家族に会いたいか?」
「会いたいと思う……けど?」
「おい、会いたいという顔をしてないぞ」
「だって。……えっと、待ってね。家族って、パパとかママとかだよね? 兄貴がいたのは覚えているんだけど」
カイムが眉を寄せた。
「覚えているという言い方が既におかしいだろう」
「だって、顔が思い出せないんだよ。――あっ、でも、兄貴のことはよく覚えているんだ。兄貴は引きこもりで、珍しく部屋から出てきたなぁと思ったら、乙女ゲームをつくったって言ってきて、そのゲームで遊ぶことになったんだ。ええっと、友達と!」
そうだ。自分には仲良しの友人がいた。
その子の顔を思い出そうとして、うーんと唸りながら両手で頭を抱える。
(たしか、髪を二つに分けて結んでいた。それで、ええーと……)
どうしたことか記憶が曖昧だ。顔を思い出そうとすると、その顔を墨で塗りつぶされたかのように思い出せない。
父親も、母親も、いったいどんな顔をしていただろうか。優しかった? 厳しかった? どんな両親だったのか思い出そうとするが、まったく何も浮かばなかった。
黙り込んでしまった自分を横目に、カイムは食器をトレイにまとめてしまう。綺麗に片付けられたテーブルの上に視線を落としていると、カイムが部屋の中を移動する足音が聞こえて、はっと顔を上げた。
「着替えるぞ。今日はどれを着て貰おうか」
カイムは楽しそうに衣装タンスを開く。その様子を見つめて、おそらくカイムは、自分が何を言っても冗談だと聞き流すだろうと思った。
――それでいい。
こちらとしては本当のことを話しているつもりなわけで、それをまったく信じて貰えないのは悔しいのだが、信じないのなら信じなくてもいい。
ほんの僅かでもシトリーの様子がおかしいと感じてくれれば、賭けは勝ったようなものだ。
様子のおかしいシトリーを、このままひとつの部屋に監禁し続けることに限界を感じてくれたら、外を散歩しようと言い出すかもしれない。
一時でも部屋の外に出ることができたのなら、こちらのものだ。
この快適な檻から逃げ出す作戦は、もう既に開始されていた。
【メモ】
1日目…べリスと晩餐でコース料理。デザートはイル・フロッタント。
2日目…朝食:ロールパンやオレンジジュースなど。昼食:カスクート。夕食:カナッペ。
3日目…朝食&昼食:クロワッサンなど。夕食:自室で食事。ブドウジュース。デザートはパリ・ブレスト。
4日目…朝食:おそらくパン。昼食:おそらくカスクート。夕食:陣中食として乾パンとスープ
5日目…朝食・昼食(ネムスの街の外にて)・夕食:乾パンとスープ
6日目…朝食:乾パンとスープ。昼食:戦闘によって食べ損ねる。夕食:乾パンとスープ
7日目…朝食:乾パンとスープ。昼食:戦闘によって食べ損ねる。夕食:気絶中。
8日目、9日目、10日目、11日目、12日目:気絶中。
13日目…昼食:リオレ。夕食:アクアパッツァなど。
14日目…朝食:甘いパンとカプチーノ。