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「1月、新年」6.本日も、秋桜はんによる記録です


「キリンお兄さま! コマのお花が咲きましたわ!」

「うん。見入っちゃうねぇ。妹キリン」


 珠水村しゅすいむらから行く結界内の、ある建物の中。

 板のような敷物が一時的に敷かれた広間の壁際、少し高めの台の上。


 木彫りのキリンのご兄妹が、前方を見つめながら、横に並んで楽しそうにお話ししています。

 私、秋桜こすもすはんも同じ台の上、妹キリンさんの隣にいます。


 本日のお正月遊びの会は、室内でおこなうものがメインとなる予定です。

 許可を得て、私が記録しています。


 なお、お正月遊びの会という名前で開催してはいますが、ラインナップは、お正月遊びの分類に入るかどうかよりも、キリンのご兄妹の、見てみたいというご希望を優先して決めています。


 今おこなわれているのは、スパイラルはんと文茶ぶんちゃコンビによる、コマ回し。


 大きめサイズのコマが中央で回っていて、そのコマをぐるりと囲むような配置で、複数の中サイズや小サイズのコマも、それぞれ回っています。


 大きめサイズのコマ担当は、スパイラルはん。

 中サイズのコマたち担当は、茶運び人形のちゃさん。

 小サイズのコマたち担当は、文字書き人形のぶんさんです。


 三人は、妹キリンさん命名コマのお花から少し離れた位置で、次の作品に取りかかります。


「お兄さま! お兄さま! コマの組体操ですわ!」

「すごいねぇ。コマの上でコマって回せるんだねぇ」


 スパイラルはんが新たに回したのは、先ほどよりも大きなコマ。

 そのコマの上に、茶さんが回した、小さな二つのコマ。

 そしてその、二つの小さなコマの上で二つずつ回るのは、文さんが回した、かなり小さなコマたち。


 コマのお花とコマの組体操の動きが止まってから、拍手の音が響きます。

 私もハンカチの角二つを使って拍手。

 キリンのご兄妹は声で拍手。

 スパイラルはんと文茶コンビが、お辞儀をしました。


 きょうさんが、コマを全部拾い入れたカゴを手に広間の外へ。


 しずくさんと優月ゆづきさんが、低い長めの台をいくつか、広間の床に並べていきます。

 私たちから見ると、横長になる配置です。


 杏さんが、だるま落としを入れたカゴを持ち、広間に戻ってきました。

 低い横長の台たちの上に、だるま落としを置き始めます。


 だるま落としは、直径5から6センチ、高さ20から30センチといった感じの物を使う予定で準備していたと思います。

 わりとよく使われるサイズとのこと。


 最終的に残る一番上以外の、抜かれる予定のブロック部分は五段積みです。段ごとに色が違い、カラフルです。


 一番上の物には、だるまの顔などが描かれていることが多いと思うのですが、今回使うだるま落としの一番上の物には、顔は描かれていなくて、色は白。


 杏さんと雫さんと優月さんによって、低い横長の台たちの上に、横並びで三体、だるま落としが置かれました。

 三体は互いに触れ合うくらいの近さです。


 三体のだるま落としが置かれた台たちの前に、金太郎人形の、金太郎きんたろうさんが来ました。

 私たちとは、だるま落としと台たちをはさんで、向かい合う形です。


 金太郎さんは右手に、だるま落とし用の小槌を持っています。


 お辞儀をし、体を起こした金太郎さん。

 小槌を水平に持ち、金太郎さんから見て一番右側にあるだるま落としの、一番下のブロックに狙いを定めたようです。


「えいー、やあー」


 金太郎さんは小槌で、一番下のブロックを、すばやく激しく、カコーン!


「すごいですわ! 三体分の一番下の段が一度に全部抜けましたわ!」


「まさかりだけじゃなく、小槌使いもうまいんだねぇ。力強さも素晴らしいなぁ」


 抜かれたブロック三つは、優月さんがいったんカゴの中へ。


 その後も、えいー、やあー、と金太郎さんが小槌でブロックを打ち、一気に抜かれたブロック三つを優月さんがカゴへ、という工程を重ね。


 低い横長の台たちの上には、一番上の部分だけが三つ残りました。


 お辞儀をする金太郎さんに、大きな音と声での拍手が送られます。


 金太郎さんが低い横長の台たちの前を離れました。

 優月さんが低い横長の台たちの上に、今度は一体だけ、だるま落としをセットします。


 低い横長の台たちの中間地点にではなく、私たちから見て左寄りに一体、です。

 小槌も、だるま落としのそばに置きます。


 優月さんが横によけ、代わってだるま落としの前に来たのは、熊の人形の、くまさん。

 だるま落としが置かれた台をはさんで、私たちのほうに顔を向けている形です。


 熊さんが、お辞儀をして顔を上げてから、右前足で小槌を持ちました。


「参りますー」

 言った熊さんが、小槌を横に振る構えになり。


「ほいー、ほいー、ほいー、ほいー、ほいー」

 と、小槌を動かした結果、残ったのは、一番上の部分。

 そして、少し離れたところに積み上がったブロック、五段。


「そしてーえーい」

 熊さんが、一番上の部分を小槌ですくうように打ち、ブロック五段の上へ。


「驚きですわ! 下から順にブロックたちを斜め上に打ち抜いて、結果、隣に五段積み重なりましたわ! 一番上だった物も、見事一番上に着地して! だるま落とし、再構築! ですわ!」


「最高だねぇ。斜めに打ち抜けて、しかもくずさないなんて、すごいなぁ。……斜め上に向かうブロックたちが、なんだか魚に見える気もしたよ」


 妹キリンさんが、起きた出来事をほぼ口にしてくださいました。


 兄キリンさんの言葉に、川で魚をとる熊の姿が思い浮かびました。

 実際に目にしたことはなく、映像等で見たことがあるだけですが。



 熊さんに大きな拍手が送られ、次に登場したのは、高砂人形の高砂たかさごコンビです。


 まず、それぞれ玉乗りをしながら、けん玉を。続いて、それぞれ玉乗りをしながら、お手玉を。


「素敵ですわ! それに、落ち着きと美しさ……憧れますわ!」


「素敵だねぇ。そして、穏やかな中に……確かにある芯。憧れるねぇ」


 キリンのご兄妹が高砂コンビに、熱い口調で熱い気持ちを向けていらっしゃいます。


 高砂コンビにも、大きな拍手が送られました。



 続いておこなわれたのは、さんネコの、サーさん、トキさん、ヴァンさんによる輪投げです。


 広間にランダムに置かれた、台座付きの、カラフルな六本のポール。

 床に置かれた、色鮮やかな輪たち。


 三ネコさんは、前足やしっぽを巧みに用いて、輪を扱い、綺麗に放り。

 一人二回、三人で六本の輪をスムーズに各ポールへ。

 大きな拍手が送られます。


 ……おや? 床にまだ一本、黄色の輪が残っていますね。


 トキさんが七本めの輪を起こし、サーさんのほうに丁寧に転がします。

 サーさんが前足で優しく輪を空中へ。

 ヴァンさんが、しっぽでしっかり輪をキャッチし、ポールに投げず、輪をキープ。


「まあ! アイワナゲット――、ということかしら!」


「そして、輪、七、ゲット、だねぇ」


 キリンのご兄妹の会話も、広間を彩ります。




お読みくださり、ありがとうございます。


次の投稿は、2/14(土)夕方~2/15(日)朝あたりを予定しています【2026年2/8(日)現在】

(状況によっては、それよりあとの、(土)夕方~(日)朝あたりになるかもしれません)


今後もどうぞよろしくお願いいたします。


――――

【2026年2/8(日)時点のあとがきです】


〈括弧の使い分けについて〉

1月2からの、チーズはん、秋桜はん、それぞれの視点での回たちのように、回によっては、モノ発声か人間発声かで括弧の種類(『』と「」)を使い分けていないのですが、使い分けるほうにそろえようかなと考えてもいます。

もしかしたらいずれ改稿するかもしれませんが、今のところは、この状態でお送りします。



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