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「1月、新年」3.こちら、チーズはんです! まだまだお届けします!


 さくらさんにお礼を言って、廊下を姿勢よく歩いていく桜さんを見送ります。


 まだあと何人か、お伺いしたいところですね。結界内に行ってみましょう!



 というわけで、はい! やって来ました、結界内。

 珠水村しゅすいむらから入れるうちの一つです。


 モノの方関係でよく使う建物のうちの一つに行ってみたいと思います。


 結界内に行くことも、その建物に行くことも、先ほどちゃんと手続きして許可を得ています。


 では、飛行状態のまま、レッツゴー!



 見えてきました!

 大きな和風住宅といった見た目の、地上部分は現時点では二階建ての建物です。


 縁側とか、広い和室いくつかとか、応接間っぽい洋室とか、キッチンとか、ちょっと個室っぽい和室や洋室、などなどがあります。


 モノの方や持ち主の方たちが集まって、交流したり時間をすごしたりするときに、使うことが多いように思います。



 縁側からも入れますが、今日は玄関から参りましょう!


 おおっと。玄関に近づこうとしたら、ドアが開きました。中から開けたんですね。どなたか出てくるのかな。


 あっ、いちとせさんが出てきました。

 服装は、ブルーグレーのセーターに、ベージュ系のボトムスです。


 そういえば、梅幸うめゆきさんの服装について、まだ触れていませんでした。

 暖かそうな素材のブラウン系のスーツを着ていらっしゃいました。


 いちとせさんの視線が、私のほうに向きました。

 お辞儀しましょう。こんにちは。


 いちとせさんが笑みを浮かべて、お辞儀を返してくださいました。

 本日も、大変素晴らしく綺麗な……。



「チーズはんさん」


 はっ! いちとせさんの声が耳に届きました。


 お会いしてすぐは特に、いちとせさんの所作に、意識が持っていかれてしまうのですよね。


 いちとせさんのほうで、それを解除するようななにかを試みてくださることも多く、今は、私に声をかけてくださるというのが、それだった気がします。


 ではあらためて、もう少しいちとせさんのほうに行ってから、声に出して挨拶を。


「いちとせさん、こんにちは!」


「こんにちは。あけましておめでとうございます」


 あっ、そうでした! 新しい年になってからは、初めてお会いしたのでした。


「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!」


「こちらこそ、よろしくお願いします」


 新年の挨拶をお互いにして、このまま、ではまた、ではなく――。

 いちとせさんも、モノ対応担当もしているメンバーです。お話をお伺いできれば嬉しいですね。いざ!


「いちとせさん、今、お話しするお時間ありますか?」


「今のところ大丈夫ですよ。なんだか、いざ取材、といった感じの雰囲気ですね。私でお力になれますか?」


「はい。きっと! クリスマスや年末年始のあたりをどういった感じでおすごしになったか、モノ対応担当もしているメンバーの方にお伺いしたいのです。いちとせさんのお話も、お願いできましたら嬉しいです!」


「わかりました。希望してくださり、ありがとうございます。仕事のほうは、この時期もいろいろとありましたが、今年は一月二日は仕事が入らなかったので、駅伝の間は、ほぼずっと画面の前にいました。リアルタイムでとはいかなかった日も、熱い気持ちを向けさせていただきました」


「おおー! よかったです!」


「ありがとうございます」


 いちとせさんの、駅伝を見るのが大好き、はテイクの中でよく知られています。


 いちとせさんはご自身も、長時間、よく走り、よく泳ぎます。

 そしておそらくそれ以上に、すずめの姿で、よく飛んでいると思います。こちらは、ほとんどがお仕事でだとは思いますが。


「それと今年は、初日の出に向かって飛んでいくといった感じの体験をしました。指示があって向かう際、タイミングや位置などがちょうど合いまして」


「わぁ!」


 飛ぶいちとせさんについて考えていたら、いちとせさんから関連のお話が。

 しかも、とても大きなスケールのお話。


 私も飛行状態で進みはしますが、いちとせさんのほうが、もっともっと高い位置で飛び続けることができます。


 その高さで、初日の出に向かっての飛行。

 きっと素敵な体験だったのではないかなって思います!


「そのときの景色や感覚を、今でも覚えています」

 穏やかな口調で嬉しそうにお話しになる、いちとせさん。


「あっ、ですが、私のように問題のない存在もいますが、太陽を直接見るのは、非常に危険なことです。この話をするのなら、このこともしっかり申し上げておかなくては」


「わかりました。私もきちんと注意もセットでお伝えします!」



 お話を聞かせてくださったいちとせさんにお礼を言って、私は建物内へ。


 あっ、ちょうどこうさんが階段を降りてきました。

 アッシュグリーンのセーターに、黒系のボトムスといった服装です。


「おっ、チーズはん」


「行さん、こんにちは! 少しお話聞きたいんだけど、今、時間大丈夫?」


「こんにちは。大丈夫だぞ。話?」


「そう! クリスマスや年末年始のあたりをどんな感じですごしたか、モノ対応担当もしているメンバーに伺ってるの。行さんのお話も聞かせてもらえると嬉しいなって」


「わかった。――担当の仕事としては、毎回この時期は、モノの方のみで結界内に滞在なさることが多いから、その際の対応が、今期も割合としては多いな」


 例えば。

 大勢の人が家に来る。泊まりに来る人がいる。自分が自宅以外で何日かすごす。

 などなど。


 人目が常にある、多くなる。いつもと違う状況環境になる。


 そういったときに、モノの方がすごしづらくならないよう、なにかトラブルが起きてしまわないよう、モノの方は、その間、テイクが用意する場ですごせるように。


 そう希望なさる持ち主の方やモノの方は、どの時期もある程度はいらっしゃるのですが、年末年始、お盆の時期、引っ越しシーズンなどは特に多くいらっしゃるのです。


 珠水村から入れる結界内にある、いろいろな建物は、そのためにもよく使われます。


 滞在なさる際の対応も、モノ対応担当メンバーが受け持つお仕事の一つで、中でも行さんは、受け持つ割合が多いメンバーの一人です。


「予定どおりお迎えして、無事に滞在していただけていることにほっとしているし、毎回この時期にお会いする方と、今回も無事お会いしてお話しできて嬉しく思ってる」


 行さんの言葉に、私は大きく頷く動作をしました。

 私もつい数日前に、今年も会えたね! って、あるモノの方との再会を、お互いに喜んだところです。


「それに、初滞在の方々にも、今のところ、よい感じの感想をいただけているから、それもよかったな、と」


「よかったー!」


 今期は、初滞在の方々も、大勢いらっしゃっているのです。


「では次に、お仕事以外の面ではどう? って訊いちゃってもいいかなっ」


「いいぞ。こちらも話していい範囲での話になるが――りつさんと一緒に食事をしたよ。律さんお気に入りのお店の予約も、タイミングよく取れて。冬のスペシャルおとうふコース。律さんが小上がりで小躍りしそうな雰囲気だった」


「小上がりで小躍り……」


 思わず復唱しました。

 なんだか、コトハさんやさんネコさんが頭に浮かぶような言葉選び……。


「ん? ……あ。狙って言ったわけじゃないぞ」

「そうだったんだ」

「おう」


 と、言葉を交わしているところに。


「ろ! ろ!」


 聞こえてきたこの声は、コトハさんですね!

 思い浮かべていたら、本物のコトハさんが!


 「ろ! ろ!」

 コトハさんが元気に言いながら、すたすたすたたーと廊下を歩いてきます。


 コトハさんが手に持っていらっしゃるのは――、せいろ。


 セイ、ろ!

 という解釈で合っているでしょうか。


「俺の言葉選びじゃ、お株は奪えない。というかそもそも、奪うつもりはないし、奪えると思っていない」

 行さんが私を見て言います。


「かぶもせいろに。はい、どうぞ!」

 私たちの会話が少し耳に入ったのでしょうか。

 コトハさんは明るくそう言って、通り過ぎていきました。



 コトハさんの言葉たちを聞いていて頭に浮かんだのですが。

 写真撮影時の、はい チーズ! 、セイ チーズ! という、かけ声。

 私、好きなんです。これからもたくさんの場で、活躍してくれると嬉しいです。




お読みくださり、ありがとうございます。


次の投稿は、1/24(土)夕方~1/25(日)朝あたりを予定しています【2026年1/18(日)現在】

(状況によっては、それよりあとの、(土)夕方~(日)朝あたりになるかもしれません)


今後もどうぞよろしくお願いいたします。


――――

【12月13を改稿予定です。よろしくお願いいたします。(2026年1/18(日)時点でのお知らせです)】


 A4サイズより大きいように思えるその紙には、ひらがなの表と、はい、いいえ、?、0から9の数字。

 A4サイズより大きいように思えるその紙には、ひらがなの表と、はい、いいえ、いくつかの記号、0から9の数字。



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