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月に恋して

作者: pirorin

出会いは4年前、僕が4月からの就職に向けて準備をしていた2月。


まだとても寒くて、凍えそうだったあの日。


大学の飲み会で、君は泣きながら恋愛観について語っていた。


皆は今時そんな堅物な考え方はありえないと馬鹿にしていたけれど、僕は君のその恋愛観に惹かれたんだ。でも、みんなの前で賛同は出来なくて、君にSNSで飲み会の後でコッソリ連絡を取ったのがキッカケだった。


その連絡から君とは意気投合して、夜中までくだらない話題で電話をしあっていった。


とても楽しい時間だった。好きという気持ちを伝えているわけではなかったけれど、君の何気ない話を聞かせて貰えるのがとても嬉しかったんだ。そんな風に好きを伝え合わなくても、君の好きなものを教えて貰えるだけでとても幸せだったんだ。


でも、君への好きが出すぎてしまった。段々、自分の好きが出てきて、君がそれを嫌がっているのには気づいていたのに。それでも、君への好きが抑えられなくなってしまった。

だからなのかな、君が離れていったのは。


それから一切連絡を取らなくなった。君が離れたいという意思を尊重したかったから。

会社で成功して、成長したらまた連絡を取ろうと思っていた。

それで、君の為にここまで頑張ったよって伝えたかったから。


でも、2年間頑張ってみたけど、何も誇れるようなものが何もなかった。

そして、後2年と頑張ってみたけれど、会社で部下を持つようになったり、新聞に取り上げられたりもしたけど、やっぱり誇れるようなものはなかった。


君に認められる為にこの4年間頑張ってみた。だけど、君が求めている頑張りと僕がした頑張りは違う。

それに、君の意思を尊重したいと思ってたけど、結局は自分が傷つくのが怖かっただけなんだ。


君にもう一度連絡を取って、断られるのが怖かった。

また同じく拒絶されるのが怖かった。

4年間も想っているという事実を伝えるのが怖かった。

一切連絡を取っていないのに、そんな風に思ってるのなんて怖いよね。


だから、結局傷つく勇気もなかったんだ。

君を大事にしたいと言いながら、結局は自分が怖いだけなんだ。



だから、君に彼氏が出来たという知らせを聞いて、僕は悲しさと同時に、解放感があったんだ。


君という太陽を僕は直視できなかったんだ。

結局僕は何もしていなかった。いろんなことが怖くて、君を避け続けていた。

君を避け続けることで、自分の弱いところからも避け続けていた。


大好きだった。

本当に。

今まで頑張るための源になってくれてありがとう。君に出会えて本当に良かったよ。

この気持ちを君には伝えられないけれど、君の幸せをずっと願っている。









でも、本当はこんだけ想っていることが伝わったらうれしい。そして、戻ってきてほしい。そんな風に思っている。だけど、こんな都合がいい主張が通るわけがない。こんなのは僕の妄想にしか過ぎない。

だから、その気持ちは押し込めながら、君の幸せをひそかに願っていると綴る。


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