タイトルで内容を説明する力 ~割とガチで必須スキル~
この度は本作をお読みいただきありがとうございます。
どのようなお気持ちで本作のタイトルをクリックまたはタップしたかは分かりませんが、とりあえず落ち着いて話を聞いてください。
「タイトルで作品の内容を説明するなんてけしからん!」そう思われるかもしれませんが、どうか落ち着いて。
タイトルの通り「タイトルで内容を説明する力」についての話。
ウェブ小説界隈では、いわゆるテンプレなろう系以外でもタイトルで内容を説明するのは定石になりつつあるかと思う。
私自身そうなのだが、タイトルである程度中身が分からないと興味がそそられない。あらすじを読めばいいかと思うかもしれないが……無数に存在する無名作家の書いた作品のあらすじを、いちいち全て読んでいるほど余裕があると思いますか?
いや、別に余裕がないわけじゃない。しかし、なろう小説に限らず、ウェブで提供されるほとんどのサービスが「熟読する人」向けのコンテンツではないのだ。
考えてみて欲しいのだがアナタがスマホを眺めている際に、閲覧するウェブサービスの内容を集中して読んでいるだろうか? 個人的にはだらだらと空いた時間に見るのがスマホみたいなイメージなのだが、皆さんはいかがだろうか?
中には常に全神経を集中させて全ての情報に目を光らせ、一字一句見逃さずにスマホを見ているという人もいるかもしれないが、ごく少数かと思う。
どのサイトを見ても煩雑な広告が大量に映し出され、うっとうしい追従バナーや画面全体を覆うポップアップ広告など、大量に表示される不要な情報がユーザーを苦しめている。
そんなもんだからスマホを見る時は必要な情報だけを抜き取って、あとは全て無視する癖がついているはずだ。
そんなユーザーを引き付けるには、できるだけ分かりやすく的確にサービス内容を伝え、伝えた通りのサービスを提供して信頼を得なければならない。
具体的に言うとYouTubeのサムネイルがそれにあたる。
大文字で内容の8割くらいを説明して、取り扱う題材の写真を大きく映し出したサムネイルの動画をよく目にする。これを見れば一発で内容が分かる。求めていた情報か否か、ユーザーは比較的容易に判断できる。
もちろん、全ての動画がそうではないだろうが、再生数が多い動画はたいていサムネで内容を説明していると思う。
なろう小説においてもこれは同じで、タイトルである程度内容を説明しないと読んでもらえない。
どの小説を読むか決める要素はユーザーによってまちまちだろうが、タイトルで内容が分かればとりあえずクリック(もしくはタップ)してもらえる確率は上がる。
短いタイトルでは内容が全く把握できず、あらすじまで注意が向かない。もちろん、一話なんて絶対に読んでもらえない。
では、どのようにタイトルで説明すればいいのか。
これ……すごく難しいのだが、ただただ説明すればいいというものではない。
内容を全部書いたタイトルに、だらだらと長いあらすじの作品を見ると、そうじゃねぇんだよなと思う。長ければいいというものではないし、全部説明すればいいわけでもない。
必要なのは文章を短くまとめ、的確に情報を伝える能力。ようはいかに要約するかだ。
最近、すごいなと思ったタイトルの作品に『髭を剃る。そして女子高校生を拾う。』がある。内容の8割くらいを説明しているのに長くない。このタイトルを考えた作者様は本当にすごいと思う。
内容を要約してタイトルで伝えるのは非常に難しい。かなり練習しないと身に付かないスキルだ。私もいろいろと工夫しているがうまくいかない。
最近投稿したエッセイの二作品はあいまいなタイトルになってしまった。そのため、あまり伸びもよくなかった。逆に、きちんとタイトルで内容を明確に説明した作品はそれなりに伸びた。やはり、遠回に伝えるよりも直接的な表現でハッキリと説明した方がいい。
ウェブには様々な趣味嗜好の方がいるかと思うが、自分と同じ感性の持ち主のユーザーを引き付けるには、やはりタイトルでの説明が不可欠かと思う。
機会を逃さず、きちんと自分の書いた作品の内容をタイトルでアピールしよう。
これはとても大切な事なのだ……本当に。