変わり果てた能力の世界
話を投稿したあと、何回か修正を加える事があります。何度も修正を加えたり、直したりすると思うので、ご了承下さい。
この世は、能力という非現実的な力が存在する世界。漫画やアニメなどで良くある異能な力の世界。そう、この世界は能力という概念が存在する、変わった世界…。いや、変わり果ててしまったの方が正しい……か。能力が発源してからというもの、能力を持った者による犯罪や殺人、テロなどが多発し、沢山の命が犠牲となった。
そして今はーー
平和な時間だけが過ぎていっている。何故なのかと言うと、この世界を統治している最強能力者によって成り立っているからだ。
だが、俺はこれを平和だとは思わない。
理由は単純明快。その統治者が嫌いだからだ。もちろん、嫌いな理由は沢山存在するが、今言うべきことでもないので、保留にさせてもらう。
俺はこの様な理由で、この世界を変える。
□□□
俺の名前は橋田由奈。良く女だと間違われてしまう至って普通の十九歳の少年である。ただし、見た目が女っぽい。
少女「夜の繁華街って、いつも賑やかで疲れるわね……。」
俺の横を並んで歩くこの少女は、俺の幼馴染の空城花だ。なにかとうるさいけど、こんな俺と仲良く接してくれる一人の友人だ。
由奈「まあ、そう言うなよ?お前の買い物に付き合ってやってる俺の身にもなって欲しいぜ……。」
俺がそう言うも、花はダルそうに呟く。
花「だって、大勢の人がいる中を歩き回ってるのよ。精神が疲れて当然じゃない!」
そう、こいつは大勢の人混みの中が大の苦手なのだ。
精神的に疲れるものがあるらしいが、俺はそれが一切わからない為、首を傾げてしまう。
花「わかんないって顔してるわね。」
由奈「うん、わからん。」
躊躇いもなく即答で答える。
花「まあ、アンタは昔からこういうのには慣れてるからわかんないだろうけどさ……。嘘でも「わかるよ」って言ってくれても良いのに……。」
由奈「わっ、わかるよ……?」
花「今更遅い!!」
と、強めにツッコミをされる。と、その時だった。
ドカーーンっという轟音が、辺りに鳴り響いた。そこは、繁華街の中央通りの建物からだった。そこから俺たちの距離は割と近くで、その爆発を起こした犯人と思われる者が、俺たちの方へと近づいて来る。
犯罪者「どけろー!ガキ共!!」
その瞬間、俺の首元に何か冷たい物が当たる。そして、その犯罪者はこう叫んだ。
犯罪者「おい!動くなよ!?この女がどうなっても良いのか?!!」
そう言って、俺の首元にナイフを当てがる。俺は平気そうな顔をしながら、その犯罪者に問い出す。
由奈「動いたらどうなるんですか?」
犯罪者「そりゃあー、お前さんの命が犠牲となるんだよ!」
そう聞いて俺は微かな笑いこぼす。
犯罪者「なに笑ってんだテメエ!」
由奈「いやぁ〜なぁに……、逆じゃないかな〜、って思っただけさ…。」
そう俺が呟いた瞬間、ソイツの腹へと肘鉄を喰らわす。その刹那、俺を捕らえていた犯罪者の手が、俺の体から離れていった。そして、その隙をついて俺は、[能力]を発動する。
由奈「おらぁー!」
俺は軽くジャンプをして、ソイツの顔面に回し蹴りをかます。すると、犯罪者は三メートル程吹っ飛んで行って気絶した。
民衆「うぉーすげー!」
その後から、周りにいた一般人が歓声を挙げる。そして、花がゆっくりと得意げに近づいて来る。
花「さすがは私の親友ね。アンタの力が羨ましいわ…。」
由奈「いや、お前が凄い訳じゃねえだろ?」
俺がそういうも、微笑ましく微笑を浮かべる花に、少しばかり呆れていると……、
警察官「ねえ君!」
近くから、俺たちの方へと近づいて来る者が居た。俺はそれに少し嫌気を感じ、逃げる事を花に伝えて、その場を速やかに去るのだった。