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お題シリーズ

ゴミ勇者

作者: 仲仁へび



 世界各地で魔物があばれている。

 だから、選ばれし者がそれらの脅威を排除しなければならないのだが……。


 勇者に任命した者が、酒ばかり飲んで魔物を退治しない。

 そんな情報が魔物との激戦地から、国の中心部へととどいた。


 勇者が、戦う理由は酒、らしい。

 援助金で酒を飲むため、らしい。


 そんな話を聞いた国の要人は、みな揃って頭を抱えた。


「まるでゴミですな」

「これではゴミ勇者です」

「いや、ゴミの方がまだましだぞ、資源として再利用できるものもあるしな」


 耳に届く勇者の評判は芳しくない。


 だから自然と、その場は悪口大会になっていた。


「勇者ともあろう人物が、酒が飲めなくなった程度で動けなくなるとは」

「聞けば世話役が酒を持ち歩いていなかったら、剣の一振りもできなかったとか」

「それはもはや病気ではないのか? 人間性の問題なのか?」


 一同は頭を抱える。


 そして、ややって、重いため息をついて決断をくだした。


「決まりだ。ゴミはさっさとゴミ箱に捨てるべきですな」

「他の勇者を選定してしまいましょう」

「異議なし」


 しかし、彼らは知らない。


 人のお金で酒を飲むためには、どこまでも頑張る勇者がいるという事に。






「へっくしょい!」

「どうした面倒勇者? 酒か? やらんぞ」

「人を何だと思ってんだよ、くしゃみくらい何でもない時にするわ。人間なんだから」


 一週間後、国の中心部で派手な戦闘音が発生して、国民を騒がせる事になったが、後にただの訓練音だと公表された。


 町から一時的に酒の在庫がなくなった事もあったが、魔物の駆除作戦に使用されたいう情報だけが出回った。



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