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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

今日から学校と仕事、始まります。②莞

下着を透かせる眼鏡

作者: 孤独

【盗撮、痴漢、セクハラ。そーいう事を通勤中にしたいのに、最近何かと五月蝿くてお困りの男性の皆様に必見!”下着を透かせる眼鏡”を開発致しました!お1つ、70万円!これをかければ、可愛いOL、成長中の女子高生の下着の先の奥の様子まで、じっくり見れて気付かれません!安心のセクハラ商品!】


そんな女性に対してはサイテーの売り文句に、ある意味で勇気ある男の数人は試すこともなく。


「買った!!即決の3つ!!」


怪しさしかない、エッチなネット通販で売られている商品を迷わず購入した男、松代宗司。

自分用、予備用、さらにその予備用で3つも購入。

凄いじゃねぇか、最近の技術って奴はと……。夢が本当と思っての判断。金を出さなきゃ、夢も希望も買えやしないと強気の勝負。


「というわけで、届いたんだ!この”下着を透かせる眼鏡”、これ付けて通勤電車に乗るぞ!瀬戸!」

「松代さん、マジで買ってきたんですか!」


会社の後輩。同じく、こー言う事が大好きな瀬戸に予備用を貸して、この商品が本当かどうかを確かめに行く。ホントね。


「たまにはリスクを冒さないで、こーいう事をしたい」

「70万円払ってるだけでもリスク払ってるんじゃない?」

「生活に影響するレベルなんだもん。盗撮とかバレると」


そんなわけで、翌朝。2人は満員電車に乗り込んで、可愛いOLや女子高生をこの眼鏡を通して、体を覗いてみたのだった。



◇          ◇


そんな至福な通勤となる……はずだったのだが、結果はちょっと違っていた。

勤務中に通販会社に電話するほどの文句を言う、松代


「ちょっと、どーいう事ですか!?この”下着を透かせる眼鏡”って商品は!ちゃんとかけて、電車内の女性を観てたのに!」


会社内には当然、女性達もいる。新手のセクハラ?っと、思いながら松代の電話を聴いている。聴きたくもなかったけど……。商品開発者に対して、松代は偽物なんじゃねぇかと、結果を伝えた。


「スカートもスーツも透かせてないじゃないですか!?ホントに下着を透けさせてるんですか!?」

『はい、私共の商品は下着を透かせるんですよ。その通りに説明書には書いてありますけれど』

「いや!スカートも透かせなきゃダメだろうが!下着だけ透かせてどうするんだよ!?」

『下着を透かせる事だけに情熱を注いだ品ですので。下着姿の女性を観てもらうための……』

「そんな姿が常日頃観れるんだったら、セクハラに困らないんだよ!男達はよ!!」



このクソみてぇな頓知!返品も返金もできねぇし……!マジで騙されたと思った。

しかし、男はもう一度。夢を見る。


『でしたら、次のご商品。あの子のサイズも、形状も、○○も、丸裸にします!”ブラジャーを透かせる眼鏡”という商品を4週間後に発売するんですけど!こちらの商品を50%OFFの、50万円でご提供させて頂きます!』

「ホントですか!?50万円で、ブラジャー透けるんですか!?2つ買います!!」


なんの電話をしてるんだ?あの人……。色々ととんでもない電話に、さらに女性陣は引きながらも。松代の怒りはすっかり晴れて、しかも前向きになる。すぐに瀬戸の元に行って


「おいおい!瀬戸!今度、”ブラジャーを透かせる眼鏡”が販売されるんだってよ!50万円に値下げしてもらったしよ!届いたら、もう一回挑戦しようぜ」

「ホントですか!ぜひ、やりましょう!」


まったく、男達は懲りていない。

そして、次の商品が届いて、試しに使っても……また、同じ結果だった。


◇          ◇



「ちょっと、どーいう事ですか!?またですか!?ブラジャーしか透けないんですけど!!」

『実際、そうでしたでしょ?嘘などありません』


また、騙されていたのかと思い。近くのブラジャー売り場にも足を運んで、効力を試した。その結果は確かに、商品に偽りがなくてムカついた。前作も同様にだ。すげぇ商品なんだけど


「違うだろ!なんで、下着とブラだけしか透けないんだよ!?そんな技術があって、どーしてできねぇんだよ!なんでしねぇんだよ!」

『できたら、この作品をR_18指定にしますよ。R_15ぐらいにしたいからなんです』

「メタ的な事に言ってんじゃねぇーよ!そんなの飛び越えろ!」


っていうか、商品はR_18指定なのに。どーして、こんな……。こんな感じになってんだよって、商品開発部じゃなくて、作者の方に蹴りをかましたい松代だった。

そんな彼の文句でありつつ、情熱を感じ取った商品開発部は最後の商品を紹介。


『分かりました。でしたら、こちらもリーサルウェポンのご紹介!透ける透けないも男の自由!新たな羞恥の改革!彼女の全てを知ろう!”透きになってくれる水着”を、なんと5000万円!これ、限定10着しかない代物です!』

「どーせ、インチキ商品でしょう?」

『いえいえ!この水着もまた、透けさせることができます!それも、あなたのお持ちの眼鏡からでも、全員に視られるようの、もちろん!水着としての形のままでもです!そーですね、こちらの誠意で1000万円にまけましょうか?』

「分かった、2着!買ってやる!」


そして、最後の商品も。値引きとこれまでの効果を判断しての購入。

もうこれが最後だと思っての、怪しげな商品の購入だった。これもまた、頓知みたいなものだったら、止めてやるという覚悟。

2週間後、例の水着が届いたのだった。効力もまた、しっかりと発揮できるという代物。

だったのだが……



◇         ◇



「おーーい!ふざけんなーーー!」


また変な電話を会社でしていると……女性陣は、松代のことを嫌そうに見ていた。例の水着の件だ。


「なんだこの商品!」

『ですから!ちゃんと透ける水着でしょう!』

「そーだけど!このエロ過ぎる水着をどーやって、女に着てもらうんだよ!そこの説明を教えろよ!」

『彼女に着させてあげなさいよ。あ、彼女がいないから利用しているんでしたね』

「余計なお世話だ、コノヤロー!」


買ったはいいが、それを着てくれる女性がいないという問題が発生。もうちょっと、在り来たりな水着のデザインにすればいいのに。別に透ける必要はないんじゃないかという布面積のキワどい水着だった。海やプールで着る水着じゃねぇじゃん。


『分かりましたよ。でしたら、今度は我々の商品を着てくれる女性をご紹介』

「おばさんとか止めろよ?話は聞いてやるがな!」

『ご安心を!学生証をお持ちの現役の中学生から高校生のご紹介です』

「ほ、ほうほう」


こうして、男は何度も何度もある意味で騙される。金が無くなるまで……。


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