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祐紀と市・新たなる出会い

 宴会場に向った姫御子(ひめみこ)は、宴会場の入り口で立ち止まる。

側仕え(そばづかえ)が、会場に先に入り大声で伝える。


 「皆様、姫御子様が参りました。」


 その声に一瞬会場が《《しんと静まる》》。

姫御子は宴会場に入り、一礼をしてお詫びをする。


 「皆様、このような席で倒れてしまい申し訳ありません。

お詫びを致します。」


 その声に祐紀が答えた。


 「姫御子様、体調は大丈夫ですか?」

 「はい。」

 「それはよかった。

お席にお着き下さい。」

 「はい。」


 そういって姫御子は席につこうとし、祐紀(ゆうき)と目が合った。

その瞬間、互いに目を見開き、口を開いた状態で固まった。


 祐紀は

 「市・・・」と、思わず呟いた。

その小さな声を、姫御子は聞いた。

普通なら、姫御子と祐紀の離れた距離なら聞こえない。

それも祐紀はボソリと独り言のように呟いただけなのだ。

それにも関わらず、姫御子には聞こえた。


 姫御子は

 「なぜ、その名を・・、いや、待って・・、貴方とは一度会っている。」

姫御子もボソリと独り言のように呟いた。

祐紀も何故か姫御子の言葉が聞き取れた。


 「え? どこで会ったのだろうか?」

 「三途の川で・・。」

 「!」

 「信じられませんか?」

 「いえ・・信じましょう。」

 「そうですか・・。」

 「すみませんが、お帰りする前にお話をしたいのですが。」

 「ええ、私も。」


 この二人の会話は独り言のように周りには聞こえた。

その声は聞こえるのだが、ボソボソとしか聞こえず内容がわからない。


 祐紀の養父である宮司は、祐紀がなにやら(つぶや)くのを聞いて祐紀に声をかけた。


 「どうした祐紀?」

 「いえ、なんでもありません。

ただ、姫御子様の体調が気になります。

お帰りの前に、すこし姫御子様のお見舞いの時間を取っていただけませんか?」

 「・・・いや、それは・・。」

 「たぶん、御神託の件は大丈夫です。

私が倒れたのは、御神託に近いものだったと思います。

今までと違い気を失ったり、御神託の内容が定かにされない不可解な点はありますが。

ですので、安心して姫御子様との時間を取ってください。」

 「・・・、ふむ、分かった・・。」


 宮司は不安の入り交じった怪訝そうな顔をしたが、祐紀の揺るがない態度におされ承諾した。

一方、姫御子の側近は・・


 「姫御子様、どうなさいました?」

 「いえ、なんでもありません。」

 「でしたらお席に・・。」

 「帰る前に倒れたことを(じか)に祐紀様にお詫びをしたい。」

 「いえ、姫御子様の体調を考えると、それは・・。」

 「体調は大丈夫です。

それより、(いん)の国に悪印象を与えるのは問題ではないですか?」

 「え! いや、それは確かにそうですが・・。」

 「では、帰る前に面会をお願いしますね。」

 「・・・はい、では、そのように。」


 側近は姫御子が強い意志で祐紀に面会を求めることに違和感を覚えたが、姫御子の言うことは正論であるため承諾をした。

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