つかの間の幸せ
知らない天井だ・・・
まさか!!
俺は自分の身体を確認するが幸い衣服に乱れはない。
「大丈夫だったか」
「何を心配しているんだ。まぁその様子なら問題ないようだな」
どこが問題ないようだ・・・だ。
問題ありありだ!いきなり知らないベッドに寝かされているこっちの身にもなれ
これだからゴリラはデリカシーの・・・
「ほんと男の子は無茶ばかり、手当てするこっちの身にもなってね。」
天使だ!天使がここにいる!!
おい、ゴリラ邪魔だ!もう少し右にどけろ。
奥には白衣を着たスタイル抜群の黒髪ロングの美女がいる。
胸元は谷間を強調し、ミニワンピスタイル・・・
あー学園最高!!
よし!もう少しここで寝よう。
仮病だ!これは仮病するしかない!
「頭が・・・」
俺は頭痛にみまわれるふりをして
またベッドに横になる。
「大丈夫?やっぱり打ちどころが」
「コイツは大丈夫だ。念の為、連れてきたが・・・演技するぐらい元気って事が今わかった。」
黙れ!ゴリラ!!
何やねんコイツ!
はら、先生も心配してるだろ。
なに、オマエが勝手に決めてんだよ!
えっ!?
おいおい、何する気だコイツ!
いきなり布団をどかし首を掴まれる。
ちょっと待て!おい!いきなり・・・
引きずるな!引きずるな!
このままでは医務室を・・・
待ってくれ!待ってくれ!俺の・・・
先生も止めて・・・
なんで喜んで手をふってるのーーーーー!
俺はそのまま医務室から引きずられ外に連れていかれた。
「おい、お前のせいで俺の青春が・・・」
「はぁ?あっ…リル先生に惚れたか。まぁ年頃の男がみたらグッとくるわな。
でも、いっておくが普通の男が相手すると死ぬぞ。」
どういう意味だ?まぁある意味死ぬね。
「リル先生はサキュバスだ。それも上位のハイ・サキュバスだ。」
「はい、サキュバス?」
どーもー、はい、サキュバスってことか?
「何か勘違いしてるっぽいが・・・まぁ簡単に言うと普通の男なら一瞬で精気を吸い取られて廃人だ
よっぽどの精気がないと、相手にならねぇからな。まぁ今のオマエ程度なら3秒持っていいとこだな。」
なに勝手に人を早漏扱い・・・
でもあれなら3秒で、死んでもいい。
もう今更、後悔などない。
「いっとくが3秒ってタッチもなしにだからな」
前言撤回。
俺はもっと男を磨かねればならない!
「マウンテン先生~」
やっぱゴリラじゃん。
ゴリ先生を呼ぶ女子の声が聞こえた。
死ねばいいのに。
「あっ!さっきの摸擬戦の人!!凄く強いんですね!
マウンテン先生と打ち合えるなんて、とてもかっこよかったです!」
なんていい子なんだ!
いやーやっぱ分かる人には分かってしまうんだな!
それから他にも女子や男子たちが
徐々に集まり質問攻めにあう!
もう人気者気分だ!
超気持ちーーーー!
「おい、おまえらもう質問は良いだろ!早く戻れ!」
「え~もっと知りたいのに~」
「私はかまいませんよ。」
「ジーク君、優しい~」
あーいい気分だ。初めてだこんな気持ちになれたのは
「あなたが摸擬戦の男子ね」
俺が良い気分に浸っていると、金髪お嬢様がやってきた。
やばっ!この学校レベル高っ!
今までいた子もみんな可愛いが今目の前にいるお嬢様は一つ飛びぬけて可愛い。
「あなた、私の下につかない?」
「はい、つきます!一生ついて行きます!」
「えっ?・・・本当に良いの?」
「はい、是非、喜んで・・・」
「まてまて、お前は今から帰るから無理だろ」
おい、ゴリラ!やきもちか?それに帰るってなんだ?
おれはこの美女とボーナスタイム・・・
「それにエリー、こいつは魔境の領主だぞ」
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
んっ?なんか全員が目を見開き、おかしい表情をしてるぞ・・・
「帰るのでしたら・・・残念ですが先ほどの話はなかったことで。
帰郷を邪魔するわけにはいきませんわ。」
えっ?お嬢様がそそくさと目の前から消えていった。
それに合わせて先ほど迄周囲にいた皆もささーっと消えていった。
どういうことだ?さっきの魔境の領主のせいか?
そもそも魔境ってなんだ?
「振られたな!ハッハッハッ」
「お前のせいだろ!」
なんやねんコイツ!
こいつが意味不明な事をいったからだ
「魔境ってなんだ?一気に反応がかわったぞ!」
「あー、お前が住んでるとこって辺境の奥の奥。最果てのパラデンだろ」
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