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怠惰な勇者  作者: えりえ
勇者成長編
1/2

勇者の旅立ち


「ついに勇者の能力を持つものが現れた!!今こそ人界に平和を!!」

「さぁ!勇者!旅立ちの準備を致します!」

宮内は大慌てで準備がなされた。

食料、武器、衣服にテント旅に不自由無いように何からなんでも準備なされた。

そして、

「行ってらっしゃいませ!」

追い出されるように外に出され門を閉められた。

――――――――――――――――――――――


「ふぅ、今年も良い作物が育ったな。今年も食料に困らず生きていけるな」


俺達の世界は皆生まれた時に神から能力が授けられる。その能力は幅広く、雷出したり炎出したり等の如何にも能力!ってしてるものもあればただ一般人より早く走れるだけや高くジャンプできるなどがある。しかも能力の()が神から預かるのであってそれが開花するかは俺たち次第。開花したかも見極めるのが難しく世界に7つしかない能力判定機を使うしかない。

俺たちみたいな凡人に凄い能力など与えられる訳もないので当然能力なんてあるかどうかも分かるわけもない。


「ただいま、って一人暮らしなんだけどな」


今日も静かにご飯を作りタダ飯を食いまた次の日畑に行く。これが俺の日課だ。


「きっと俺に能力があるなら毎日畑に行く能力かな」


俺が住んでる村は世界地図の最も西に位置する。近くに大きな城下町があり、能力判定機がなんとある。自給自足生活で能力に興味なしの俺は行ったことも無い。


「おぉ!兄ちゃん今日も畑か?収穫日きのうだったろ?」


村の住人の一人レベルス。昔は剣士になりたく城まで行ったが能力が早逃げだったので剣士になれなかった。こんなに筋肉質な体なのにビビりかよ。


「まぁな、やることもないし畑警備員だ。」

「暇人だな。男なら夢を見つけろよ。まだ若なんだしさ。」

「俺の夢は畑警備員で十分だ」

「虚しいなー。しかし聞いたか?近頃魔物の動きが活発になってるらしぃぜ。大好きな畑守ってあげろよ?」

「うるせーよ。レベルスも大事な家族守ってあげろよ」

「あったりめーよ!俺の大事な家族は元剣士の名にかけて月に代わってでも守るぜ」

「剣士じゃねーしビビりが何を言ってるんだが」


いつもの様にレベルスと茶番を交わしてから畑に向かう

そして俺はいつもの通りカカシの横に座る。


「なぁ、カカシ君。魔物の動きが活発だって。カカシ君は俺が絶対に守るからな。」


「見て、またカカシに喋ってるわよ。可哀想に」

「仕方ないわよ唯一の家族なんだからあの人にとっては。」


村の住人AとBがまた馬鹿にしている。だが反論はしない。全て()()だから。


「また馬鹿にしているよ。カカシ君と俺の仲も分からないくせに」


俺は生まれたて物心着いた頃にはカカシしかいなかった。父も母も何処に言ったか分からず、俺にはカカシしかなかった。親の愛も知らない。

ここで俺とカカシの思い出深いエピソードを紹介しよう。

これは俺が11歳カカシ年齢不明時だ。東の方である魔法使いが竜巻(ハリケーン)を放ったんだ。それがそのまま村に来て村は危険だった。村の住人は村を出て身を守ろうとしていたけど俺とカカシ君は………


コンコーン!コンコーン!


非常ベルが鳴った。まだ俺の話の途中なのに。非常ベルが鳴った!!??どういうことだ?


「大変だー!魔物が旅人に化けてやがった!!上位魔物だ!もう既に10人喰われた!すぐに城に行けー!」


レベルスが叫んだ。

10人喰われた?嘘だろ。誰が?旅人?いつ来た?しかも上位魔物?こんな西に?何故?は?は?は?は?


「何やってんだ兄ちゃん!はよ逃げろ!!」

「上位魔物?嘘だろこんな所にいるわけないだろ。ここは西の端だぜここ程安全な場所があるか」

「それがマジなんだ。上位魔物特有の羽と角がたる」


ドーーン!!!!


村の半分が吹き飛んだ。

は?上位魔物ここまでやるのかよ!俺の家なくたったなあれ!ヤバい俺も死ぬ。カカシ君だけでも!

「何やってんだ!レベルス!お前も逃げろ!上位魔物だぞ!勝てるわけない逃げろ!」

「何言ってんだ兄ちゃん。俺は元剣士だぜ?家族はもう逃がしたし、村を守れるのは俺だけだろ?それにまだ老人とか逃げれてねぇーみたいだしな。」

「ほっとけ!どうせ後先短い奴らだ!お前は家族がいるだろ!」

「いいから!お前はカカシでも持ってささっと逃げろや!邪魔だ!!」

「くっっっそ!絶対にお前も来いよ!!死ぬな!」

そしてカカシを持って逃げた。

そして奴がやってきた。

「この村では貴様が1番強そうだな。だが美味しそうではない」

「お前が魔物か。逆に俺がお前を喰ってやるぜ」

「ふん、根性はあるみたいだな。だが身の程を分かっていない」

カーン!!爪と剣が弾く音が響いた。

「俺の一撃を防ぐか。ただの馬鹿ではないみたいだな」

「そりゃーどーもクソ魔物!俺は元剣士でな」

「剣士ごときが俺の一撃は耐えれん。さては能力者だな貴様」

「あぁ」

「ふふ、そうか。特別に教えてやろう!俺の名はアクシス。名を聞いた事あるだろう。初代魔王の側近だ!だが5000年前封印され力がリセットされてるみたいでな。お前を喰えば少しはマシになるだろう」

「初代魔王の側近!?本当だとしたら上位魔物どころじゃねー最上位魔物じゃねーか!何でこんな所にきやがった!過去の魔物風情が!!」

「ちょっと強い魔力を感じたからだよ。人は絶望で強くなる。いい絶望を感じたろ?」

「ふざけるなよ。お前!」

「しかし寝起きは流石にきついな。人に化けて大分魔力を持って行かれたな。絶対破壊(ブレークバースト)の威力も低かったしやはり元の力には戻らんか」

「何を言っているそう簡単に終わると思うな!」

カキン!!剣の折れる音が響いた。

「しかしまだまだだな。根性だけのやつか。この村では能力暴食(グラトニー)が手に入ったし終わらせるか」

「そうさせるか!!俺の取っておきの魔法……」

暴食者(グラトニー)


村は噛じられたように無くなった。

村の住人の半分は亡くなった。



「ご馳走様。まさか暴食の能力所持者がいるのは予想外だった。開花前で助かったな。さて、現魔王様に会いに行くついでに腹ごしらえでもして行くかな」

―――――――――――――――――――

死亡者

レベルス 能力早逃げ、隠れ能力 守る意思

住民A 能力噂立て

その他村の住人半数

――――――――――――――――――――――――――――

魔物は主に大きく4つのクラスに分けられる

下から下位魔物、中位魔物、上位魔物、最上位魔物

さらに能力を得た魔物は魔人と見なされ魔人、上位魔人、最上位魔人に分けられる

魔王の側近等は主に最上位魔人に部類される。

そして今、魔物の動きが活発している。魔王の影響だと思われる。

魔王は全ての魔物と魔人の上に立つ存在。

今回出現が確認されたのは最上位魔人アクシス。初代魔王の側近で世界で8つしかない能力の1つ暴食者(グラトニー)が確認された。能力は基本人間とエルフしか持たないが魔物は人を喰らうことで喰われた人の能力を得て魔人となる。その場合暴食は1番危険な能力となる。よって最上位魔人アクシスは魔王アクシスと識別された。

これで魔王は世界で3人となった。

…―――――――――――――――――――――――――


「王!村の住人の避難者がやって参りました!」

「避難者を全員連れて参れ」


俺を含めた避難者はあの後城に逃げ込んだ。

城は厳重体制を取られており能力守護者を持った剣士が厳重に配置されていた。


「よくぞ無事であった皆の衆」


ここディクシスの3代目国王ファックス。民衆からの評判がよく、歴代最高の王だと名が高い。


「ひとまず避難者諸君は体を休めると良かろう上位魔物の退治は向かわせた」


俺達は個人部屋に向かわされた。

部屋の中で俺は考えた。

レベルスは大丈夫だろうか。何人亡くなったのだろうか。もしもの場合誰がレベルスの家族に話すのだろうか。少なくとも俺には無理だ。

上位魔物が現れたのならばもうこの世界はやばいのかもしれない。能力勇者が未だ現れないこの世の中どこまで魔王の好き勝手させるのだろうか。俺の人生どうなるのだろうか。俺はカカシと永遠に一緒なのだろうか。


次の日

「皆には能力判定機をしてもらう」

は?何で?

「精神的苦痛を受けたことでまだ見ぬ能力開花になったかもしれん。家族を失ったもの、愛するものを失くしたものもいるだろ。もしかしたら復讐のチャンスかもしれん。」

「これが判定機…」

それは巨大な水晶玉のようだった。

だがこんな凄いものを見せられても興味を示す人はおらず、まだ悲しみに暮れていた。

当たり前だ、故郷を失くし家族を失くしたものが多い。昨日今日で忘れれるわけない。

レベルスはまだ帰ってこない。多分亡くなったのだろう。レベルスの家族はまだ不安そうな顔をしている。励ます言葉も出てこない。


「手を合わせただ何でもいいから祈るそれで能力が分かる。無論能力なしだと出るだろうがやってくれ」


何故こんなタイミングで生き残りに判定機を使わせるのだろうか。


次々に判定機を使用し、能力料理人、遊人、釣り人、走る者などの在り来りなものがほとんどだったが中には飛び抜けて凄い人もいた。炎神(イフリート)を持つものや雷神などの上位魔物討伐レベルの能力を持つものまで現れた。


「やはり伝説レベルの能力をもつものが現れたか」

「予想通りでしたね」


王と大臣の会話が聞こえた。どういうことだ?分かってたのか?


「次の者!」

俺の番か。

えっと手を合わせて祈るだっけ?簡単だな。どうせなら耕す者とかの楽な能力だったらいいなぁとか考えんの俺ぐらいか。村破壊されて軽いな俺。


次の瞬間水晶玉は光輝いた。そして頭の中に女性の声がした。

(あとは頼んだわ)


俺の中に今まで無かった未知なる力が湧き出るのを感じた。血が沸騰しているのではと勘違いするぐらい熱かった。

俺ももしかして炎神?それとも太陽神(ラー)?どっちも暑いなー耕す者が良かったな。


「こっこれは……」

「ついに現れたか」

「待ち望んでおりました。()()様」

「は?」


勇者?何言ってんだ?俺は……勇者!!!??ちょまママママ待って。無理無理無理何で?俺が勇者?ふざけるなよ。なんでーーー??

そして冒頭に続く。

―――――――――――――――――――

能力説明


早逃げ――速く逃げれて誰よりも早く逃げる


守る意思――守る意思が強く仲間が死にそうな場合絶対に仲間を守れる(自分と同じ又は弱い魔物に限る)


噂立て――噂を流せる


炎神――炎を出し自在に操る


雷神――電気を出し自在に操る


暴食――対象の物を異空間に閉じ込め、その力を得る。草木だろうとなんだろうと喰える。異空間は無限に広い。


勇者――不明


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