はじめに
普段書いている落書きやら
FAやらを纏めておくフォルダになります。
ほぼ自分用になります。
FA送り先様以外の方はお持ち帰りにはならないでください。
文字数制限でもっと何か打ち込まないとアップできない。
ボツにした小説の一話貼っとこう
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バスター王国、かつて魔王討伐に参加した魔法使いが興した国。
その歴史事態は国王が三代目と浅いが初代の威光と魔術の技術から強国と言われている。
そんな国の西の外れ、田舎のぎりぎり町と言えるマヌエツの町。
そのギルド受け付け窓口からこの物語は始まった。
「すまぬ、冒険者ギルドに登録したい」
ギルド職員のマリーが声を掛けられて振り返ると、小さな女の子が受け付けカウンターから顔を覗かせていた。
冒険者ギルドのメインはやはり魔物の討伐や迷宮の探索だが、子供がお小遣い目当てでやるようなお手伝い系や、町中でのバイトの斡旋なんかもしている。
だから小さな子供がギルドに登録する事は珍しいことではなかった。
「はい、お待たせ致しました。こちらの用紙にご記入ください」
文字は書けるかと聞くと、少女はコクりと頷いた。
カウンターの端に置いてあった羽根ペンを手に取り、スラスラと書き始めるのを見て、マリーはどんな仕事を紹介しようかと頭を働かせる。
(このぶんなら、何処かの店番とか出来そうね)
見た目もなかなか可愛らしい、黒髪に黒目、肌は日に晒された事があまり無いのだろう雪のように白い。
やる気の無さそうな半目の表情はちょっとふてぶてしさを感じさせるが、もしかしたら緊張しているだけなのかもしれない。
「書けたぞ」
マリーは少女の差し出した紙を確認する。
少女の名前はクロエと言うらしい。
出身地はちょっと聞いた事の無い地名だ、備考に魔術が少し使えると書かれている。
「年齢は?」
年齢の欄の空白を指差すとクロエはう~んと考えるように頭を傾げた。
地方によっては誕生日祝いなどしないところもある、マリーは少女が自分の年齢を知らない事をさほど不思議には思わなかった。
「私の姪より小さいし…7歳にしておきますね」
「解ったではそれで」
マリーは用紙の名前の横に7と書き足した。
「それでは、ステータスを読み込みますのでこの水晶に手を乗せてください」
マリーは魔道具に新しいカードを挿し込み台座に乗せられた水晶をクロエの前に押し出す。
簡易のステータスが見られる現しの水晶で適正等をチェック出来る。
これが関係してくるのは本格的に冒険者として活動をよう様になってからだが、子供のステータスを知りたがる親御さんは多い。
クロエの様な子供をギルドに登録するのはこれを知るための記念登録の意味も有るのだろう。
クロエはまたコクりと頷くと、水晶にぺたりと手を乗せた。
するとほんのりと水晶が輝きクロエのステータスを表示する。
「………」
「どうした?」
それを見てマリーは固まる。
「ちょっちょっと一回離してもらっていいですか?」
「うむ、解った」
一度少女に手を離させると、マリーは魔道具を確かめる。
水晶との接続、魔石の魔力容量、カードも念のため新しい物に差し換える。
「ごめんなさい、これでもう一度お願いします」
クロエは何も言わず素直にまた水晶に手を触れる。
「……」
やはり表示は変わらない。
マリーはどうするべきかと視線をさ迷わせた。
「何か問題でもあったのか?」
固まる少女二人に見かねたのか、声を掛けてきたのはこのマヌエツ町唯一のB級冒険者カラクだった。
マリーは少し考えたが、カラクに現しの水晶が表示したステータスを見せる事にした。
個人情報とか言っている場合ではない。
「カラク様すみませんこれを見ていただけますか?」
「おい、おい、子供のステータスとは言え良いのかよ」
カラクは人格的にも問題の無い人物、クロエのステータスを見る事を渋ったが、マリーがどうしてもと言い、クロエが構わないと言えば渋々とそれを覗き込んだ。
これが彼の不幸の始まりだったかもしれない。
「なっ!?これは…」
表示された文字を理解したとたん、カラクは素早く少女から距離をとった。
「間違えじゃ無いのか?」
腰の剣に指をかけてさえいる。
マリーはどう答えるべきか、迷った。間違えであって欲しいと思う。だが現しの水晶は燦然とクロエのステータスを映し出していた。
「魔神……なのか?」
馬鹿みたいな質問だとカラクも自分で思ったが、聞かずには居られなかった。
クロエ・グラス(魔神)
レベル:1
種族:神
職業:低級神(魔獣の神)
スキル
魔獣の出生率回復
魔神の加護
神託
※肉の檻によるスキル制限中
「うむ、私は新たにこの星の魔神として赴任してきたクロエだ宜しく」
少女はなんでもないようにコクりと頷いた。




