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イデア  作者: 天汰唯寿
第1部 「反抗の旗」
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第五話 「交差する復讐」

豆知識。現実界の人間の身体は光でできている。

一行の行く道を阻んだ数人の男女は、開幕から見下すような目で睨んできた。



「その服装と人数から察するに、君らはノワールの偵察兵か。もうこの話が広まっているとはな。」

「アンタらが派手にやってくれたおかげでな。」

「それで、やるのか?このまま逃げてくれたほうがこちらとしても都合がいいのだが。」

「こんな絶好の場所で戦えるのだからな。こちらからすれば逃げたら損でしかない。」

「なら、仕方ないな。ノート君、軽くひねってやってくれ。」

ノートは思わずラスターの方を見た。

いやいや俺がやるの?!

といった具合に、すると彼は小声で言ってきた。

「私が思うに、所詮彼らは偵察兵だ。私や君が出るまでもないだろうが、ここは

 君の名を知らしめておいたほうがいい。何か動きがあるかもしれない。」

「…わかった。」

渋々その多少強引な願いを聞き入れ、集団に向かっていった。

足取りは重く、かなりだるそうだ。そして、少し力を出して言葉をぶつける。

「言っとくが、俺は手加減なんてできないぞ。」

「よくもまあそんな言葉が出るな?」

奴らは途端に目の色を変え対抗してきた。

「その口、一生何も言えないようにしてやる。」

目の前の男女は7,8人といったところだろう。

すると、いきなり目の前が開けた。と同時に両側から怪しく光る紫色の光が見えた。

「総員、発射ッー!」

先ほどと同じような弾だが、もっと小さいものが飛んできた。

しかも無数に。

だが、ノートはいともたやすく避けていく。

まず一個目を躱したときだった、ふと後ろを振り返った。

あろうことか、その弾はこちらへ飛んできたのだ。

いや、飛んできたというより、跳ね返ったという方が正しいだろうか。

躱したはずの一個目をまた躱し、その間に二個、三個と新たな弾が飛んでくる。

気付いた時には右手にコアが握られていた。

何かがおかしい。

飛んでくる方向は最高でも八方向のはずなのに、それ以上の方向から飛んでくる。


と、その理由はすぐにわかった。

なんと空中に壁があるのだ。宙に浮いていたノートは知らないうちにその壁を蹴り、

さらに上へと上がっていく。どうやら天井はないようだ。

察しのいい彼はすぐに状況を把握する。

第一に、先ほどの誰かが空間に壁を隔てることができる。

第二に、敵はこの空間内にいる。

ここで整理にストップをかける。なぜこの空間内にこれほどの弾が飛び交っていて

奴らは無傷でいられるのか。

仮定を置いてみる。自分は光、相手は闇の体だ。

しかも、この弾は見るからに闇でできている。

とすると、同じ属性なら傷を負わないのだ。と、

先ほどの頭の中のメモにこの事を付け足す。


この間、わずか1秒である。


ざっくりと頭の中を整理し、また壁に足をつける。

ひとつ深呼吸をし、飛んできた弾をコアで斬る。その斬った反動で地へと体の向きを変え

落ちていく。

落ちていく間もしきりに弾を斬っていく。

その合間に弾の向かってくる方向を確認する。

数秒も経たない内に地上へ着いた。途端に走り出し、記憶した場所へ向かって走る。

やはり尋常じゃない弾の数だ。やっとの思いで一人目のもとに辿り着くと、大きく剣を振った。




一人目の屍を見てから何秒経っただろう。あっという間に七人目を斬ってしまった。

「あとは、お前だけだな。」

剣で差す方角には、先ほどのリーダー的存在のやつがいた。

「…噂はマジだったか。」

「ここでお前が消えれば噂も何もないだろう?」

「だろうな。だが俺のジョブは偵察兵なんだ。生きて帰らなければならない。」

いきなり背を向け、敵は走り出した。

「おい、待て!」

追いかけようとしたが、すぐに断念した。

目の前に壁を作られてしまったからだ。




「どうだったかね?」

「どうだったかね?じゃねえわ!相当やりごたえあったぞ?!」

息を切らせ、王を問い詰める。

「まあ、これからの道のりではこんな敵わんさか出てくる。

 いい肩慣らしじゃないか。」

いつも通り冷静で、のんきな答えが返ってきた。

「ったく…」


そしてまた、一行は森を歩きだした。

もうすぐ日が昇る頃の戦闘は何事もなかったかのように










ノワール城にて、


「つまり、君は見事にしてやられた。と?」

「はい…」

「…」

少し間が空いた。

(…そのノートとかいう男。一体何者なのだ?…)

つもる疑問に顔をしかめ、側近に一言呟いた。

「我が国の兵を全て集めよ。こちらも全力で迎え撃つ。」









一方、ラスター遠征軍


何メートルか先が明るくなってきた。

どうやらもうすぐ森を抜けるようだった。

「ちなみに、だが。」

今度はノートからラスターに話しかける。

「なんだね?」

「この森を抜けたら、あとどれくらい歩くんだ?」

「まずこの先には草原地帯がある。そこを抜けてしまえばもうノワールの城下町に入る。」

「んじゃ、その草原か何処かで休憩でもしないか?

 正直、眠たすぎる。」

「あの、草原で眠るのはやめておいた方がいいと思うが。」

「なんでだ?」

「あそこは、かつての兵士たちが眠る場所なんだ。兵士どころか家臣も眠っているだろうね。

 寝るならその手前の元城下町跡にしよう。」

「…は?」

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