第十八話 「狂人」
コアmemo No.3
「ウィンドブロウン」
使い手:クロブ
見た目は拳銃だが、発射速度は8000km/hで弾道のブレは全く無い。全体的に翡翠色をしており、所々にエメラルドらしき鉱石が散りばめられている。なお、弾切れは起こり得ない。
「こんな大穴があったとはな。
にしてもこれ崩れないのか?」
「ここら辺は地盤がしっかりしてます。恐らく、どれほど掘っても崩れはしないんでしょう。」
「さて、どうやって降りる?紐なしバンジーか?」
「それも中々楽しそうだな。多分最期の遊びになるだろうけど。」
「…じゃあ、僕が階段作りますよ。」
「便利だな、その能力。」
地を蹴った。
心地よい砂の擦れる音が聞こえた。
次々に土が舞い上がる。
しかも、その跡はしっかりとした階段となっている。
みるみる内に目の届かない場所まで階段が出来上がった。
「……これ、一番下まで行くのか?」
「それしかないだろう?」
「いや待て、なんか来てないか?」
クロブの指差す方向には、確かに黒い影が見える。
群れを成す怪物の先頭には、輪郭がハッキリしている存在があった。
人間だ。
「なんだ、アイツ。」
「恐らく、あの影からの使者なんだ。だから怪物も言う事を聞く。」
「じゃあ、あの先頭の人を撃てばいいのか?」
「そう単純じゃないと思いますよ…?」
「やっと見つけたぜ?お前ら。」
「誰だお前。」
「そうだなぁ。とりあえず、反乱軍とでも名乗っとくか。」
「お前の名前を聞いているんだが。」
「あぁそうか。俺はガルフィス・ボルヴォック。」
「そんなに簡単に名乗っていいのかお前」
「オメエらが名乗れって言ったんだろうよ。
まさかぁ、ナメてるんじゃぁないだろうな?
一つ言わせてもらうが、
俺をナメてたら痛い目見るぜ?」
「ん〜、今のはちょっとキモかったな。もうちょいマシな言葉使った方がいいか…」
三人は感じ取った。
この男の異様ぶりに。
思い込みの激しさ、狂った言葉使い…
いや、よくよく見れば、そんなオーラを放っている。
「コイツ結構イカれてるな。」
「クロブさん、銃弾一発撃ち込んでやってください。」
「言われなくとも。」
既に拳銃は構えられていた。
男がこちらに歩いてこようとしている。
途端、拳銃は火を吹き、男の右足を掠める。
砂がはじけた。弾丸は砂に刺さっている。
「それ以上は来ないでくれ。でないと、その心臓を貫く事になる。」
「だから、ナメんなって言ってるのに。」
また男は前進してくる。
弾丸が男の心臓めがけ、3発飛んでいく。
「無駄だよ。」
いきなり弾が方向を変え、あらぬ方向へ飛んでいった。
「な…!」
クロブは呆気に取られている。
目の前で起こった不可思議であり得ない事態に。
「やはり、相手は能力持ちだ!」
「だが、一体どんな能力だ?」
自分の周囲にバリアを張る能力
向かってくる物を寄せつけない能力
様々考えられるが、どれも正解に思えてくる。
「素晴らしい能力だろ?どんな攻撃だって受けやしないんだ。」
狂人は鼻を伸ばしている。
狙うなら今だろうが、恐らく攻撃は効かない。
「コイツの能力はなんだ…?」




