第一話 「星の名」
※この小説は、他作品と似通っている点もあります。ご了承ください。
なお、文章力に欠ける点もあります。それもご了承ください。
「王様、旅の方が貴方にお会いしたいと…」
その朝は、その言葉から動き出した。
思想界、それは現実の世界、いわゆる現実界に最も近いといわれるもう一つの世界。
「ブランシュ」と「ノワール」と呼ばれる二つの国に分かれたこの世界では
戦争が絶えなかった。
主な原因は、「ノワール」の領土侵略によるもの。
いつ現実界の存在に気付き、領土を求めてくるかわからない。
だが、そんなことは現実界の住民たちが知る訳もなかった。
そうなると、このままでは甚大な被害は免れない。
その事態にいち早く気付いたのが、この「旅の方」である。
「…つまり、君はわざわざこの戦争を止めるべく思想界に来たと?」
「ええ。」
「どうやって来たんだ?」
「ポータルで無理やりつなげました。これでも科学者なんでね。」
「ほう…おもしろいやつだ。」
現代科学なら、確かにポータルを作ることなど容易い。だが、問題がそれだけならば
どんな科学者でも来れたのだ。そこで王は尋ねた。
「なら、君は、ここで生きていられるのか?」
彼は、何もためらうことなく言い放った。
「ここで生きるなんて、現実界で生きるより簡単なことです。」




