長い長いプロローグ1
『世界の理』
それは名前の通り世界の理、すなわち、この世界の事象すべてを記した本である。
この本を所有するということはすなわち、全知であるといっても過言ではない。
しかし、この本を手にした者は今までに誰一人としていない。
というのは、この本は実在していないものであると思われるからだ。
ならば、なぜ『世界の理』という本が一般的に知られているのか。
それは、一つの言い伝えに起因する。
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今から、ずいぶん昔、神話時代と呼ばれる時代があった。
その時代、「7人の災厄」というものがいた。
その7人は一人一人が強大な力を持っていた。
そして、人々は「7人の災厄」を倒そうと立ち上がった。
戦争が起こる。しかし、「7人の災厄」は強すぎた。そのため、人々はすぐに戦争で不利になっていった。
そんななか、自らを「賢者」と名乗る存在が人々の前に現れる。
賢者は言った。
私には「7人の災厄」を倒すすべがある。
そして、賢者は人々の中から3人を選んだ。
それが
たぐいまれない勇気を持つ「勇者」
圧倒的な剣術使いの「剣聖」
深い慈悲の心を持つ「聖女」
である。
賢者はその3人とともに「7人の災厄」に立ち向かった。
「勇者」、「剣聖」、「聖女」、そして「賢者」、この4人は強かった。しかし、彼らでも「7人の災厄」を打ち破るのは相当苦難であった。
戦いは彼らが現れてから10年、ようやく終わる。
4人は「7人の災厄」に勝ったのである。
賢者は「7人の災厄」を倒した後にいった。
「7人の災厄」が生まれたのは、この世界のエネルギーが偏っているからだ、と。
賢者は世界を書き換えた。エネルギーが偏らないように……
そして、賢者はいつのまにか人々の前から姿を消した。
そして、人々はこの争いのあと、新たな力を手に入れる。
『魔法』
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この物語にはまだ、続きがる。これは、不確かなもので、『世界の理』という存在が出てくる。
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賢者は戦いの後、世界のすべての本を収集し始めた。そして、彼はそれらの知識を本に転写した。
それが『世界の理』。賢者が作った全知の本。しかし、賢者は満足しなかった。
賢者は
こんなの、本当の『世界の理』ではない。『世界の理』はこんなものではないのに……。
賢者はさらに『世界の理』に知識を転写した。
賢者はそして、作り上げたのである。『世界の理』。すなわち、全知の書、を。
しかし、『世界の理』は賢者が死ぬと同時に消滅した。
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