約束とは
この時が来てしまった。
「お母さん。約束は絶対守ってみせるよ」
約束。
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それは僕が小学二年生の頃、インドに住んでいた時だった。
学校から帰ってきたら、母が玄関を半開きにして外に横たわっていた。
「お母さん!」
と僕は叫んだ。母は暑そうに仰向けになっていたのでおでこを触って熱を正確にはわからないが感じてみた。とても暑かった。小二の僕には何をすればいいのかわからなかったので、ちょうどその時携帯していた携帯電話で父に電話した。
だが、父は電話に出てくれなかった。近所の人に助けを求めるのも、英語がまだ話せないので僕は母に冷たい水を飲ませ、ほんの少し楽になったところで立たせてベッドまでゆっくり歩かせた。
「あ…りがとう。」
と苦しみながら母は言った。
僕は可哀想な母を見て声が出せなくて、自分の出せる力を精一杯首に入れてうなずいた。
そこで、父が僕が電話したことに気づいたのか、電話が鳴った。案の定、父からの電話だった。
「もしもし?お父さん?」
焦り気味に僕は言った。
「どうした。そんなに焦って、声が泣きそうだぞ」
「学校から帰ってきたらお母さんが倒れてて、熱がでもわかるぐらいすごい高熱で、顔が死にそう!」
言えるだけ全ての事を伝えた
「わ…わかった…これ以上聞いてもわからないだろうから、お父さんは今すぐ帰るわ。30分だけ看病よろしくな。」
「はい。」
そしてマザコンの僕は30分間、トイレも我慢して母の看病をした。
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病院に着いてすぐなんの病気か見てもらった所、蚊によって伝染されるデング熱だとわかった。
入院することになった母と喋っていて、僕は約束した。
「お母さん。僕はまだ幼くて何も出来ないけど、大人になったらお医者さんになって、お母さんが病気になっても守り続けるよ。約束する。」
「ありがとう。蓮。」
僕は今でも父が帰ってくるまで汗を拭くことしかできなかった30分間が大嫌いだった。
更新ペースは気分です!すいません!