カイトの決意
「主君?」
狂気に満ちた顔をしているカイトを初めて見た静は、恐る恐るカイトを呼ぶ。
「その魔眼とやらを保有してるのは何処のどいつだ?」
静に呼ばれたが、それすらも無視をし、カイトは話を続ける。
「たっ確か、バトル帝国に魔眼持ちが居ると聞くぞ?」
カイトの威圧感に押されながら、カレンは情報をカイトへ伝える。
「バトル帝国か。なら丁度良いな。」
「丁度良いって何が?」
「どうせバトル帝国へ行く予定があったんだ。そこで潰す。」
砂の城を壊すかのように国を潰す発言をするカイトにカレンとアスラは呆気に取られていた。
「貴方は何を言ってるのか分かってるの!?国を潰す?そんなの許されるわけ無いわ!!」
カレンが正気を取り戻し、カイトの発言に対して激昂した。
「先に手を出してきたのはあちらさんだ。しかも俺の家族を使ってな。」
カイトは静の頭を撫でながらカレンの目をじっと見ながら話す。
「それもそうかも知れないけど、あの国には罪の無い人もいるのよ?そんな人達も殺すの?」
「カレンは何か勘違いしてないか?元から俺は他の人間なんぞ興味は無い。例え罪の無い人間でもな。」
カレンはカイトの発言を聞き、戦慄する。
元より他の人間に対して興味が無いのは知っていたが、当たり前のように殺せるとは思ってなかった。
「それを聞いて、私が貴方を行かせると思うの?」
カレンは戦闘体勢に入る。
「アスラ!貴女もカイトを止めるのよ!じゃないと、本当に国を潰すわよ!」
カレンの金切り声にも悲鳴にも聞こえるような声でアスラを味方につける。
「カレン、アスラ。お前達にはお世話になった。だから殺しはしない。だが、寝ていてもらうぞ。」
カレンとアスラが飛び出そうとした瞬間にカイトと自分達との間に割り込む影があった。
「それ以上ご主人様に近付くなら、私を倒してからにして貰いましょう。」
「何を言ってるの!?貴女のご主人様が何の罪も無い人達を殺そうとしているのよ?」
カレンは情に訴える作戦を敢行するが、呆気なく看破される。
「それがご主人様の意思なら私は従います。例え魔王になろうとも私は一生着いていきます。この命はご主人様の為にあるのです。」
カレンとアスラはこの主従関係は異常だと思っていると、カイトが咳き込む。
口に当てていた手を退かすと、手には血がべっとりと付いていた。
「レベッカ俺と静は先に帰る。2人を気絶させたら帰ってこい。」
「承知しました。」
ガタンと部屋から出るカイトを止めることが出来なかったカレンは悔しそうに唇を噛む。
「お二人様には申し訳ありませんが、気絶してもらいます。」
レベッカが部屋から出た後の部屋は気絶した2人が居た。




